まさに己自身との闘いで記録を残す「陸上競技」をテーマにして描かれた名作10作品をチョイスして、一気に紹介する!!
若さあふれる青春ドラマの中でも「陸上部」をテーマにした作品に注目し、その代表的10作品を取り上げてみる。
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まさに己自身との闘いで記録を残す「陸上競技」をテーマにして描かれた名作10作品をチョイスして、一気に紹介する!!
広島から上京して来た主人公「秋月大和」は本人が通う高校の運動場で走り高跳びをするヒロイン「朝比奈涼風」の競技姿の美しさに目を奪われ、同じ陸上部へと入部するに至る。そして二人は多くの葛藤やすれ違いや恋愛事情を繰り広げながらも遂には結ばれるまでに至る、青春ど真ん中の恋愛要素満載のスポーツドラマであり、学園ドラマになっている。特に主人公の優柔不断さや意外なほどにモテるのが読者にとっては賛否があるかもしれないが、この主人公の行動がこの作品の面白さでもある。また主人公も住むレディースマンション「ハイツ旭湯」の住人たちとの関係性も面白く、主人公を羨ましく思う読者も多いと思う。絵も綺麗で特に女性の描写には文句の付け所がない。ストーリーも重苦しさがなく、適度な意外性もあり、先の展開を楽しみに読み進める事が出来る。最後の展開でも賛否はあるが、現実的であり、飾らず、気取らず、等身大の主人公を描いていて納得できる。
マラソンよりも長い距離を走る駅伝をテーマにした作品で、全国の補欠選手を寄せ集めて作った混成チーム「かもめ」が駅伝大会に出場し、優勝を目指す物語で、選手の5人それぞれが背負った過去や背景が描かれていて、一人一人の走りに重みが増し、有無を言わさずチーム「かもめ」を応援してしまっている自分が居る事に気付かされる。言うまでもなく駅伝は自分ひとりだけで戦うものではなく、各区を走る選手のたすきをつなげるチームプレイであり、同じ走狗を走るライバルとの一騎打ちでもある。その躍動感、焦燥感、悲壮感がヒシヒシと伝わる絵柄も巧みで選手と一緒に走っているかの様に入り込み、次々にページを読み勧めてしまう。そして感動のラストまで一気に突き進む。単行本全3巻を揃えてから読んでもらいたい作品。そして続編『ROAD〜ふたつの太陽〜』は4巻、5巻として扱われ、実質的には全5巻となっている。駅伝の面白さを知るには最適の作品といえる。
高校の女子テニス部で球拾いばかりしている主人公「酒井由紀」が友人の誘いで代理として陸上部で走った時に、陸上部のコーチである「名古屋秀樹」の目に止まり、その才能を見抜き、陸上部へ招き入れる。新天地でその才能を開花させつつ、コーチにも惹かれて行く恋愛物語、三角関係も描かれていて王道の少女マンガ作品であるが、陸上選手、スポーツマンらしく、素直で真っ直ぐで裏表なく人間関係が描かれているのが好印象であり、心が洗われる気持ちになる。特に主人公のあどけなさや幼さ、純粋無垢な姿が眩しい程に映り、心に刺さり、いつしか目頭が熱くなっている事に気づく。絵柄はヒット作品『NANA』を描いた「矢沢あい」の作品と言えば、理解してもらえるかと思うが、少女マンガとしての描き方としては本流であり、純文学に多くの挿絵が入っていると思えばお得感すら感じる。単行本1巻だけにまとめられた短編作とも言えるが、その内容は深く熱い。無駄に長い作品を読むのであれば、この作品を読んですぐさま心の浄化をしてもらいたい。
兄「神谷健一」は天才サッカー選手で主人公で弟の「神谷新二」もサッカーの道を目指すが、兄には遠く及ばず、友人の誘いから共に高校では陸上部に入部し、新たな道でその才能を開花して行く青春ドラマで、元々は小説原作であり、後にマンガ化、実写ドラマ化している。当初は挫折の連続で完全に自信喪失している主人公が周囲の協力もあって見事に短距離走で部の代表に選ばれるまでに成長する姿は素直に嬉しく、拍手と称賛の念を送りたい。そんな主人公の成長を軸にして描かれている作品なので、勝負の勝ち負けなどは二の次で陸上競技そのものの面白さや清く正しい人間達の交流を楽しく描き、心地良く、爽快感のある作品に仕上がっている。登場人物も比較的少なく、まとまりがあり、主人公の兄のその後の物語もあるが、それ以外は主人公を完全に中心に置いて物語が進んで行くのが分かりやすくて良い。陸上部員なら納得し、それ以外の人も短距離走の疑似体験が出来る素晴らしい作品と言える。
タイトル通り陸上の十種競技に挑む主人公「風見万吉」の驚きの人生を描いた作品で、主人公は天性の身体能力を持ちながらも大会では結果を残せないでいたが、ある日本選手権に出場した時には日本記録を次々と塗り替える新記録を連発して優勝してしまう。そこから人生は一変し、舞台は日本から世界へと向かう。このスケール感の大きさと唐突さが面白く、読者を釘付けにしてしまう。絵柄は躍動感と言うよりも力強さや重々しさが伝わる感じで十種競技の中では、やり投げや円盤投げなどの競技にマッチする絵柄と言える。とにかく主人公の度肝を抜く陸上シーンには圧倒され、言葉を失う。正直、主人公の思考や主張は見えて来ないが、勢いとパワーで押し切っていて、それで充分であると変に納得させられる。結果が全て…とまでは言わないが、結果を残している主人公には素直に応援できる自分がいる。何かと疲れている人はこの作品を読んで、主人公に圧倒されて、その疲れを吹き飛ばしてもらいたい。
主人公「武将髭アキラ」は高校1年生。2m近い長身でその大きさと不敵で不気味な笑い声と顔が悪い方向に影響して友達がいない。そんな不器用でナイーブな青年が心優しき女子高生「小笠原由美子」の誘いから陸上部に入部し、短距離走で活躍する選手にまで成長する物語で、特に色々な不幸な出来事や性格や体質が災いしつつも揺るぎない結果を出す事で事態が一変するその爽快感がたまらない。また、主人公の数々の奇行には度肝を抜かれる。しかし、これも主人公なりの自己主張であり、存在意義でもある。大目に見てあげるのが大人の読者と言えるであろう。もちろん、自分の目の前でこの主人公が現れたのなら、戸惑うのは確実であるが…。また、陸上競技についての専門知識・専門用語も豊富に盛り込まれていて、近代の陸上競技は正しい科学力抜きでは記録が伸ばせない事を的確に教えてくれている。絵柄も綺麗で丁寧さも感じられ、安心して一気に全7巻を読める良作品と言える。
主人公「伊藤蘭」は、昼は鳶職、夜はキャバ嬢として働くヤンママであるが、お店の客として現れた実業団のマラソンコーチに見出され、北京オリンピックでマラソン選手として出場し、金メダルを目指す物語で、冒頭の意外な主人公のキャラ設定が面白くもあり、切なくもある。主人公の仕事に対するプライドやその背景、子育てや養育費の確保、夢を現実にするには数々の障害があり、まずマラソン選手になるまでの道のりが長く、読者を良い意味でヤキモキさせる。絵柄や単行本の表紙などを見ると、とても熱血陸上マンガとは思えないのがこれまた斬新で面白い。突っ込み所も満載であるが、それがそのまま楽しめるのも色々な意味で心地良い。青春ど真ん中の陸上選手の物語は数多あるが、社会人の、それも水商売からの転身と言うのは画期的で一味違う作品となっている。働くママ達や女性を部下に持つコーチやマネージャー職の人にはぜひ読んでもらいたいマンガと言える。
主人公は「小泉るう子」は陸上競技の中距離走でその才能を発揮するが、永遠のライバルとなる「有栖川しのぶ」とは常に比べられ、恋する人もライバルに取られ、スランプに陥る。その挫折と試練を乗り越えて徐々に長距離走への転身を図り、最後はマラソン競技で大きな結果を残す物語で、王道の少女マンガとなっている。特に主人公の心の動きが多彩で繊細で儚くて胸に突き刺さる。恋愛事情も複雑で想う人は想ってくれず、意外な人が想い人となる…典型的な三角関係であったり、すれ違いや勘違いであるが、そのストレートな展開や表現は素直に心打たれる。もう30年以上前の作品になるが、それが逆に今となっては新鮮にすら感じる。単行本全3巻の長さ、まとめ方も丁度良い感じで更に作品のイメージを上げている。今や入手困難な作品となっているが、入手可能なら、ぜひ1980年台の昭和を彩る優しい雰囲気の世界観を味わってもらいたい。
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主人公「猫谷太一」は16歳の高校生で絶望的に足が遅いが箱根駅伝に出場する事を夢見ている。憧れの陸上部の先輩「葉山」の応援もあり、主人公の走りは改善して行くが、多くの困難が待ち続け、それを熱意と努力と根性で乗り越えて行く物語。王道のスポ根作品と言えるが、無駄に暑苦しくないのが良い。才能は努力で完全には埋められない厳しい現実もあるが、主人公は箱根駅伝だからこそ成り立つ「上り走行の達人」として一点集中突破を図る。弱者の唯一の武器を活かした結果が実を結ぶ事になり、主人公には素直に拍手喝采を送りたい。絵柄は単行本全2巻ながら飛躍的に向上し、作者自身の成長も見て取れる。マラソンは長距離走ゆえにスピード感は必要ないと考えているのであれば、それは間違いであり、もはやスプリンター競技とすら言える。よってスピード感は必須であり、それがちゃんと活かされているのは見事と言える。駅伝好きなら親近感も間違いなく湧き、地に足がついた感じのある作品になっている。
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主人公「ハイジ」こと「清瀬灰二」は大学4回生で陸上部主将。陸上部の寮である「竹青荘」に住み、寮内のあらゆる職務をこなしつつ、同じ陸上部の仲間を募って「箱根駅伝」への出場を目指す物語。この寮に住む者達は変わり者達ばかりで、誰も言う事を聞かない。そんな中、主人公は独自の人心掌握術を駆使して、寮、そして部をまとめ、駅伝出場を勝ち取る。この主人公の行動力が魅力的でそして面白い。そして寮の仲間の個性も強烈で意外とリアリティもあり、共感が持て、応援したくなるキャラも一人や二人は確実に存在する。やはり熱血漢や努力で勝利を勝ち取るストーリー展開は面白いが、あえてそれを避けるかの様にして日常系作品として感動を与える事は難しいはずが、この作品では見事にその難しさを解決している素晴らしい作品と言える。絵柄も王道の主線が太いキャラクター絵が読みやすく、安心感がある。元々は小説原作で、マンガ化、ドラマ化、アニメ化もされている人気作品となっている。
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