永遠の「ヒーロー」ファンがアツい!!オススメ漫画5選！37 Pt.

主人公・叶は、毎週特撮番組を観ることを楽しみにしている隠れ特撮オタク。部屋は、特撮ヒーローのコレクショングッズであふれている。彼女のピンチやパニック時には、妄想の特撮ヒーローが現れ助言をしてくれ、危機を乗り越えている。彼女にとって、特撮ヒーロー作品は、正しい大人になるためのヒントが満載の人生のバイブルとも言える。当初は特オタであることを周囲に頑なに隠していたが、次第に本音を言い合える仲間ができていくことで、他人と想いを共有する楽しさも知る。これまでに似た経験をしてきた人はもちろんのこと、日々の生活を送る中で何かしら窮屈な想いをしている人ならば、胸に響くものがあるだろう。

主人公・波平の勤務地は、熊本にある遊園地「東洋スーパーワンダーランド」。入社式が、ヒーローショーと合同で行われるという変わった伝統がある。普段はテレビの中にいる特撮作品の人気者を目の前で拝めるヒーローショーは、子どもたちにとってはまさに夢の舞台。最初は、東京ドリームランドに未練があった波平だが、働く内に、仕事にやりがいや誇りを感じるようになる。自らヒーローショーを発案し、「最高のものに仕上げたい」と考えるようになっていく。彼女の願いは、お客さまに非日常的な空間で夢のような世界を楽しみ、幸せな想いを持ち帰ってもらうこと。その「夢」を提供する側の苦労は絶えないが、実現できた時の充実感や喜びはなおのこと大きい。そんなエンタメ業界の辛さと喜びがひしひしと伝わってくる。

本作には、さまざまなアニメのヒーローたちが作中で食べている料理「ヒーローめし」が登場する。父親の突然の死により、心が離れかけてしまった涼太と誠也。しかし、アニメに登場する「ヒーローめし」を、父親が遺した膨大なアニメコレクションを観て語り合いながら食べることで、再び心が寄り添い、絆を深めていく。記念すべき「ヒーローめし」第一号となったのは、「秘密戦隊ゴレンジャー」のキレンジャーが大好物の「キレンジャーのカレー」。その他にも、「キン肉マンの牛どん」や「チビ太のおでん」など、アニメファンならば一度は食べてみたいメニューが続々と登場する。詳しいレシピは載っていないので、どのような味なのか想像力が掻き立てられるに違いない。

英雄は、子どもの頃に見た特撮作品がきっかけで、正義のヒーローに憧れを持つようになった。そして、「今度は自分がヒーローとなって子どもたちに夢を与えたい」という熱い想いで演技の勉強をしている。女優を目指すもなかなかうまくいかない桜子の目に、夢に正直で真っ直ぐに生きる英雄の姿は眩しく映っていた。ヒーローとは、テレビの中だけにいるわけではない。桜子を鼓舞する英雄の存在もまた、ヒーローと言えるのではないだろうか。英雄と桜子は、各々の目標に近付くため、努力を惜しまず挑戦し続ける。彼らの夢の行方を追うと共に、2人が紡ぐ恋愛模様にも注目だ。

ブラックジェネラルは、悪の組織の女幹部とは思えないほど素直でかわいいドジっ娘だ。大ファンであるヒーロー・ブレイブマンに近付くために、あの手この手でアプローチを仕掛けるが、ハートをつかむどころかドン引きされるばかり。隠し撮りをしても顔の部分が全てブレているなど、詰めが甘い。彼女が所属する悪の秘密結社・RX団も、気の弱いボスや、ボスに手厳しいクールビューティ秘書などがメンバーで、どこかアットホームな雰囲気。一方のブレイブマンは、真面目な性格で、悪の組織の新人研修の相手役まで付き合ってあげるお人好しだ。ブラックジェネラルの残念すぎるアプローチの顛末と共に、個性豊かなキャラが生み出すにぎやかさも楽しめる。