タイトルが「一音」のみの潔さ!オススメ漫画5選72 Pt.

タイトルは作品の顔であり、読者の興味を引くためには、印象に残りやすいものであることが重要だ。最近は長くて複雑なタイトルの作品も増えてきたが、今回は「ねねね」や「ノノノノ」など、「一音」のみで勝負している潔いタイトルの作品を紹介しよう。

作成日時:2021-03-16 19:00 執筆者:マンガペディア公式


『ねねね』

お面をつけた夫と可愛らしい妻の初々しい新婚生活を描いたラブコメディ漫画。16歳の小雪は、自分よりかなり年上の男性・清(しん)と結婚する。37歳の清は秀才で家柄も良く、夫として申し分なかったが、唯一気がかりなのは、顔に狐の面をつけていること。それは結婚生活が始まってからも変わらず、寝ている時ですら外さない。少しでも夫婦らしいことをしてみたい小雪と、理性を保つためになるべく妻に触れないようにしようとする清の攻防が繰り広げられるピュアラブストーリー。

本作で描かれているのは、年の差が大きい夫婦の新婚生活。清が狐の面をつけている理由は、仕事上不思議な生き物に狙われやすく、それらに憑かれないようにするため。面をつけている清は常に落ち着いた大人の貫録を感じさせ、たとえ心の中では動揺していても、小雪からは余裕があると勘違いされることもしばしば。だが、実際は手が触れただけでもドキドキしてしまうのは小雪だけではなく、清も同じ。彼は37歳だが童貞で女性に免疫がない上に20歳までは妻に触れないことを義父から約束させられているのだ。タイトルの「ねねね」は、二人とも恋愛に関しては赤子のようなねんねの状態であることを示したもの。初心で可愛らしい夫婦のやりとりに心がほっこりすることだろう。


『ラララ』

初対面で契約結婚した男女が本物の家族となっていく恋愛漫画。主人公の桐島士朗はリストラされた上に彼女にもフラれ、バーでやけ酒をあおっていたところ、年上の女性・石村亜衣に声をかけられる。仕事に関する契約書だと思い、士朗がサインをした紙は婚姻届であり、いきなり二人の結婚生活がスタート。訳が解らないままに専業主夫となった士朗は、外科医で奔放な彼女に振り回されながらも、次第に彼女に惹かれていく。

本作では一般的な結婚とは逆パターンで、結婚が一歩目で、同じ屋根の下で暮らしながら少しずつ互いのことを知っていき、愛情を育んでいく夫婦の様子が描かれている。家では全裸で過ごすなど、自由奔放に見える亜衣だったが、彼女には介護が必要な家族もおり、器用なようでいて実は不器用に生きてきた女性だった。そんな彼女を本気で愛するようになる士朗だったが、展開が進むにつれて妊娠中の元カノが現れたり、親戚問題が浮上したりと、次々とハプニングに襲われる。また、近所に住んでいた少年・三宅准(じゅん)を養子として引き取ることになり、二人だけの生活に変化が。一枚の婚姻届から始まった二人の関係だったが、少しずつ本物の家族へと成長していく。


『ダダダ』

『ダダダ』

出典:白泉社

自信がないまま生きてきた青年が、妹と再会したことで新たな目標を見つけ、人間的としてもボクサーとしても成長していくスポーツ漫画。相瀬佑(あいせゆう)は、元プロボクサーである父親に認められることを目標にボクシングに打ち込んでいたが、父親が突然他界し、失意のどん底にいた。そんなある日、生き別れになっていた妹・ゆめと再会。穏やかな生活を得るが、その矢先にミドル級チャンピオンの神崎閃が現れる。再戦を迫る神崎の狂気から妹を守るため、佑は命懸けで試合をすることになる。

主人公の佑は、普段は穏やかだが、リングに上がると別人のようになり、狂気を帯びた試合をするようになっていた。それは、ボクサーとして勝てなくなり、家庭内暴力を振るっていた父親との暮らしのせいで、試合中は強くなければ誰にも認めて貰えないという恐怖に似た感情に支配されていたからだ。突然現れた妹のゆめは純粋無垢な存在であり、兄妹二人で穏やかで優しさに満ちた生活を続けていくことが佑の新たな目標になりつつあった。だが、破壊神と呼ばれるミドル級チャンピオンの神崎は破滅的な戦い方を好んでおり、ゆめを利用して佑を揺さぶり、再び狂気を取り戻させようとする。果たして佑は理性を保ちながら大切なものを守ることができるのか。迫力満点の試合シーンと互いを大切に思い合う兄妹愛に心動かされる作品だ。


『ボボボーボ・ボーボボ』

『ボボボーボ・ボーボボ』

出典:集英社

未来の地球を舞台に個性豊かなキャラたちが戦いを繰り広げるギャグバトル漫画。世界を支配しているマルハーゲ帝国の独裁者である皇帝のツル・ツルリーナ4世は、全ての国民を自分と同じ坊主頭にするべく全世界で「毛狩り」を開始した。主人公のボボボーボ・ボーボボは、そんな独裁者に反旗を翻すべく立ち上がったアフロ頭のヒーロー。自由自在に動き武器にもなる鼻毛を用いた「鼻毛真拳」を中心に様々な技で毛狩り隊に立ち向かい、仲間と共に旅を続けていく。2003年テレビアニメ化。

タイトルの「ボボボーボ・ボーボボ」は、そのものズバリ主人公の名前を表したもの。主人公のボーボボは、異常に伸びている鼻毛とボリュームのあるアフロ頭が目立っており、毛に特徴があるキャラ。鼻毛を自在に操れる鼻毛真拳の使い手であり、毛の気持ちが解る特殊能力の持ち主でもある。ボーボボの祖国は毛の王国であり、全世界の毛の平和を守るために毛狩り隊を相手に戦う旅を続けていた。訳アリのヒロインのビュティも旅に同行するようになり、更には太陽のようなトゲトゲ頭の首領パッチ(ドンパッチ)とも相性が良く、仲間となる。個性豊かなキャラが大勢いることも本作の大きな魅力。ボケとツッコミが絡み合うギャグバトルが繰り広げられ、細かいことを考えずに感覚で楽しめる。


『ノノノノ』

『ノノノノ』

出典:集英社

スキージャンプを題材とし、男装した女子がオリンピックを目指すスポーツ漫画。雑誌記者の与田は、スキージャンプ界の大型新人の取材でスキー場を訪れる。人の潜在能力のオーラが視認できる能力を持つ与田は、そこで桁外れのオーラを持つ選手・野々宮悠太と出会う。しかし、その正体は野々宮ノノという女子。作中の時代では冬季オリンピックのノルディックスキージャンプは女子競技が採用されていなかったため、男装してオリンピック出場を目指しているのだった。

タイトルの「ノノノノ」は、主人公・野々宮ノノの名前が入っていると同時に、スキージャンプ台を彷彿させる字形でもある。父親の由良悠介は周囲の期待に応えられずオリンピックで失態を犯し、団体金メダルを獲れなかった。また、父親からスパルタ教育を受けていた双子の兄・悠太はノノに夢を託し自殺。二人の願いを引き継ぎ、ノノは悠太として生きることを決意し、名門の奥信高校に入学。しかし、当然ながら性別を偽って生きることは難しく、ハプニングの連続で、同世代のライバルたちや世界の高い壁にも阻まれ、挫折も味わう。仲間である天津暁(あきら)に恋をしながらも、オリンピックにかける情熱はなお凄まじく、周囲にも助けられながら一歩ずつ成長し、夢へ近づいていく。


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