人付き合いが極度に苦手な青年と、アンドロイドの少女の奇妙な同居生活を描いたSFコメディ漫画。主人公の上小杉惣介は他人の感情が理解できず、人との関わり合いを極力避けて生きてきた。そんな彼のもとに、ある日謎の宅配便が届く。荷物の中身は、なんと中学生の少女の姿をしたアンドロイド。彼女は、人工知能が何処まで人に近づけるかを検証する実験機。惣介はそのモニターに選ばれたのだった。
惣介と、彼のもとに届けられ「ロボ子」と名付けられたアンドロイドの少女は、ある意味似た者同士だ。惣介は人の感情を理解するのが苦手で、周りの人間から爪弾きされてきた。その結果、彼はデイトレードで収入を得ながら、人との付き合いを避けて孤独に暮らす青年となった。一方のロボ子は、人工知能の可能性を検証するために作られたアンドロイド。彼女の願いは“人間とは何なのかを理解する”ことだけに、人間に対する理解が低いのだ。惣介は、「こんな自分ではロボ子が人間を理解するのには役立てない」と、弱音を吐く。しかし、ロボ子は「私と一緒に人とは何かを知っていきませんか」と、提案。やがて2人の間には、確かな絆が生まれていく。
さまざまなロボットが一般に普及している世界を舞台に、人間とロボットの関わりをオムニバス形式で描く、ハートフルなSF漫画。ペットロボ、スーパーの店員、介護ロボ、刑事ロボに子育てロボといった多種多様なロボットが登場する。本作は、そんなロボットたちの視点を通じ、人間そのものを浮き彫りにしていく。
多くの人が思い浮かべるロボットの一般的なイメージは、正確無比で機械的に作業する姿ではないだろうか。しかし、本作に登場するロボットたちは、そんなイメージとは大きくかけ離れた存在だ。彼らの中にはミスを頻発する劣等ロボや、犯罪に走るロボットもいる。そして、喜怒哀楽を有する、実に人間くさいロボットなのだ。飽きたからと言って子どものように可愛がっていたペットロボットを簡単に乗り換えるなど、物語によっては人間の方が非情に感じられることもある。ロボットが心を持ったとき、彼らと人間の関係はどうなっていくのかを真正面から捉えた、切なくもハートウォーミングなオムニバスストーリーだ。
AIを搭載した巨大ロボット兵器が繰り広げるSFアクション。物語の舞台は、人口過剰と資源不足により末期的な未来世界。人類はその解決策として、新たに発見された惑星を「セカンド・アース」として開拓する。ところが、本格的な入植直前に謎のテロが発生。開拓を主導する巨大複合企業W/S社は、事態を収拾すべく試作ロボット兵器「バスタードレス」を含む私設軍を投入する。かくして、人類の存亡を賭けた戦いが幕を開ける。
主人公の葵晴斗は、巨大ロボット兵器「バスタードレス」のパイロット。バスタードレスには高度なサポートAIが搭載されており、パイロットはこのAIとコミュニケーションを取りながら操縦を行う。試作機であるバスタードレスはパイロットに応じてカスタマイズされており、機体毎にAIも異なる。中でも晴斗の「ガンホーク」は、人間に近い感情を備えているのが特徴だ。彼は単なる操縦の補佐だけでなく、晴斗の私生活にまで細やかな気遣いを見せる。一方の晴斗も、ガンホークを単なるプログラムではなく、唯一の家族だと思っており、まさに固い絆で結ばれた相棒同士である。そして彼らは、初めての実戦任務地のセカンド・アースで予想外の敵と遭遇する。
アンドロイドの少女と大学生の青年の恋愛模様をサスペンスフルに描いたSFラブストーリー。ある日、主人公の刈谷慎平が下宿するボロアパートに、見知らぬ少女が訪ねてくる。少女の名は財部早紀。遠縁の親戚である財部健三の孫娘だという。彼女は、「孫をしばらく預かって欲しい」と書かれた建造からの手紙と1千万円の小切手を携えてた。突然の出来事に当惑する慎平だが、彼女にはさらに驚くべき秘密があった。
本作のヒロインである財部早紀は、肉体は生身の人間だが頭脳はコンピュータという、かなり特殊なアンドロイドだ。彼女は交通事故で脳に回復不能の損傷受け、植物状態となってしまった。そこで彼女の祖父で科学者の健三は、禁断の措置を選択する。超高性能コンピュータ「NOVA7000」を製作し、それに搭載した人工知能によって、早紀に新たな人格を与えたのだ。ところが、健三自身も癌で余命幾ばくもない状態。そこで彼はやむをえず、刈谷慎平に早紀の保護と教育を依頼する。高度な知性を備える早紀だが、一般常識に疎く数々のトラブルを巻き起こす。そんな彼女に慎平は頭を抱えるも、やがて2人の間には、掛け替えのない絆が生まれていく。
人間と見分けのつかない高性能ロボットの少女と、人間の少女の交流をハートフルに描くSF漫画。主人公はとある研究機関に作られたた女子高校生型のロボット。彼女がロボットであることは秘密ではないが、世間から特別扱いされないため、人間らしく振る舞うように努力しながら、一般社会で生活している。そんな彼女には、チカという特別な友人がいた。2人の関係は、チカの成長に応じて徐々に変化していく。
主人公のロボットは、研究者たちからはプロジェクトネーム「Type=Praha」にちなんでプラハと呼ばれている。しかし、彼女には別の名前も存在する。彼女は社会学習の一環として、転校生という形で、数ヶ月学校に通うことがある。その都度彼女には、17歳の女子高校生に相応しい名前が付けられるのだ。プラハは10数年前、佐藤弘美と名乗っていた頃に4歳の少女と出逢う。チカという名前のその少女は、研究所の近所に住んでいた。プラハは転校の度に名前が変わるので、彼女を「ヒロちゃん」と呼ぶのは今やチカだけ。やがて成長したチカは、プラハに恋心を抱いていることを自覚する。物語は、そんなチカとプラハの心の絆を情感豊かに描いていく。