和田竜による同名小説のコミカライズで、戦国時代に、“天下一の海賊”としてその名を世に知らしめた「村上海賊」の娘・村上景(きょう)が主人公の歴史漫画。織田信長と長きにわたって敵対関係にあった一向宗本願寺の門主・顕如(れんにょ)が、戦に勝つため、村上海賊や毛利水軍に武力を頼ると決めたことから物語が動き出す。1576年に大坂で起こった第一次木津川口海戦で、敵陣を震え上がらせる強さで大きな役割を果たした20歳の女海賊・景の活躍を描いている。
村上海賊は、「村上水軍」としても日本史に名を残す日本中世に実在した海賊だ。芸予諸島の島々に城を築いて私的な関所を設置し、瀬戸内海を往来する船から通行料を徴収するなどして独立勢力を保持していた。主人公・景の父親である村上武吉(たけよし)は、1555年に安芸国で起こった厳島合戦で、毛利家の一翼を担って活躍し、勝利に貢献した。その愛娘・景は、男勝りの強さを誇る海賊。初めて合戦を目撃した際には、理想と現実の違いを知り、あまりの恐ろしさに一度は戦から身を引く決心をしたこともあった。しかし、守るべき存在のため、再び立ち上がり、“村上海賊の姫”として軍を率いて織田方に立ち向かっていく。
主人公のモンキー・D・ルフィが、“海賊王”になるために、航海の旅をする冒険漫画。舞台は、多くの海賊が存在する架空の「大海賊時代」。ルフィは仲間と共に、海賊王ゴールド・ロジャーが遺した富・名声・力の象徴である「ひとつなぎの大秘宝」こと「ワンピース」を求め、数々の死闘を乗り越えて成長していく。2015年に、コミック全巻の累計発行部数がギネス世界記録に認定。1999年10月にテレビアニメ化。映画作品、ゲームソフトも多数存在する。
幼少時から海賊に憧れていたルフィは、村の港に停泊していた赤髪海賊団の宴で「ゴムゴムの実」を食べてしまい、一生泳げなくなった代わりに、全身がゴム化する特異体質を手に入れた。そして、赤髪海賊団との別れから10年後、海賊王になることを夢見て1人で村を発つ。冒険の途中で、戦闘員のロロノア・ゾロや航海士のナミ、狙撃手のウソップ、コックのサンジなど、少数ながら精鋭揃いの仲間を増やしていくルフィ。「麦わらの一味」を名乗り、ライバルの海賊団や、気候や海流と行った過酷な自然環境、訪問先の島の住人など、さまざまな敵と戦いながら、海上を統治している海軍からも一目置かれるほどの海賊へと成長していく。大秘宝を探す冒険は、今なお続行中だ。
8歳の孤児、ココ・フェルケナが、ひょんなことから憧れの海賊団「スイートマドンナ」の一員となって冒険に出るアクション漫画。ココは、スイートマドンナの船長ジョン・バーツが探し求める伝説の「ファルコン文明」を追う。『フルアヘッド!ココ 番外編』は、バーツとクルーたちとの出会いを描いた物語で、『フルアヘッド!ココ セルヴァンス』は、ココが青年へと成長した続編だ。
ココが憧れ、迎え入れられた海賊団「スイートマドンナ」は、母港を持たない異端の海賊だ。船のトレードマークは、敵艦の船尾を破壊するほど強度で巨大な女神の胸像。人々からは“クレイジーストーンヘッド”と呼ばれている。スイートマドンナは、“クレイジーバーツ”の異名を持つ破天荒なキャプテンを筆頭に、船医のノーズ、操舵手のハルク、コックのピート・ロードマン、有能な乗組員のバクチやミガルといった少数精鋭からなる一団。物語の進行と共に、各キャラクターの過去や、登場人物それぞれの関係性も少しずつ明らかになる。ココたちは、ライバルの海賊団や海に棲む巨大で凶暴な化物と命を懸けて闘いながら、ファルコン文明を追い求めて冒険の旅を続けていく。
港水産付属高校1年生の大和鮒子ことフナコが、夏休みに、財宝が眠る宝島を目指して旅に出る海洋冒険漫画。フナコは、漁師をしていた祖父が遺したマグロ御殿に、父と2人で暮らしていた。その家に、海賊・カトーが正体を隠して下宿人として現れたことから、彼女の退屈な日々が動き出していく。彼の目的は、祖父が行ったことがあるという宝島の手掛かりを探すことだった。タイトルの「万祝(まいわい)」とは、漁師が大漁祝いや大漁祈念の際に着用する特別な晴れ着のこと。
主人公・フナコが10歳の時に亡くなった祖父・大和兆治郎は、地元で「伝説の名漁師」として知られていた。また、“海賊銀行(バンク)”と呼ばれる宝島へ偶然辿り着き、生還した唯一の人物でもある。実は、兆治郎は生前、フナコが16歳になる誕生日に、宝島へ行き方を記した地図と、船や漁業関係の権利書書類、愛用していた大銛などが彼女に届くよう手配していた。バンクまでの道のりを阻む敵は、ライバルの海賊団や、想像を絶する自然現象、カリブ海に棲む巨大な鮫・トビミズチなどだ。祖父の熱い思いを受け取ったフナコは、仲間たちと高校の夏休みに、海賊黄金時代の海賊たちが残した財宝が眠る島を目指し、大冒険に出る。
海に領土を持ち、海上戦において絶対的な強さを誇る「海の一族」のファン・ガンマ・ビゼンが主人公の海洋ファンタジー漫画。物語の舞台は、現代の科学的・技術的な文明が、何らかの理由で一度滅んでしまった未来の地球。大砲のような化学兵器は、作中では“カガク”として伝説的なものとして扱われている。海の一族を率いて、大国間の覇権争いに介入していくファン。幻の名刀「ニホントウ」を携え、敵対する国々との戦いに挑む。
海流によって流されている小さな浮島「海都」を本拠地とした国家で、一族の統治者は「海王」と呼ばれている「海の一族」。海運を基幹事業としており、海賊とは敵対関係にある。海王直属の最強軍艦「影船」7艦で、各地で情報収集や監査を行っていた。しかし、影船はもう1艦あり、その艦長を務めているのがファンだ。漆黒の帆船・八番艦を操る彼は、操船技術・武術・剣術・格闘術・戦術や戦略術が超一流というスーパーマン。どこか捉えがたい部分もあるが、仲間からの信頼も厚い最高の指揮官といえるだろう。ファンは、敵対していた海賊を生業とする一族、ジーゴ・サナリアをも味方につけて大戦に挑む。