自分の中に中二病を感じるなら抑えておきたいアニメ（映画）10選78 Pt.

出典：Amazon.co.jp

原作は中二病そのものを題材にしたライトノベル。第1回京都アニメーション大賞小説部門を受賞しアニメ化に至った。中二病のヒロイン「小鳥遊 六花（たかなし　りっか）」と、中二病を卒業、封印することを目指す主人公「富樫 勇太（とがし　ゆうた）」との中二病ならではボーイミーツガールを描いた学園ラブコメディ。

アニメ化にあたって発表された制作陣のコメントで、脚本家でシリーズ構成を担当した「花田十輝」氏は、『中二病は恥ずかしく、中二病は滑稽で、だからこそ、中二病は愛おしい。』、また監督の「石原立也」氏は、『僕が中高生の頃は“中二病”なんて言葉はありませんでした。ですが、同じような行動は今と変わりません。』とコメントしている。

本作は、中二病は誰しもが持つ人間性の一つである、と同時に『大人になるとは』という命題のもと物語が進んでいく。ヒロイン「六花」が中二病を表面化させた理由などはまさしく命題に対しての一つの答えとも言えるもので、声優「大塚芳忠」さんによるプロローグとエピローグのナレーションにより綺麗にまとめている。

視聴者自身の青春時代の体験、心の中で考えていたことなど、視聴後はぜひ自身の過去の経験を振り返ってみて欲しい。

余談だが、声優からグラビアまで今をときめくアイドル声優「内田真礼（うちだ　まあや）」の名を広く轟かせるきっかけになった作品でもある。ヒロイン「六花」役として、1期の収録から既に6年が経過しているが、そのフレッシュな演技と声音は彼女自身のファンでなくとも必聴の価値あり。

出典：Amazon.co.jp

2013年に公開された劇場アニメ。中二病を題材にしたボーイミーツガールを描いた作品だが、同じく中二病を題材にした「中二病でも恋がしたい！」のTVシリーズ放映開始から半年後のスクリーン上映とだけあって何かと話題を集めた。

原作は「田中ロミオ」氏によるライトノベルでこちらは2008年に刊行されている。第1回京都アニメーション大賞受賞作である「中二病でも恋がしたい！」は2009年10月応募なので原作を辿るならこちらの方が先に刊行されている。「田中ロミオ」という作者はアニメではあまり馴染みがないが、同じく「田中ロミオ」原作のアニメ「人類は衰退しました」は知っている人も多いだろう。本作はその「人類は衰退しました」と同じスタッフが手掛けている。

劇場版なだけあって冒頭からシナプスが大いに弾ける。が、根幹にあるのは「中二病でも恋がしたい！」同様に、中二病の奥にある心の葛藤を描いた非常にドラマ性に優れる作品で、視聴後に心に響くメッセージ性を持っているのは両作品の大きな特徴である。

劇場版なだけあって時間は気軽に観れる時間に収まっているが、お色気要素がほぼ存在しない「中二病」と違い、ヒロイン「佐藤　良子」の桜色の頂点が映るシーンがある点は留意しておいた方がいいだろう。

出典：Amazon.co.jp

5pb.とニトロプラス原作のゲーム、科学アドベンチャーシリーズ第2弾のアニメ化作品。同シリーズ作品はいずれも、伏線が多く絡みあったストーリーと中毒性のある演出を特徴としており、アニメだけでは表現しきれないほど。科学アドベンチャーシリーズはいずれの原作も非常に高い評価を受けているので、気になった方はシリーズの原作も追ってみて欲しい。

中二病をこじらせた大学生「岡部 倫太郎」が偶然にもタイムリープマシンを発明したことから、その秘密を狙う秘密組織に命を狙われることになる。TVアニメ版では原作のTRUEエンディングまでが描かれている。山場を盛り上げる印象的なBGMなど含めて原作再現性が高い。

主人公は中二病だが、テーマとして中二病を扱っているわけではない（タイムリープそのものが中二であるとも言えるが）。しかし、その中二病が重厚なドラマの中で、ほど良い甘みや安らぎとして見事に機能し、設定を活かしきった作品である。ちなみに本作では『中二』ではなく『厨二』と表記されるが、意味は同じである。

またしても余談になるが、シリーズ構成は「中二病でも恋がしたい！」など京都アニメーション作品も多く手掛ける「花田十輝」氏が担当しており、彼がシリーズ構成または脚本を担当したというだけでもアニメを辿る価値があるので、こちらも合わせておすすめしたい。

出典：Amazon.co.jp

様々なメディアで広く名を轟かせ続けている『Fate』シリーズの原点をアニメ化したもの。原作PCゲーム『Fate』には大きく3つの物語分岐があり、タイトル表記が『Fate/stay night』だけで続くサブタイトルの表記が無い作品は「Fateルート（通称　セイバールート）」をなぞった作品である。

聖剣エクスカリバー、アーサー王、魔術刻印、英雄王ギルガメッシュ、この世全ての悪、など中二ワードや設定がこれでもかと羅列される本作だが、アーサー王伝説や、クトゥルフ神話、ギリシア神話といった世界的に有名な伝承や神話を原作者「奈須きのこ」氏が自身の創作に取り入れたためで、そのいずれもが作者によって練られたルールの上で動いていくため、中二設定ながら妙にリアリティを感じさせることがここまで人気を膨らませた一因でもある。中二を自覚していなくても登場する設定や物語に感化され、己の内側に眠る中二を呼び覚ますには持ってこいの作品。

2006年にアニメ化されたため、最新の映像美に慣れている人にはやや古く感じられるかもしれない。特にこだわりがなく、なんかよく名前聞くけど『Fate』って何？　という方は、ufotable制作の「Fate/Zero」シリーズを観ると世界観を把握しやすいだろう。

出典：Amazon.co.jp

ガンダム、と聞くと『ロボットアニメでしょ』と脊髄反射する方に最後まで観てもらいたい作品の一つ。全50話と長いが、これはガンダムシリーズの常である『回想回』も含まれているためで、回想回を除けば全48話である（長い）。

仕事に忙しい社会人、家事に忙しい主婦、試験勉強に追われる学生は『スペシャルエディション3部作』を手に取って欲しい。90分×3本でまとめられているため、時間をかけずに細かい設定や演出はカットされているが、雰囲気は掴むことができる。

主人公「キラ・ヤマト」とその親友「アスラン・ザラ」が戦争という世界の流れに翻弄され、葛藤しながらも、『戦う力がある者の責任』を果たそうと物語は動いていく。ガンダムシリーズを観たことがない、ロボットアニメは観たことがない、という方は、これはロボットアニメではなく『戦争映画』だという心づもりで観て欲しい。視聴後、きっと自分の中の何かが変わっているはずだ。

出典：Amazon.co.jp

全世界の3分の1を支配する超大国「神聖ブリタニア帝国」によって日本も支配統治された世界。「ブリタニア帝国」に対抗するため、主人公「ルルーシュ」が「ゼロ」という偽りの名を持って武力集団「黒の騎士団」を組織。「ルルーシュ」は謎の少女「C,C（シーツー）」から授かった力「ギアス」を持ってブリタニア帝国に対抗、勢力を拡大することに成功する。

ロボットアニメたる要素は、人型の戦闘機を使ってのバトルアクション、戦闘がある点のみで、ストーリー性で根強い人気を持つガンダムシリーズと同じく、根底には登場人物達の生い立ちや葛藤、ドラマが本映像作品の根底である。

左目に浮かび上がる紋様を見た者に絶対遵守の命令を下すことができるが、効力があるのは一度だけという制限つきの異能「ギアス」を、主人公「ルルーシュ」がどう操って難局を乗り越えていくのかというスパイアクション的な戦略性も本作の見どころの一つ。左目が光って相手を操る、という中二設定がドラマの中に上手く落としこまれている様は、これまでの固定観念をしっかりと覆してくれるだろう。

出典：Amazon.co.jp

超能力開発や兵器といったオーバーテクノロジーを持つ科学サイドと、魔術や宗教、聖書といったオカルトづくしの魔術サイドの対立を描いたSFファンタジーアクション。タイトルの通り、魔術サイドの事情を多く描いた本作と、科学サイドの事情を多く描いたスピンオフ作品「とある科学の超電磁砲」をセットで観ることで両サイドの様々な伏線を理解することができる。

本作では、魔術サイトの魔術や科学サイドの超能力といった超常的な力を打ち消す力を生まれつき『右手』に宿した「上条当麻」が主人公。設定だけでも十分に中二の気配が感じられる。

「上条当麻」は本作のみならず『とある』シリーズにおいて人気を博すキャラクターでもある。振りかかる困難をぎりぎりのところで打破していく少年漫画のような展開と、様々な事情を持った魔術師達を拳一つで真正面から叩いて乗り越え、あまつさえ説教までかましていくその様から、ファンの間では『上条さんマジぱねぇっす』と慕われている。

出典：Amazon.co.jp

世界を支配していた魔法帝国の魔王「禁断皇帝アルトゥール・ガズ」が打倒され、長く続いた戦乱は終わり世界に平穏が訪れていた。それから幾年月が流れ、主人公兼ヒロインである少女「チャイカ・トラバント」は、ガズを打倒した8人の英雄達によって分割された「禁断皇帝アルトゥール・ガズ」の遺体を集めるために世界を旅していた。チャイカはトールとアカリという傭兵の助け得ながら遺体を集めていくのだが……。

複雑な設定はなく、ファンタジーバトルアニメ（どちらかというと戦記の色合いが強い）として気軽に視聴できる。特筆すべきはそのバトルシーンで、ヒロイン「チャイカ」の協力者で、『乱破師（サバター）』と呼ばれる傭兵一族「トール」と「アカリ」が用いる奥義『鉄血転化』を使用するシーンは、ファンタジー好きなら必見の価値ありの演出。

出典：Amazon.co.jp

アニメ化を機に社会現象にもなった本作。原作はマンガで、迫力溢れる壮絶なダークファンタジーマンガとして、講談社漫画賞を受賞するなどアニメ化以前から一部では定評があった。

人間が圧倒的な大きさを持つ巨人に立ち向かうために開発された対巨人戦用装置「立体機動装置」を使ったアクションは、一種のジャイアントキリング要素をはらんでおり、あらゆる層の心を躍らせた。

人間と巨人の戦いの行く末、そもそも巨人とは何なのか、ただのバトルものに留まらないストーリー性も十分に備えた本作は、中二病設定のアニメ作品を嗜む、その入り口にまさしく相応しいと言えるだろう。

出典：Amazon.co.jp

PS2で発売されたRPGを原作とした現代ファンタジーにサスペンス要素を取り入れたアニメ。主人公達は街で発生する奇怪な連続猟奇殺人事件の真相を追って奔走する。

原作ゲームの評価が高く、原作の展開を限りなく忠実にアニメで再現を果たした演出、構成が高く評価される作品。RPGのステータス画面の一部ですら再現されている。

アニメ単体でも原作のTRUEルートまで辿りつくが、原作RPGにおいて、設定を詳細に把握しながら、TRUEルートまで完全クリアした際にかかるプレイ時間は50～60時間超という長編であるため、アニメでは駆け足になっている部分も多い。PSVitaなどで原作のリメイクが発売されているので、アニメを観て気になった人はそちらを手に取ってみると良いだろう。

今ある意識を光、その意識の裏側にある潜在的自意識、もう一人の自分を影『ペルソナ』として操ることで主人公たちはシャドウ呼ばれる人の抑圧された感情が作りだした魔物と戦っていく。

自身の内に潜む二面性と向き合い、受け入れることで特殊能力を得る。中二病の塊みたいな設定ですが、ファンタジー世界と並行して進行するサスペンス（殺人事件）要素により、色々な層が楽しめる作品です。