本作は全2巻の単行本からなるマンガで、作者は「あき」。「一迅社」の「コミックZERO-SUM」にて連載された。2009年には「石田彰」、「小野大輔」らの豪華キャストによるドラマCDが発売された。
太陽神「アポロン」を軸として、神々と、そして人間の哲学的な思想を辿る。果たして「答え」はあるのだろうか。
出典:Amazon.co.jp
本作は全2巻の単行本からなるマンガで、作者は「あき」。「一迅社」の「コミックZERO-SUM」にて連載された。2009年には「石田彰」、「小野大輔」らの豪華キャストによるドラマCDが発売された。
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巨大な国「トロイア」。そこには近隣の国々へも知れ渡る程の美貌を持つ若き王子「ガニュメデス」がいた。「光輝く王子」と呼ばれる彼は、自らの成人の祭りの晴れの日に、兄から護身用にと小刀をもらう。それは兄が戦の褒美として父から受け取ったものだった。しかしそれを受け取った「ガニュメデス」は間もなくして太陽神「アポロン」によって攫われてしまう。攫われる間際に見たのは、「アポロン」に殺される兄の姿。かくして「ガニュメデス」は「アポロン」の手によって、「ゼウスの箱庭」に囚われてしまう。二度と出られない箱庭、与えられた永遠。果たしてそこで人は何を見るのか__。
赤い髪に虹色の瞳を持つ太陽神。本作の主人公。「ガニュメデス」を攫った張本人。姉の「アルテミス」だけが、自分の世界で唯一価値のあるものだと思っていたが、「ハーデス」との問答の末、自分の中の「アルテミス」という存在の在り方を見失う。
自らの成人の祭りのその日に、「アポロン」の手により目の前で兄を殺され、自らも攫われてしまった大国の若く美しい王子。当初は神を信じ敬う気持ちを持っていたが、攫われて以降、「アポロン」に対しては嫌悪や憤りを隠せずにいた。「アポロン」が馬鹿にする意味合いで「ポセイドン」に似ていると口にした際には嬉しそうにしていたこともあった。箱庭に長くとらえられているうちに諦める癖がついたが、考えることまでは放棄しなかった。
冥界の神。「ゼウス」と「ポセイドン」の兄。退屈凌ぎにと、「ガニュメデス」のいる「ゼウスの箱庭」に度々足を運ぶ。「アポロン」と言葉を交わすことも度々あるのだが、あまり会話がかみ合っていない時があり、「アポロン」を刺激することもしばしば。何か意図があってのことなのかは不明。冥王の姿は見る者の心を映すと言われ、その姿は時として抗い難いほどの美しい面差しに見えるのだとか。
「ポセイドン」の思い付きによる行動(発言)によって、「アポロン」への供物として選ばれた娘。素直で心優しい、純粋な娘。神を敬愛し、喜んで命を捧げると言う。最初は気に入らないと言っていた「アポロン」の心をも開き、「アポロン」に気に入られたことにより、供物としての役目を全うすることになる。彼女には、「ハーデス」が四足の恐ろしい獣のように見えていた。
海を治める神。末弟が天を治めることが気に入らないらしく、「ハーデス」や「アポロン」を巻き込んで何か企む素振りを見せるが、本人は神の中ではとても単純な思考の持ち主で、故にかどちらにもあまり相手にされていない。暇だと叫んで波を荒げてみたり、「アポロン」の神殿が自分の神殿より大きく強そうに見えていい、と言ったり、あまり神らしい感じがない。
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本作の見所は、神と人との哲学的な問答にあると言えるだろう。神という存在はいつからここにあるのか、アポロンは時折考えていた。神とは何なのか、アポロンらしさとは何なのか、死とは、真実とは――。尽きぬ疑問の堂々巡りに、神とは異なる存在である人間が加わることで、また新たな疑問が芽生える。ガニュメデス、アポロン双方には、箱庭でかかわっていくことで、異なる存在である、互いの考え方というフィルターを通した今までにない世界が見えたことだろう。その先に彼らは何を見るのか。自分の考えを交えて読むのも面白いのではないだろうか。
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