中学生の少女2人が、協力して幽霊退治を行っていく様子を描いた学園ファンタジー。主人公の椎名天音は、優秀なエクソシストを父に持つ中学生。彼女自身にも霊能力があるが、学校では秘密にしている。ところが、オカルト好きのクラスメイト・松田真由に巻きこまれた天音は、父の幽霊退治のやり方を見様見真似し除霊せざるを得なくなる。当初は反発し合っていた天音と真由だが、やがて2人は固い友情で結ばれ、幽霊退治を行っていく。
本作に登場する天使は、主人公たちが通う学校の高等部に所属する姫野ひとし、天堂正斗、浜崎竜彦の3人。姫野は学業優秀な生徒会長。天堂は、CMやドラマに引っ張りだこの芸能人、そして浜崎はJリーグの若き新星。タイプは違うが、何れも女生徒の人気を集めるイケメンである。そんな彼らの正体はエンジェル。ただし、世間一般が認識する天使とは少々毛色が違う。彼らは、死んだ人間の魂や魔物が住まう異世界の門番だ。その任務は、異世界からの不法侵入者を強制送還することと、迷える魂を回収すること。ちなみにエンジェルは、人間としてこの世界に生まれ、10年以上経つと徐々に覚醒し、自分の能力と使命に目覚める。ところが、中にはエンジェルの記憶を失い、自分が人間だと思い込む者もいる。実は主人公の天音と真由は、その「迷いエンジェル」だったのだ。自らの出自を知った天音と真由は、エンジェルとしての活動を行っていく。
高校生の兄妹による禁断の恋と、天使と悪魔が入り乱れる争いを描いた、壮大なダーク・ファンタジー。主人公の無道刹那は、実の妹・紗羅への想いを抱え、密かに悩む少年だ。そんな彼は、地獄からやってきた者たちから、自分がかつて神に叛逆して堕天使となった有機天使アレクシエルの生まれ変わりで、救世主であること告げられる。にわかには信じられない刹那だが、やがて天界と地獄界を揺るがす争いに巻きこまれていく。
本作には、数多くの天使が登場する。その中でも中心となるのは、無機天使ロシエルだ。彼は、主人公の無道刹那として転生した有機天使アレクシエルの双子の弟である。姉のアレクシエルと同じく、至高の美を備えた彼は創世神の寵愛も厚く、天使の最高位に君臨していた。ところがロシエルは、アレクシエルの叛逆の際、彼女の最終魔法術で地中深く封印されてしまう。以後、智天使カタンの尽力で復活するまで、永きに渡って封じられていた。ロシエルがアレクシエルに抱く感情は複雑だ。自分を封印したことに対する憎しみがある一方で、歪んだ愛情も抱いてもいる。愛憎の入り乱れた想いを抱えるロシエルは、アレクシエルの魂を宿す刹那を執拗に付け狙う。そして、手段を選ばないロシエルの姿勢は、物語に大きな影を落とすこととなる。
人間と魔界から召喚された悪魔の奇妙な共同生活を綴ったギャグ・コメディ。主人公の邪心ちゃんは、女子大生の花園ゆりねが偶然、古本屋で買った魔導書で人間界に召喚された。そして、邪心ちゃんが魔界に帰還する手段は、召喚者の死のみ。そこで邪神ちゃんは、あらゆる手段でゆりねの殺害を試みるがことごとく返り討ちに遭う。かくして邪神ちゃんは、ゆりねの家で居候生活を送ることとなる。2018年にテレビアニメ化。
本作には、ぺこらという天使が登場する。天使と悪魔は敵対関係にあるため、ぺこらは、邪神ちゃんとその親友・メデューサ、はては召喚者の花園ゆりねまでも駆除しようと襲いかかる。ところがぺこらは、天使の力の源である天使の輪を紛失する大失態を犯し、目的は達せず終い。天界に帰ることもできず、人間界で路頭に迷う。以後、ぺこらは、極貧生活に陥り、ゆりねや邪神ちゃんの施しを受けるという、微妙な関係になる。ちなみにぺこらには、ぽぽろん、ぴのという2人の元部下がおり、彼女たちも人間界にやってくる。基本的に清い心を持つぺこらと異なり、ぽぽろんとぴのは結構な腹黒キャラ。個性的な天使たちと邪神ちゃんを筆頭とする悪魔たちの絡みは、物語を大いに盛り上げている。
小学6年生の男子と、天使見習いの交流を中心とする、ファンタジック・コメディ。主人公の樋口湖太郎は、交通事故で母を亡くし、父と2人で暮らす小学6年生。湖太郎が住むアパートの隣室に、天使見習いの少女・美紗が引っ越してくるところから物語は幕を開ける。美紗はいきなり湖太郎の母になると宣言。その日から、湖太郎の日常は賑やかさを増していく。2002年にテレビアニメ化。
本作に登場する天使は、主人公・樋口湖太郎の隣人となる見習い天使の美紗。突然現れた美紗は、湖太郎の通う学校の中等部に編入。天使の中でも飛び抜けて出来の悪い彼女は、昇格試験のために人間界に留学してきたのだ。落ちこぼれ天使だけに美紗の生活力は低く、料理も出来なければ部屋も散らかし放題。母を亡くした湖太郎の母になると宣言したものの、むしろ世話になるのは美紗の方だ。さらに美紗は人間界への理解も足りないため、ピントの外れた行動も多い、天性のトラブルメーカーだ。それでも、底抜けに明るい美紗の存在は、湖太郎を始めとする周囲の人々の心に温もりを与えていく。敵対する存在の悪魔にさえ深い情を持って接する美紗は、慈愛に満ちた優しい天使である。
うつ病の男性と淫魔(サキュバス)の日常を描いたハートフル・コメディ。ある日、とあるブラック企業に勤める青年・憂の元に、精を奪い取ろうとサキュバスのさくまさんがやってくる。ところが、憂は過酷な業務から鬱病を発症し、性欲が全くない状態だった。さくまさんは憂を強引に退職させ、彼と同居。パン屋のアルバイトで憂を養いつつ、彼を鬱から回復させ、性欲を取り戻させるべく努力を重ねていく。
本作に登場する天使は、憂を更正させるために天から遣わされたと宣うツグナエル。淫魔であるさくまさんのせいで憂が堕落し、無気力な生活を送っていると誤解している。そのせいもあって、ツグナエルは憂に対して「頑張って下さい」「努力が足りません」といった鬱病患者へのNGワードを連発。憂が鬱病であると言われても、根本的な姿勢は変えない彼女は、かなり天然気質な天使である。また、悪魔の一種である淫魔とは敵対関係にあるはずだが、ツグナエルはさくまさんの作る食事を喜んで口にする。それどころか、憂の更正よりも、食事が目当てでやってくる節すらある。さくまさんとはあらゆる意味で対照的なツグナエルは、天使としての能力はさておき、存在感の大きなキャラだ。