幼馴染で先輩後輩の主人公たちが、ある「秘密」を通じて交流を深めていく胸キュン系ラブコメディギャグ漫画。家が隣同士で幼い頃はいつも一緒に遊んでいた進藤龍と黒ノ瀬魔可(くろのせまか)。しかし、二人は異性ということもあって思春期に入ると疎遠になる。中学2年生の龍にとって、2歳上で高校生の魔可は正に高嶺の花。ところが、校内でも容姿端麗で頭脳明晰で有名な魔可には、龍以外の誰にも見せたことのない、二人だけで共有している秘密の「顔」が在った。
凜とした雰囲気で誰からも一目置かれる存在の魔可だが、龍にはそんな彼女を振り向かせる魔法の呪文があった。それは「魔可先輩大変です! 先輩の力が必要なんです」という頼みごとの言葉。実は幼い頃、ゲームを買ってもらえず少年たちから仲間外れにされていた龍を、「ゲームから出てきた魔法使い」の姿で慰めてくれたのが魔可だったのだ。勿論、魔可が本当の魔法使いではないことは龍も承知している。それなのに「木に引っ掛かった風船を箒に乗って取ってきてほしい」とヒーローを見るような目でお願いをする龍。どうしてそんな頼みごとをするのかといえば、それは、魔法使いを演じる時の魔可が可愛いから! 元々内気な彼が昔のように魔可と触れ合うことが出来るのは、彼女が「魔法使い」になった時だけなのである。普段クールなヒロインの必死で可愛い二面性が何とも魅力的な作品だ。
帰宅部志望だった男子高校生が、ふとしたことから廃部寸前の奇術部に入部し、そのまま手品の助手(アシスタント)になってしまうセクシーショートギャグ漫画。ある男子(後の「助手」)が入学した種無(たねなし)高校は、部活動への入部が強制だったため、しぶしぶ部活探しをすることになる。早く帰れて先輩が怖くない適当な文化系の部活を探していた彼が、ふと「たのしい奇術部」の看板に目を留めて中を覗いてみると、そこには極度のアガリ症でドジを連発する3年生の先輩の姿があった。2019年にテレビアニメ化。
勧誘のために生徒の前で自慢の手品を懸命に披露する先輩だったが、元来のアガリ症とコミュ障が重なり、手品のタネである相棒の鳩を逃がすわ、千円札切断マジックでは観客である彼から借りたお札を本当に切ってしまい、「実は私の財布に移動していたのです」と言って自腹で払うわといった失態ばかり。その上、自らの身体を縛った縄抜けでは、すぐに解けるはずだった縄がますます身体に食い込んで、SMばりのセクシーな格好に!! 翌日の放課後、男子生徒がいそいそと帰っていると、ひとだかりの中にあのドジな手品先輩の姿があった。「助手~!」と声を掛けられた男子生徒は、先輩の無茶振りで新入生勧誘の手助けをすることになる。人前でなければ多芸で憎めない爆乳ギャルの手品先輩と、どこにでもいるフツーの男子高生の日常を描いた作品。
日頃より「先輩がうざい!」と感じている後輩女性社員と、鈍感だが頼りがいのある先輩男性社員とのほのぼのとした関わりを描いた、ラブコメディ漫画。主人公である入社3年目の五十嵐双葉は、小柄で猫のように可愛らしい外見とは裏腹に、気が強い性格の持ち主である。双葉は、目の前に立たれると前が見えないほど図体が大きく態度も笑い声もでかい、いつも何かにつけて自分に絡んでくる先輩・武田晴海(はるみ)の存在がとにかくうざくてしょうがない。
武田のことをうざいと思っている双葉だが、飲み会で双葉が若い男性に絡まれると中に割って入って助けてくれたり、仕事のミスを上司のもとへ一緒に謝りに行ってくれたりと、武田が助けてくれることも多々あり、周囲からも「優しく頼れる先輩」として通っている。双葉が季節の変わり目に風邪をひいて寝込んでしまった時も、武田は食べ物や栄養剤を差し入れしにやってくる。一人暮らしで心細かった双葉は泣きながら武田に抱き付いてしまう。武田のおせっかいを「うざい」と煙たがりながらも、実は心の支えにしている双葉。素直になれない双葉の性格と、乙女心に鈍感で無邪気な性格の武田。「結婚して子供が出来たらお前みたいな奴がいいな」「奥さんじゃだめなんですか?」などと、二人の何気ない会話に本音がポロリとこぼれ出す、心温まるコメディ作品。
一人でいることを好む男子学生と高校時代の後輩で同じ大学に入学した女子学生との「ウザい!カワイイ!でもウザい!」ドタバタ青春ラブコメディ漫画。大学生の桜井真一は、皆でツルむよりも一人で静かに過ごしたいタイプの男子学生。そんな桜井を「先輩~!」と慕っている後輩の宇崎花(うざきはな)は桜井の性格を知ってか知らずか、どこに行くにも付いてくる。花をウザいと感じる桜井だったが、いつの間にか花のペースに乗せられ、気が付くといつも二人は一緒にいる。
桜井とは高校時代に部活の先輩後輩だった花は、その頃から桜井のことを「根暗のぼっち性格」と考えており、彼女自身に悪気は全くなく「構ってあげているだけ」と認識している。桜井が他の女子学生と話をしていると急に機嫌が悪くなるなど、彼には相当好意を抱いている。そんな花をウザったいと思いながらも、「こんなに楽しそうな顔をするなら、少し騒がしいけれど我慢してやるか」とウザカワ後輩として受け入れる桜井。物語はこの二人の日常を主軸に、周囲の人間関係を巻き込みながらドタバタコメディ調に展開していく。最初はTwitter上に掲載されて話題となり、Web上で公開されて単行本化された経緯を持つ、SNSが生んだ人気漫画作品。
主人公とヒロインの部員2人だけの将棋部を舞台に、彼らの高校生活を描いた学園ラブコメディ漫画。高校1年生の男子・田中歩(あゆむ)は初心者ながら将棋部に所属している。歩はもう一人の部員である先輩の八乙女(やおとめ)うるしに恋心を抱いているが、うるしに告白するのは勝負に勝った時だと固く心に決めているので、いつも無表情で自分の感情を頑なに表に出そうとしない。うるしもそんな歩の気持ちには気付いているが、歩は未だ一度もうるしに勝ったことがない。
「先輩は凄いですね…将棋が強い上にこんなにかわいいなんて」といつものポーカーフェイスで話をする歩。何とかして歩に自分への想いを告白させようとするうるしだが、「集中したいので静かにしてもらえますか」と、すんでのところで歩に上手くかわされてしまう。しかし、心中では「先輩に恥をかかせてしまった」と悔やむ歩は「今日こそきっちり勝たせてもらいます」と宣言して挑む。だが結局力及ばず、歩は返り討ちにあってしまうのだった。気持ちの攻めではうるしを上回っている歩だが、勝負には勝てず二人の関係は一向に進まない。この作品は元は作者のTwitter上で不定期に掲載されていたものだが、2019年に「週刊少年マガジン」での連載となった。その際に『将棋のやつ』から今のタイトルに変更されている。