農業大学のキャンパスライフを味わえ!オススメ漫画5選88 Pt.

第1次産業の一つで、中でも特に重要視される農業。今回は、その農業大学のキャンパスライフを扱った作品を紹介する。どれも専門的な分野ならではの楽しさ、そして苦労を伝える作品だ。そんな農大生の青春を味わえる作品たちを堪能してほしい。

作成日時:2020-07-05 10:00 執筆者:マンガペディア公式

農業大学のキャンパスライフを味わえ!オススメ漫画5選

出典:小学館


『銀の匙 Silver Spoon』

『銀の匙 Silver Spoon』

出典:小学館

北海道の農業高校を舞台とした酪農青春漫画。大蝦夷農業高等学校(エゾノー)に進学した八軒勇吾(はちけんゆうご)の青春の日々を描いている。札幌の酪農とは縁のない家庭で育った八軒は、有名進学校での学力競争から逃れる形でエゾノーを受験した。慣れない農業高校での生活で、出会った仲間たちと苦悩を分かち合いつつ、ときに青春を謳歌し八軒は成長していく。2013年、2014年にテレビアニメ化。2014年に実写映画化された。

当初後ろ向きな理由からエゾノーに入学した八軒は、仲間とともに酪農に接していくうち、前向きさを取り戻し成長していく。八軒のひたむきな頑張りに周囲が感化されていくさまは感動的だ。そんな八軒の入学から卒業までを描いた本作。高校在学中に起業した八軒は終章で大蝦夷畜産大学へ進学を決め、確執ある父親と真剣に向き合う。作中では、大学生活こそ描かれてはいないが、八軒や仲間たちが各々充実した4年を経た姿が描かれ終幕となる。酪農漫画の傑作と言える。また、作者の酪農エッセイ『百姓貴族』は酪農家であった作者の実家での生活を扱っており、こちらも併せて読めばさらに楽しめること間違いなしだ。


『もやしもん』

『もやしもん』

出典:講談社

農業大学に進学した青年と個性豊かな仲間たちとのキャンパスライフを描いた農業大学コメディ。家業がもやし(種麹)屋である主人公・沢木惣右衛門直保(さわきそうえもんただやす)。彼には菌を肉眼で見て、コミュニケーションできる能力があった。そんな沢木が農業大学に進学し、そこで出会った仲間たちとときに苦悩しつつも楽しい大学生活を謳歌していく。2007年、2012年にテレビアニメ化。2010年に実写テレビドラマ化された。

沢木と研究室の仲間たちは、学内で自給自足を行う「春祭」や、「農大収穫祭」などに参加し大学生活を謳歌する。また樹慶蔵(いつきけいぞう)教授のもと、発酵蔵の管理に携わるなど実学の得難い経験もしていく。本作では、酒造のみならず発酵食品全般に関する専門的内容が作中で詳しく紹介される。例えばアザラシのお腹にウミドリを詰めたイヌイットの伝統食品「キビヤック」や、エイを発酵させた韓国料理「ホンオフェ」といった発酵食品を本作で知ったという読者は少なくないだろう。沢木の目から見たデフォルメされた菌たちのグッズも多数発売され、人気を博した。農業大学という専門的な分野でのキャンパスライフを描いた先駆的な作品であり、大ヒットした良作だ。


『三枝教授のすばらしき菌類学教室』

『三枝教授のすばらしき菌類学教室』

出典:KADOKAWA

農業大学に進学した青年がひょんなことから出会った菌類学の権威である教授のもとでキャンパスライフを送る農大菌類漫画。片思いの女子・奈良麻衣子を追って農業大学に入学した天谷洸輔(あまたにこうすけ)。入学式の当日、麻衣子とキャンパスが違うことで落ち込む洸輔であったが、そこに現れた小学生・深山舞子(みやままいこ)に手を引かれ、ある研究室にたどりつく。そこで出会ったのが菌類学の権威・三枝誠一郎教授であった。舞子ときのこを溺愛する教授のもと、洸輔は大学生活を送ることとなる。

赤い髪で、名字がアマタニと読むところから、似た読みの「アマタニ」を学名に含む赤いベニテングタケの妖精の「きのこの王子様」と勘違いされた洸輔。舞子の夢を壊さないよう、しぶしぶ「きのこの王子様」を名乗ることとなる。いわゆるイケオジである三枝教授であるが、舞子ときのこのこととなると、我を忘れる変態チックなところがある。そんな教授のもと洸輔のキャンパスライフが始まるのであった。数ある農大漫画の中でも、菌類学をモチーフとした着眼点が興味深い本作。菌類、とくにきのこについての専門的な知識がしばしば紹介され、非常にためになる。例えば、第1話で紹介される「どんなきのこも一度は食べれる」というフレーズから展開される、毒きのこについての小噺のような内容は思わず笑ってしまう豆知識である。


『玄米せんせいの弁当箱』

『玄米せんせいの弁当箱』

出典:小学館

農業大学の講師として赴任した主人公が、生徒たちと食文化について考える食育漫画。国木田大学農学部の「食文化史」の講師としてぬか床を抱えて現れた、一風変わった人物・結城玄米。食文化と食育の理念に基づいて講義を開始した玄米は、赴任早々生徒たちにぬか床を作らせる。型破りの講義を行う玄米は大学上層部に目をつけられるも、いたって平静に食育の講義を行っていく。味噌やぬか漬けなど日本の伝統的な食文化をハートフルに伝える食育漫画である。

ぬか床を持って農業大学に現れた玄米。一風変わったその行動に、はじめは冷淡・無関心であったり、反抗的であったりした生徒たちも、朴訥で誠実な玄米の人柄に魅せられ、講義に次第に耳を傾けていく。大学上層部からは、ぬか床を学内に持ち込み、生徒たちにそれを作らせるといった講義から、白眼視されるも、玄米は、これも「食文化の研究」であると信念を曲げない。そんな玄米は「口福(こうふく)」という言葉を口にする。うまいものを食べたときに感じた気持ちを表し、またうまいものにありつく運を指す中国語だという。笑顔で食文化や食育の大切さを伝え、おいしそうにものを食べる玄米。その「口福」を読者は感じてみたくなることだろう。ベテランである作者によって巧みに描かれるハートフル食育漫画だ。


『のうぎょうカレッジ』

『のうぎょうカレッジ』

出典:芳文社

家に近いという理由で受験した農業大学に進学した主人公が、個性的な仲間と次第に農業に勤んでいく農業大学青春漫画。とくに目標もなく秀崎(しゅうざき)農業大学に入学した鈴木大貴(だいき)。同じグループで出会った広畠(ひろはた)みさととともに、野菜を愛でる「グリーンサークル」に成り行き的に入部する。サークル長の和泉杏奈やグループ担任の畝隆三郎(うねりゅうざぶろう)をはじめとする個性的で強烈な面々とともに、鈴木は農業に勤しみその魅力に目覚めていくのであった。

可愛らしく読みやすい絵柄で、農業の楽しさを伝える本作。農業について一から学ぶ鈴木や個性的な仲間とともに、ほがらかなムードで終始楽しく農業について学ぶことができる。それだけではなく、真摯に農業に向き合った作品でもある。大学およびグリーンサークルでは、機械を使わず人の手で畑を管理するのが基本であるというのも面白い。土壌の管理から野菜の生育、豆知識・レシピにいたるまで、本作では農や食の知識を広く取り扱っている。「非効率的な栽培を自分自身の為だけに行える」のは若人の特権と、担任の畝は冒頭で述べる。オーソドックスではあるが、キャッチコピーの通り「学び」「試し」「遊び」「味わえ」を体現した丁寧な本格農業大学漫画である。


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