無秩序な世の中で、改造人間のバディが正義のために駆け回る近未来冒険活劇。「改造部品(パーツ)」という名の移植型人工生体機能が出回ってからはや十年。人々は好きなように己の肉体をカスタマイズし、その結果改造人間同士の諍いが絶えず法でさえも裁けない世の中になっていた。抜群の嗅覚を誇るドグこと「犬」は、改造人間のならず者たちで結成された集団「ストレスフリー」のボス・イグナイトから、彼らの仲間に制裁を加えた犯人を探すよう依頼される。
犬は、持ち前の嗅覚を頼りに犯人探しをはじめた矢先、改造人間同士のケンカに巻き込まれる。手がかりを失った犬は、ケンカ相手に一撃をくらわせた青年・ロギイを犯人に仕立てイグナイトと会わせることに。しかし、ロギイもまた彼に会う用があった。実はロギイは依頼により改造人間絡みの事件を解決する「処分屋(かたづけや)」だったのだ。イグナイトを倒し依頼人からの目的の品を回収した彼は、すっかり犬と意気投合。二人は行動を共にするが、ロギイを狙う秘密警察組織の影が迫っていた。コワモテで女好きのロギイと、改造人間ながら弱気な好青年の犬の凸凹コンビが事件を解決するさまは痛快だ。スピード感溢れる展開で一気に楽しむことができる。
「ヒーローがいない平和な世の中に、悪の怪人達が現れたら」をテーマに、テロ組織に立ち向かうダークヒーローの闘いを描いたパニックホラー。2018年6月、平凡な男子高校生・神条恒彦は偶然乗り合わせた路線バスでおぞましい風貌の怪人に乗客もろとも襲われる。次に彼が目覚めた時は、なんと一週間後であった。謎のアジトで他の乗客と思われる惨殺死体を目の当たりにしてパニックとなる神条であったが、その背後には怪人・蜘蛛男の影が迫っていた。
神条は蜘蛛男の襲撃を受けるが、酒井公章率いる警察のSAT隊が突入し救助される。しかし、神条の入院する病院に再び蝙蝠男なる怪人が現れ次々と警官を殺害する。神条は規格外の能力で酒井と共闘し、蝙蝠男を撃破。難を逃れたが、それ以降次々と怪人たちが現れ罪なき人々を殺害してゆく。実は、神条は「ヘルトピア」なる謎のテロ組織に捕らえられ「アンタゴニスト」なる寄生虫を投与されたことにより改造人間となっていたのだ。彼はヘルトピアと対決し、組織が差し向ける怪人と闘うことを決意する。ダークヒーローとなった神条の闘いぶりもさることながら、終始グロテスクな描写がリアルで恐怖心が刺激される。ヘルトピア消滅後の世界を描いた後半のストーリーにも注目したい。
石ノ森章太郎の国民的大ヒット漫画『仮面ライダー』シリーズを彩った歴代ライダーたちが活躍するヒーローアクション。ニューヨークのスラム街で、連続失踪事件が絡んだ変死体が見つかりFBIは戦々恐々としていた。そこに現れたのは、鼻つまみ者の捜査官・滝和也であった。滝はかつてのヒーロー「仮面ライダー」の存在をちらつかせるが、相手にされない。しかし、既に彼の周りにも魔の手が迫っていた。続編に『新 仮面ライダーSPIRITS』がある。
ハーレムの神父に滝は目をつけるが時すでに遅し、滝の知るハーレムの少年が毒牙にかかり吸血コウモリに改造人間にされてしまう。義憤にかられた滝は仮面ライダーの姿に変装し、神父のアジトに向かう。神父の強さに屈し絶体絶命のピンチを迎えるが、初代ライダー・本郷猛が助けに現れる。本郷と滝は共闘の末神父を倒し、無事に少年も救われた。新たな脅威を感じた滝は、他のライダーたちとコンタクトを取り支援に奔走。一方、悪の組織に改造された青年・村雨良は「仮面ライダーZX」として覚醒を遂げることとなる。本作は本郷の他にも2号・一文字隼人など、歴代ライダーたちが次々と登場し、男性読者の人気を集めた。また、悲しき運命を背負い新たなヒーローとなる村雨の活躍にも注目したい。
うっかり誕生した超ド級のアホなサイボーグ少年が、世のため人のため仲間たちと縦横無尽に駆け回るドタバタギャグ漫画。時は21世紀。せまりくる地球の危機を救うため、目賀場(めがば)博士は超天才のアンドロイド少年を作ろうとしていた。しかし、どこで誤ったのか生まれたのは偉大なるバカ、すなわち「メガバカ」であった。博士は彼をキヨシと名付け英才教育を施すが、下ネタばかり口にし呆れさせてしまう。そんなキヨシに博士は、初めてのミッションを命じる。
博士はキヨシに、環境破壊や大地震など地球上のあらゆる危機を管理する国際機関「UNCO」の美人メンバー・亜留美(あるみ)へお中元を届けるよう命令する。キヨシは道中、犬やカラスに襲われるが彼を助けたのはブタ田ピカルであった。ピカルは脅威の食欲で動物たちを吸い込み、それを見ていた露出狂のアホ・モモノモモローと共に亜留美の元へ。しかし、彼らはお中元の中身を食べてしまい、代わりに入れられた排泄物を見て亜留美は卒倒するのであった。すっかり意気投合した3人は「メガバカBoys」を結成しさまざまなミッションをメガバカパワーでこなしてゆく。天才と紙一重のキヨシが巻き起こすドタバタがとにかく面白い。小学生男子の大好物なド下ネタギャグが満載で、深く考えずに読むのがオススメだ。