魔族の凶刃に倒れた騎士が超弩級のモンスターに転生し、猫と勘違いしたエルフの女性冒険者と共に旅をしていくダンジョンファンタジー。目が覚めると、自身の身体が変化しており、主人公は自身が人間から転生したことを悟った。転生後の姿は、天災級とも言われるモンスターの頂点の一角に立つベヒーモス。しかし、水鏡に映った姿は仔猫そのものだった。別のモンスターに遭遇し傷を負った主人公は、エルフの冒険者アリアに仔猫として保護され、タマと名前を付けられるのだった。原作は銀翼のぞみの同名web小説。
ベヒーモスは、現世では旧約聖書に登場する怪物だ。カバやサイに似た姿を持っている。作品の世界ではモンスターは危険度によってランキングされており、ベヒーモスは頂点となるSランク、天災レベルの被害をもたらす恐るべきモンスターなのだ。巨大な体躯に鋭い爪や牙を持ち、いかにも危険そうな姿をしている。主人公は人間からベヒーモスに転生した。生まれたところから始まるのならば幼体というのは納得できる。しかしどう見ても、額に「M」のような模様がある、茶白の仔猫のようなのだ。顔とお腹、尻尾の一部が白く、体毛はきつね色。ぷにぷにな肉球を持っている。どこからどう見ても仔猫なので疑問符を浮かべてしまうのだが、自身よりランクの低いモンスターならば「にゃん!!」の一言で灰にできるほどなのだから、実力はSランクの名に恥じていない。可愛いけれど、不用意に手を出すと引っ掻き傷程度では済まされないだろう。
魔法で変身するアニメのヒロインに憧れる主人公が、もうひとつの世界からやってきた敵と戦うため、正義のヒーローとして戦う変身アクションコメディ。心愛(ここあ)は、小さなころから強くてかわいい、アニメの変身魔女っ娘に憧れを抱く中学2年生。ある日、学校で突然時間が止まってしまう。混乱する心愛の前に現れたのは、聖幻獣チーポと名乗るうさぎのような生き物だった。この世界が魔幻獣という恐ろしい奴らに狙われていると言うチーポは、心愛に変身魔法使い(トランスウィザード)になれるステッキを託し、呪文を唱えるように促すのだった。
変身美少女ものに必要なのは、サポートをする動物系のキャラクターである。チーポは聖幻界という異なる世界から、この世界の危機を察知してやってきた聖幻獣だ。口元から小さな牙がのぞく、うさぎのような愛らしい姿をしている。語尾は「っチ」とマスコットキャラらしさが全開だ。ただし、可愛らしい動作と語尾は最初だけである。実はチーポ、実年齢は35歳、派遣社員のような立場なうえに時給制で働いているという背景の持ち主だったのだ。給料が出ていることに安心すればいいのか、実年齢に驚けばいいのか判断に迷うが、現代人がここまで感情移入できるサポートマスコットキャラは稀だろう。35歳という年齢を知ると、可愛いうさぎのイメージからおっさんのようなうさぎに認識が変わるのだから、情報とは不思議である。変身した姿に不満をつのらせる中学生の心愛を転がすなどお手の物、手段は択ばない。実はかなり優秀なのだが、ボケ担当なのでその優秀さを微塵も感じさせない。もう少し心愛に楽をさせてあげてほしいものだ。
魔法の国のプリンセスである主人公が、修業のために地上の高校に通い騒動を巻き起こしていくファンタジック腹黒コメディ。田中ぷにえは天空にある聖魔法王国のプリンセス。女王になるための試練として、1年間地上で人間たちと暮らすことになる。地上の高校に通い始めたぷにえは、その愛らしい容姿から男子たちを悩殺していた。それを見ていたスケ番の姉御が、ぷにえにきつい言葉を浴びせ凄むのだった。『超』が増えていく続編を連載。2006年4月にOVA化。
聖魔法王国のプリンセスであるぷにえが、お供も連れずに地上にやってくるわけがない。ぷにえのお供であるパヤたんは、臣下であるが垂れ耳の犬のような姿をしており、額に角がある。お腹にある「パ」の字が特徴だ。普段はただの愛らしいマスコットキャラなのだが、本性を現すと印象が一変する。実は歴戦の軍人なのだ。普段は可愛い声をしているが、軍人モードに入ると渋いおじ様声に変わるらしい。外見の大きな変化はないが、眼光は鋭くなる。ぷにえの両親が付けた護衛なのかと思えば、そうではない。勝負に負けた結果、ぷにえの臣下になったのである。ぷにえは姫としては風変わりで「力は正義」を信条とし、関節技を得意としている。パヤたんは関節技を無効にできるのだが、不意を突かれ敗北した。魔法の国のプリンセスとかマスコットとか、可愛い要素が軒並み吹っ飛ぶ過去である。ぷにえの命を狙っているが、姫の日常には緊張感も必要ということか。渋いマスコットキャラ、大有りである。
願いを叶える代償として魔法少女となった少女たちの、過酷な運命と戦いを描く現代ダークファンタジー。中学2年生の鹿目(かなめ)まどかは、滅びそうな世界に立っていた。黒髪の少女が一人で戦っており、まどかはその姿に心を痛める。そこへ、白い謎の生物が現れ、自身との契約を持ち掛けてくるのだった。夢から覚めたまどかは学校で、夢の中で出会った少女にそっくりな転校生、暁美(あけみ)ほむらと出会う。原作は2011年1月から4月にかけて放送されたテレビアニメ。続編の劇場版公開や、同じ世界観を持つ外伝などメディアミクス作品多数。
大ブームとなったアニメのコミカライズ作品。物語は原作に忠実に作られているが、設定や魔法少女たちが持つ武器など、一部でアニメとは違った部分がある。キュゥべえは、『まどマギ』におけるマスコットキャラであり、魔法少女を導くナビゲートキャラだ。そして、マスコットには裏があるという認識を多くの視聴者に植え付けた元凶ともいえるだろう。体毛は白く、うさぎのような、猫のような可愛らしい姿をしている。しかし、見た目に騙されてはいけない。かの有名な契約文句にうっかり頷いてしまえば、多くの魔法少女と同じように過酷な状況に飲み込まれてしまうのだから。漫画でもアニメと立ち位置は変わらない。まどかに契約を持ち掛ける姿など、人畜無害を絵に描いたようなマスコットっぷりである。漫画では口を開けて話すことが多く、表情豊かと感じるだろう。あれ、やっぱり可愛いだけのキャラなのかと思ったら、手痛いしっぺ返しを食らう。営業トークには用心したい。
俺様系高校生の主人公が、2週間で来場者数10万人を達成できなければ閉園という崖っぷち遊園地を立て直していく、テーマパークドタバタコメディ。ナルシストの主人公、可児江西也(かにえせいや)は、美少女と噂の転校生千斗(せんと)いすずから突然マスケット銃を突き付けられ、デートに誘われる。遊園地、甘城ブリリアントパークは、人の姿もまばらな寂れた遊園地だった。西也は支配人代理として遊園地の立て直しを図ることになる。原作は賀東招二の同名ライトノベル。2014年10月から12月のテレビアニメ放送の他、メディアミクス多数。
テーマパークにつきものなのは何か。マスコットキャラの着ぐるみである。甘城ブリリアントパーク、通称甘ブリは魔法の国、メープルランドが出資した遊園地だ。それぞれのエリアにテーマがあり、象徴するようなアトラクションが置かれている。各エリアにはマスコットがいるのだが、彼らに中の人などいない。全員がメープルランド出身の、そういった種族の生き物なのである。外見は熊や犬、羊や恐竜など可愛らしいのだが、中身はかなり個性的で外見を裏切ってくる。熊のようなモッフルは退役軍人だし、音楽の妖精を演じるマカロンは羊なのに愛煙家で博打好き。音楽の趣味も外見からは想像のつかないものだ。ティラミーは女の子のような外見なのにストライクゾーンが異常に広い女好きと、もはや従業員として置いておくのに危険を感じるレベルである。彼らの接客態度が原因で危機を迎えた甘ブリだが、個性は強みでもある。本来の姿を見せても、固定ファンが付きそうだ。