熊本を舞台にした、プロゴルファーを目指す少年の成長ストーリー。主人公・青葉弾道(ただみち)ことダンドーは野球少年で、どんな球でも遠くに飛ばしてしまうスーパー小学生だ。ある日、打球が校長先生の大事な植木鉢を直撃してしまい、その才能からゴルフを勧められる。乗り気でなかったが、とあるきっかけでゴルフにのめり込んでいく。続編に『DAN DOH!! Xi』、『DAN DOH!! ネクストジェネレーション』がある。2004年にテレビアニメ化。
当初はゴルフを「年寄りスポーツ」だと馬鹿にしていたダンドーだったが、地面に置いたゴルフボールをバットで打てないことに腹を立て、意地になって練習していくうちにその魅力に目覚めていく。校長から伝説のプロゴルファー・新庄樹靖(みきやす)のビデオを見せられた彼は衝撃を受け、プロになることを決意する。その後、ひょんなことから樹靖と出会ったダンドーは弟子入りを志願し、ゴルファーとしての道を切り開いていく。実は、ダンドーがプロを目指すのには理由があり、生き別れた母と再会するためにツアーの賞金がどうしても必要だったからだ。樹靖の指導を受けながら、ゴルファーやキャディとして着実に成長していくさまに好感が持てる作品である。
賭けゴルフを生業にしている野性児が、さまざまなライバルと闘いながら、プロゴルファーを目指す姿を描いたゴルフバトル漫画。H県にある「奥山カントリーゴルフクラブ」を訪れた中年ゴルファー「おっちゃん」は、森の中へボールを打ち込んでしまう。ボールが見つからずキャディに当たり散らすおっちゃんを、森の奥からたしなめる少年が現れた。その少年こそが百戦錬磨の少年ゴルファー・猿谷猿丸(さるたにさるまる)こと「猿」であった。1982年にテレビアニメ化。
猿に振る舞いをたしなめられたおっちゃんは激昂し、ゴルフ勝負を挑むが「タダではいやだ」と金銭を要求される。実は、猿は賭けゴルフの達人であり、勝負を挑むゴルファーを次々と手玉に取ってきたのだ。猿の圧勝で終わるが、おっちゃんの差し金でカントリーゴルフクラブの社長の息子・剣崎健(けんざきけん)と再び勝負をすることに。また、闇のゴルフ界を牛耳る謎の男・ミスターXが率いるライバルたちも登場し、賭けゴルファーとして勝負の場に駆り出されていく。勝負を通じて、本物のプロゴルファーになるべくプロテストを受けるまでが描かれており、猿谷家のきょうだいの絆やライバルたちとの切磋琢磨が見どころだ。また「旗つつみ」など、到底現実では出来ないようなオリジナルの技も話題を呼んだ。
病気を患った少年がゴルフと出会い、運命を切り開いていく成長物語。主人公・星野昴(ほしのすばる)は大の運動好きでバスケ部に所属する小学5年生だ。しかし、急性腎炎に罹り運動ができなくなってしまう。しかし、ふとしたきっかけで、ゴルフを嗜む老人・西尾誠一郎と出会いゴルフの世界にハマっていく。実は、彼の父親である大地も学生時代は才能のあるゴルファーであった。現在は車椅子で生活を送る大地の手ほどきを受けながら、昴はゴルファーとしての一歩を踏み出した。
昴は大地のレクチャーを受け、天才ゴルファーとして覚醒していく。特にSW(サンドウェッジ)を最大の武器としており、「相棒」と呼ぶほどだ。一方、大地の学生時代のライバルであり現在は伝説のプロゴルファーである兵藤正祀(まさし)の一人息子・芯(しん)もまた、父親に認められたい思いからゴルフの腕を磨く日々だった。同学年である二人は運命の出会いを果たし、宿命のライバルとして闘っていく。二人が相まみえる「ジュニアフレンドカップ」と、2年後の再戦である「全日本ジュニア対抗戦」の描写は見ものである。また、昴が入学したゴルフ名門校・蒼北学院中等部のゴルフ入試の厳しさは非現実的ながらも、バトル漫画らしいスリリングな展開で面白い。
離島で育った少女が、訳ありの元プロゴルファーの手ほどきを受け成長していく物語。鹿児島県のはるか南にある秘境「トカラ列島」の火之島に、一人の男が降り立った。元プロゴルファー・五十嵐一賀(かずよし)は、50歳目前にして職なしになってしまったため火之島の施設管理人の求人を見て、素性を隠し移住したのであった。そんな彼の目の前に、突如海から少女が飛び出してくる。大井とんぼと名乗る天真爛漫な少女は、その出会いにより大きく運命を変えていく。
五十嵐はとんぼから「イガイガ」と呼ばれ、父親のように慕われている。実は、とんぼの両親は彼女が小学生の時に他界しており、祖父であるゴンじいに育てられていた。また五十嵐は、プロゴルファー時代に金に困り賭けゴルフに手を出し、協会を追放された身であった。互いに癒されぬ過去を持つ二人は意気投合し、島に一箇所だけある村民が作ったゴルフコースへ出向く。彼女が唯一所持している三番アイアンを駆使しボールを打つ姿に、五十嵐は衝撃を受け情熱を取り戻す。ダイヤモンドの原石であったとんぼが、偶然の出会いでめきめきと力を発揮していく姿がフレッシュで魅力的だ。熊本の高校に進学してからも大会の出場で出会ったライバルたちと競い、更なる成長を遂げる姿から目が離せない。
「世界一の飛ばし屋」を目指す少年が、ゴルフと出会い才能を開花させる青春ストーリー。女子プロゴルファー・西野霧亜(きりあ)は、福島の山奥の温泉へリフレッシュにやってきた。しかし、民宿へ向かう途中の橋が壊れており、途方に暮れる。そんな彼女の目の前に一見外国人風の少年・ガウェイン・七海(ななうみ)が現れ、霧亜を民宿までエスコートする。道中、ガウェインの驚異の身体能力を見抜いた霧亜はゴルフを勧めるも、彼は野球に夢中だった。
ガウェインは野球で「世界一の飛ばし屋」になることが目標だった。霧亜は「ゴルフなら男子は300メートルも飛ばせる」と耳打ちし、その気になった彼は初めてドライバーを握る。ゴルフの魅力に目覚めたガウェインは、飛ばし屋としてゴルファーを目指す。上京しゴルフの名門校「キャメロット学院」に入学した彼は、最大のライバルであるランスロット・ノーマンと出会い、世界の小中学生ゴルファーと切磋琢磨する。登場人物が必殺技として使う「ギフト(天賦の才能)」が本作の見どころだ。特にガウェインのギフト「ライジングインパクト」は抜群の飛距離を誇る。ランスロットのパッティング能力のギフト「シャイニングロード」など、それぞれの強みを生かした技を見るのもいいだろう。