恋愛マンガとして読む『静かなるドン』90 Pt.

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下着デザイナーの仕事を愛する、冴えないサラリーマン「近藤静也」には、もう一つの顔があった。彼の父は関東広域をとりしきるヤクザ組織「新鮮組」の二代目総長であった。生まれた時から極道教育をされた「近藤静也」だったが、平和に生きる事を望んでいた。しかし、父が暗殺され、跡目争いを避ける為に、三代目総長の座を「静也」は嫌々継ぐのだった。こうして、昼間はサラリーマン、夜は白いスーツにサングラスをかけたヤクザの親分という二つの顔を持つ事になるのだった。そして「静也」は自身が勤める下着会社「プリティ」のチーフデザイナー「秋野明美」に恋心を寄せていた。

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「プリティ」で下着デザイナーとして働く「近藤静也」だったが、デザインはお世辞にも上手いとは言えず、常に上司に怒られてばかりだった。そんな「静也」を「秋野」は温かく見守り励まし続ける。「秋野」の優しさに恋心を持つ「静也」だったが、「秋野」からは弟のように見られてしまう始末。そんな時ヤクザに絡まれていた「秋野」と、ヤクザの姿をした時の「静也」は遭遇する。サングラスに白スーツ姿の「静也」を同僚の「静也」とは思わず、別人として認識する「秋野」。ヤクザの「静也」に助けてもらい、「秋野」は恋をしてしまうのだった。

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ドンの時の「静也」を好きになった「秋野」。正体を隠して「静也」は「秋野」に近づくが、ヤクザの「静也」に近づけば、近づく程「秋野」の身が危険になる。そして代々続いて来た極道としての呪われた血筋が、カタギの「秋野」と一緒になる事を躊躇わせる。「静也」は平凡なサラリーマン「佐々辺」と結婚しようとする「秋野」を祝福し、対立組織「鬼州組」との抗争に向かうのだった。

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「佐々辺」との結婚を選んだ「秋野」だったが、ヤクザの「静也」への想いを断ち切る事は出来なかった。ヤクザの「静也」が「鬼州組」に捕まったと知り、容姿が「鬼州組」の亡くなった五代目姐と瓜二つだった「秋野」は、「静也」の部下「鳴戸」に頼まれ、五代目姐に変装してヤクザの「静也」を助けに行くのだった。そして、ヤクザの「静也」を助け出した「秋野」だったが、気絶したヤクザの「静也」と2人きりになった時に彼のサングラスを外し、素顔を初めて見てしまうのだった。ここから「秋野」はヤクザの「静也」とサラリーマンの「静也」が同一人物だという事を知るようになる。26巻収録エピソード。

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「佐々辺」との結婚がなくなった「秋野」は、デザイナーとして成功を掴んでいく。そして、デザイナーの「静也」とヤクザの「静也」が同一人物である事は胸に秘めたままでいた。しかし、昼間の「静也」と会った時の「秋野」の様子は以前とは明らかに違い、2人の関係に変化が見られるようになる。正体がわかっている分「秋野」はヤクザの「静也」にも強気に出ている。その事に気づいていない「静也」の様子を見るのも面白い。頭が切れる「静也」であったが、恋は盲目にさせるらしい。「秋野」に押し切られ「静也」が「秋野」の前でサングラスを外す日も近いと思われたが、様々な困難や障害が2人の前に立ちはだかるのだった。

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ある時から「静也」は密かに何かを決意していたが、「秋野」は聞くことが出来ずにいた。そして、「鬼州組」との避けられない大抗争が勃発する。「秋野」は抗争に向かう「静也」を止める為、サラリーマンの時の「静也」にウェディングドレス姿でプロポーズする。この時ようやく「静也」は、ヤクザの「静也」とサラリーマンの「静也」が同一人物だと「秋野」が知っていた事に気づく。しかし、それは心の中だけに留めておくので、「秋野」に面と向かっては言わないという心憎い展開。しかも「静也」は「秋野」の決死のプロポーズを振り切って抗争に行ってしまう。そして、「静也」がいなくなった後、手紙を受け取る「秋野」。「静也」のある決意を知り、愕然とする「秋野」だった。はたして2人の運命? 怒涛の展開は単行本87巻に収録されている。そう、まだ全108巻中の87巻なのである。この後の展開は是非、手に取って読んでもらいたい!