幼い頃に母を病で亡くし、父親が借金を残して蒸発したため二人きりになってしまった姉妹が、持ち前の頑張りと周囲の人々の支えにより日々を生き抜く仲良し姉妹系ハートフルヒューマンドラマ漫画。両親のいない山田きょう(15歳)とあす(9歳)はきょうの新聞配達で得たお金で日々の生活のやりくりをしている。一方で妹のあすは姉よりも金銭感覚がしっかりしており、料理を含む家事全般を受け持ち、働く姉を陰でサポートしていた。2006年テレビアニメ化。
二人が住んでいるのは近隣住民から「ここのアパートってまだ人が住んでいるのね」と陰口を叩かれるような、風呂なし1K、築40年のオンボロアパート。しかし、春になると窓からは満開の桜が見られる、二人にとっては麗しの我が家である。姉のきょうは毎日夜が明ける前に起き、新聞配達のアルバイトに出かけるのだが、妹のあすは「私も一緒に行く」と駄々をこねる。あすがそんな態度をとるのには理由があった。母は自分を産んで間もなく亡くなり、その後父親までもが蒸発してしまったことで、姉のきょうまでもが自分を置いていなくなってしまうのではないかと心配だったのだ。毎日不安がるあすにきょうは「お姉ちゃんはここにいるから。どこにも行かないから」と優しく諭す。電気代も満足に払えないほど貧乏な姉妹が、周囲の人々の協力を得て逞しく成長していくハートフルストーリー。
代々ハゲになる家系に生まれた主人公と彼の家族が、一家で作り出した独特かつ奇抜な節約術を駆使して騒動を巻き起こす熱血家族系4コマ節約ギャグ漫画。頭髪は3本の毛だけの小学生・ハゲ田ハゲ丸の家族は父ハゲ蔵、母つる子、弟つる丸、祖父母の全員が超節約術「つるセコ」の達人。ハゲ丸は勉強が全く出来ず、テストは0点ばかりだが、お金や節約に関することとなると人格が一変、とりわけ金銭絡みの問題になると、苦手な算数の問題さえいとも簡単に解いてしまう。1988年テレビアニメ化。
つるセコ節約術はとにかくぶっ飛んでいる。例えば、乾燥機のないハゲ田家では洗濯物の乾かない梅雨時には「無料で使用できる乾燥機」として、スーパーのトイレなどに置かれている「ハンドドライヤー」に洗濯物をぶっこむ。また、使えるものは何でも使えとばかりに、手紙や小物入れ代わりに使い古しのスリッパを壁に貼って使う。レンタルビデオ店では「最後まで見ないときちんと見られるかどうか分からない」との理由で店内で全部見させてもらってしまう。相手が警察官であろうと、立っている人は誰でも使って家事を手伝わせるなど、とにかく利己的で奇抜だが、ハゲ丸がやると何とも憎めないのがこの作品最大の魅力。ちなみに「つるセコ」とはお金に細かい、みみっちいを意味する「セコい」につるピカの「つる」を付けた合成語である。
バブル期の日本を舞台に大学進学を機に上京してそのままフリーターとなった主人公の青年が、創意工夫しながら貧乏生活を楽しむ日々を描いた生活実用マニュアル系青年ギャグコメディ漫画。風呂なし1Kの貧乏アパート・平和荘で暮らすコースケは、大学卒業後も就職せずにアルバイトで日々を食いつなぐフリーターである。そんなコースケだが、「主要ビンボーグッズ」なる必須アイテムで貧乏ながらも実に快適な生活を送っているのだ。
コースケイチオシの主要ビンボーグッズとは「机の代わりに使用する新聞紙」、「灰皿代わりに使う空き缶」、「ガス器具の代用となる電気ポット」、「弁当屋でもらう割りばし」、「多様に使える紙袋」、「いざという時に使う革靴と手入れセット」。これらの「美しいグッズ」によってコースケは(時代背景もあるが)自宅に彼女を呼べるレベルの生活を送っているのだ。彼女が来た時には隣の学生から借りてきたカップで彼女に珈琲を振る舞い、同じく借りてきたフライパンで彼女がパスタを作ったりする。このように、お隣さんとの連係プレーも貧乏生活を快適に送る必須条件なのである。年末の12月は大家紹介のアルバイトで家賃免除となり、冬至には屋台でサービスの無料激辛ラーメンで空腹を満たす。コースケのこれらの生活を読んでいるうちに、羨ましく思ってしまう読者もいるのではないだろうか。
父が借金を残して他界したためボロボロの一軒家に住む女子高校生が、貧乏暮らしにめげることなく家族三人で楽しく生き抜く様を描いた熱血JK系青春学園コメディドラマ漫画。高校2年生の古井亜美は母と小学生の弟との三人暮らし。父が残した借金のせいで生活は厳しく、パソコンやスマホはおろかテレビもない生活を送っている。弟の虎鉄(こてつ)はそんな家庭の事情は分かってはいるが「貧乏暮らしのせいで家に友達も呼べない」と亜美や母親に日々愚痴をこぼしていた。
ある日、虎鉄は下校途中に、対戦ゲームに興じていた同級生にからまれる。虎鉄の家にゲームを買う余裕がないことを知っている彼らは「お前の家ってボロいんだろう?」「古井の家に行っても何もなさそう」と虎鉄をからかう。そこに現れたのは姉の亜美だ。亜美は「君たちはお金がないと楽しいことが出来ないのか」と凄み「古井家ではお金を使わなくても楽しいことが出来る。それを体験してみないか」と彼らを家に招待する。慌てる虎鉄だったが、亜美にはある秘策があった。それは古い自宅をお化け屋敷に仕立てること。破れた傘で作った「傘お化け」に扮した虎鉄に彼らはビビりまくり、亜美のお化け屋敷作戦は大成功する。読者からも「亜美の前向きさにただただ感動」「かわいそうで泣くのではなく、胸がいっぱいで泣いてしまった」など反響の大きかった作者渾身の逸品。
日本屈指の大資本家の元に生まれた主人公が、倒産による両親の失踪で無一文となるも、持ち前のタフな精神力と頭脳明晰さを生かして人生のリカバリーを目指す、人生再起系コメディ漫画。御前崎真道(おまえざきさねみち)は約50社もの会社を抱える資産数兆円の御前崎グループの一人息子として生まれた。高校でも成績はトップでスポーツは万能と、非の打ちどころのない真道だったが、ある時、御前崎グループは突如負債額3兆円を抱え、倒産に追い込まれる。
会社が倒産して間もなく、「御前崎御殿」と呼ばれていた大邸宅は債権者の手に渡る。御前崎家に仕えていた使用人たちはこぞって手の平返しに態度を変え、債権者に奪われる前にと金目のものを片っ端から持ち逃げしてしまう。使用人からも見捨てられた真道だったが、さらなる試練が。あろうことか、両親と両親に仕えていた佳賀(かが)家の当主が真道一人を残して海外逃亡してしまったのだ。人生最大のピンチに陥ってしまった真道。しかし、彼はこの修羅場を楽しむかのように振る舞う。全ての使用人が去った後、真道の元に残ってくれたのは佳賀朝涼(あさすず)・夏野(なつの)姉弟と御前崎家に仕えていた執事の古川だけだった。高校を中退した真道と夏野は生活のためにブラック企業の便利屋「誠質屋」に就職。起死回生への第一歩を踏み出す。