西暦3199年、戦いを忘れたかつての宇宙戦艦ヤマトの乗組員の子孫たちが突然現れた謎の移動性ブラックホールに立ち向かうSF宇宙巨編バトル漫画。西暦2000年代から3000年代にかけて、人類は度重なる滅亡の危機を乗り越え、生活圏を全銀河へと拡大しようとしていた。宇宙船団所属の護衛艦「戦艦雪風」の副長である古代進は大マゼランと太陽系の中間点を航行していた。その空間は古代の先祖たちが命懸けの壮絶バトルを繰り広げながら、地球へと帰還した道だった。
先祖の想いを強く心に抱いている古代に雪風の艦長は、地球人なら誰でも知っている君の先祖たちの偉大な伝説を人類が忘れた時、もう一度地球に危機が訪れると諭す。過去の苦難や先祖の苦闘を忘れ去り、今や惰眠を貪る人類にとって偉大な「ヤマト」が記憶から消えるのも時間の問題だった。その時突如、船内に警報が鳴り響いた。すると、戦艦後方に「無の塊」と言われる移動性ブラックホールが現れた。ブラックホールは雪風と共に航行中だった全ての艦を呑み込もうとしていたのだ。SF漫画の金字塔である『宇宙戦艦ヤマト』の1000年後を描いた作品。
海上自衛隊のイージス艦「みらい」がミッドウェー沖合で激しい台風に遭遇し、太平洋戦争真っ只中であるミッドウェー海戦前の1942年にタイムリープしてしまうというSF戦艦バトル漫画。200×年、海上自衛隊横須賀基地。演習とはいえ武器弾薬を配備したイージス艦「みらい」は憲法違反を訴えて反対する国民もいる中、邦人の生命安全を守るために日米新ガイドラインのもと争乱の南米エクアドルへと初出航しようとしていた。2004~2005年テレビアニメ化。
出港4日目、ミッドウェー島に到達しようとしていた「みらい」は予期せぬ台風に見舞われる。「海に出て35年と2ヵ月、こんな雲は見たことがないな」艦長の梅津三郎が訝る中、突然レーダーから全ての先行艦の姿が消え、激しい嵐の中で落雷を受けてしまった「みらい」は受信機の故障でもないのに先行艦との衛星交信が不能になってしまう。僚艦を失い海上を彷徨う「みらい」の目の前に現れたのは、あろうことか大日本帝国連合艦隊の戦艦だった。物語は副長兼船務長である角松洋介と大日本帝国海軍所属の軍人である草加拓海を中心に描かれる。本来なら亡くなるはずだった草加は角松に命を救われ、「みらい」にあった資料から戦争の結末を知る。日本が負けることを知った草加は日本の敗戦を阻止すべく、歴史を変える行動に出るのだった。
第二次世界大戦前の日本を舞台に、数学の力で巨大戦艦の建造計画を阻み、戦争を起こさせないよう奔走した天才数学者と戦争の闇を描いた歴史戦争バトル漫画。1933年、太平洋上で航空母艦「赤城」の洋上演習が行われた。「赤城」は無事発艦し、「世界に先駆け日本が空母機動部隊配備の扉を開けたぞ!」と歓声が上がった。司令官の山本五十六は「図体の大きな戦艦はこれからの戦いには必要ない」、さらに、大型戦艦を造る金があるのなら…空母と航空兵力の充実に回してもらいたいものだ」と語る。2019年実写映画化。
山本はこれからの戦いは航空機が主流になると考えていた。だが、海軍内で行われた新型戦艦建造計画において、山本の部下である藤岡嘉男は山本の空母案に賛同したが、戦艦の設計担当である海軍中将の平山忠道は「戦艦大和」の建造を強く押した。さらに、平山は藤岡が提案した空母建造計画よりも安い予算で戦艦を建造できる見積もりまで出していた。平山の余りに安い予算に疑問を抱いた山本は帝大で数学の天才と称された櫂直(かいただし)を海軍少佐に任命し、平山の見積もりの不在を証明するよう命ずる。実は戦争反対派の櫂が海軍に入ったのは、数学の力で何とか戦争を回避することが出来ないかと考えたからである。戦艦について何も知らない櫂は情報収集のため横須賀に停泊している戦艦「長門」に乗り込むのだった。
伝説の海洋民族の一員で船乗りである主人公が、航海を続ける中で様々な境遇の人々と出会い、果てに一族や国の戦いに巻き込まれていく海洋冒険活劇漫画。少女マイア・スアルと彼女を護っている大陸一と噂される兵法者トゥバン・サノオは、伝説の大魔道師イルアンジャの居所を求めて旅を続けていた。彼を知っているという魔道師の家に辿り着いた二人は、魔道師アナハラムを捜し、グリハラという土地に行け。そうすればイルアンジャのことを知ることができると教えられる。
男の家を出た二人は宿に向かう途中で、小国ウォルハンの新王カザル・シェイ・ロンが刺客に襲われる場面に遭遇する。伴に付いていた二人を殺されピンチに陥ったカザルだったが、危ういところでマイアとトゥバンに助けられる。マイアとトゥバンはその場に居合わせた得体のしれぬ船乗りの男ファン・ガンマ・ビゼンが二人の探すグリハラの土地の情報を持っていることを知り、行動を共にすることにする。この作品の魅力を何より際立たせているのは、細かいところまで気を配った登場人物の相関関係を含めたストーリー展開である。また、船上での詳細な描写はダイナミックでリアル感にあふれ、何より国立広島商船高等専門学校航海科出身の作者だからこそ描けた作品だと評判となった。
港町で孤児として育った主人公が、幼い頃から憧れだった海賊団に入り、失われた文明を探し求める航海に出る海洋冒険アクション漫画。ラーアジノヴ王国の港町イノガスイーダ。孤児たちのリーダー的存在である8歳の少年ココ・フェルケナは、町で盗んだパンを仲間に分け与えながら大好きな海賊ごっこに明け暮れていた。中でも自分の港を持たない海賊界の嫌われ者のジョン・ロバーツ通称「クレイジーパーツ」を最も敬愛していているココは、自分のことを「クレイジーココ」と呼ばせていた。
海賊ごっこを楽しんでいたココたちは、イノガスイーダを本拠地とする海賊「レッドスケル」に絡まれてしまう。彼らの大将キャプテンスパードはココたち孤児を目の敵にしていたのだ。だが、クレージーパーツの船「スイートマドンナ」が無断で港に入って来たことで、何とか難を逃れる。「僕は海賊になるんだ!」と宣言したココはどんなスゴイ相手でも蹴散らしてしまうという海賊クレージーパーツを見に港へと急ぐが、そこにいたのはダンゴ3本を口に放り込んでモゴモゴさせているアホ面のクレージーパーツだった。おまけに「レッドスケル」の女海賊スパードに銃を向けられ逃ても抵抗できず、挙句の果てに彼女の息子にもボコボコにされる始末。憧れの人との出会いは最悪だったが、それでもココは彼を嫌いにはなれなかった。