『テルマエ・ロマエ』のヤマザキマリが描く、新たな爆笑タイムスリップコメディ。主人公の青年・デメトリオスは、古代ギリシャの壺絵師見習い。イルカのアポロニアと遊ぶのが大好きで、争いごとが苦手な草食系オタク男子だ。デメトリオスは、村の争いごとに巻き込まれ深く悩んでいる時に雷に打たれ、1964年のオリンピックで賑わう東京へタイムスリップしてしまう。
物語の始まりは、オリンピック発祥の地である古代ギリシャ。主人公の青年・デメトリオスの村では、争いごとを収めるため、村でオリンピック大会を開くことを考えていた。そして、雷に打たれ1964年の東京にタイムスリップしたデメトリオスが最初に見たのは、運動会のスプーンリレー。村に戻ったデメトリオスはさっそく、神聖なる孔雀のタマゴを使った「たまご運び走」を提案し大成功。さらに、聖火リレーや、マラソンの街道警備、給水所といったアイデアを、どこかズレた感覚で古代ギリシャに次々と持ち帰るのである。1964年の東京で得た知識が、古代ギリシャで新たなオリンピックの種となる爆笑作品だ。
女子柔道を題材にした青春スポーツ漫画。主人公の美少女・猪熊柔は、祖父・猪熊滋悟郎の英才教育を受けた天才的な柔道選手。圧倒的な強さを持つも、実は普通の女の子になりたいと思っている柔が、オリンピック出場を果たし大活躍する。1989年にTVアニメ・実写映画化。
女子柔道選手である主人公の猪熊柔が、バルセロナオリンピックで二階級制覇に挑むまでが描かれている。しかし、現実の女子柔道は、1992年のバルセロナオリンピックでようやく正式種目になったばかり。連載開始時の1986年では、女子柔道はかなりのマイナースポーツであった。それゆえに本作品のヒットが、女子柔道という種目に注目を集める切っ掛けにもなっている。また、1992年の実際のバルセロナオリンピックで銀メダルを獲得した谷亮子(旧姓・田村亮子)が、本作の主人公とイメージがだぶり、YAWARAちゃんと呼ばれていた。
若きボート選手が幾多の苦労と挫折を乗り越え、オリンピックを目指す青春ラブストーリー。主人公の大沢誠は高校時代のライバルでもあった倉田健二と組んで、大学1年にしてインカレ優勝した大学ボート競技界期待の星だった。しかし、倉田はとある事故で命を失い、大沢はボート競技から離れてしまっていた。2006年テレビドラマ化。
主人公の大沢誠が、2人乗りのボートで競うダブルスカルでオリンピックを目指す作品。ダブルスカルとは2人が息を合わせて行う競技のことで、1人の力では勝つことができない点が物語の根幹に関わっている。大沢と相棒の倉田健二は「伝説のダブルスカル」と呼ばれるほどのペアであったが、倉田の死により、大沢はボート競技から離れてしまう。しかし、倉田の夢であった「2人でオリンピック出場」という思いを忘れ去ることができない大沢は、ボート競技に復帰。様々な苦難を乗り越え、新たなパートナーを得てオリンピックを目指し奮闘する。本作は、ボート競技の奥深さを知ることができる作品だ。
体操選手達の熱い青春を描く王道スポーツ漫画。主人公の藤巻俊は、運動部への入部が義務づけられている平成学園に入学。「オリンピックで金メダルを取りたい」との思いで入部を決めたのは、成績不振で廃部寸前の体操部だった。初めはルールすら知らなかった俊だが、やがてその才能を開花させていく。1996年テレビアニメ化。
ロサンゼルスオリンピックの鉄棒で金メダルを取った森末慎二が原作を手がける、オリンピックを目指す本格的な体操漫画だ。作中に登場する技も全て森末自身が監修し、フィクションではあるものの、実現不可能ではない範囲で技が描かれている。そのため、作中に登場した架空の技は、現在では実現されているものもいくつかある。本作は多くの体操アスリートに影響を与え、世界選手権の個人総合で前人未踏の連覇を成し遂げた内村航平の愛読書としても知られている。
マラソンをテーマにした、ハートフルな熱血スポーツ漫画。主人公の伊藤蘭は、昼は鳶職、夜はキャバクラ嬢として働く子持ちのなにわ娘。ある日、蘭は彼氏が女性を車に乗せている姿を目撃し、逆上してその車をダッシュで追いかける。尋常ではない蘭の走りを目撃した元実業団マラソン部監督の大鳥嵐は、蘭の脚力に一目惚れ。大島は彼女の借金を肩代わりする条件として、共にオリンピックを目指すことを提案する。
マラソン未経験者の主人公が、女子マラソンでオリンピックを目指す作品だ。子持ちで元不良の主人公・伊藤蘭は、陸上経験など全く無い。そんな蘭が、彼女の脚力に惚れ込んだ元実業団マラソン部監督の大鳥嵐の指導のもと、メキメキと実力を上げていく。本作の蘭と大鳥監督の関係は、まるで2000年のシドニーオリンピックで金メダルを獲得した高橋尚子と小出義雄監督のごとく。蘭と大鳥監督は、二人三脚で数々のマラソン大会を勝ち上がり、ついにはオリンピックを目指していく。なお、作中では、選手の人気の高さの表現として、有名選手には親衛隊が付いて激しい応援を行う。実際のマラソン競技なのに、まるで選手がアイドルであるかのようなファンたちの応援合戦は面白い。