常に締め切りに追われている漫画家が、奮闘する日々を描いたコメディ。『燃えよペン』の続編ではあるが、主人公以外の登場人物は一新されている。炎尾燃(ほのおもゆる)は月間連載2本、隔週連載1本を抱える熱血漫画家。炎尾は漫画制作に伴う様々なトラブルや編集側の無理難題を、持ち前の熱血と根性で乗り越えていく。そんな彼の前に、強力なライバルたちが立ちはだかるのだった。
今回のテーマについて本作から紹介するのは、主人公である炎尾のライバル漫画家、富士鷹ジュビロだ。強烈な外見と言動で話題になり、初登場の8巻以降準レギュラー化したキャラである。このキャラのモデルは、『うしおととら』や『からくりサーカス』などで知られる漫画家、藤田和日郎。また作中に登場する富士鷹ジュビロの作品も『からぶりサービス』というパロディタイトルだ。本作筆者の島本和彦と藤田和日郎は長年の友人で、このキャラクターについては本人に直接承諾を取りに行っている。作中で藤田和日郎のタッチを高度に再現したコマも登場するなど、とにかく力が入ったこのパロディキャラに対し、藤田は単行本の帯コメントで富士鷹ジュビロのコスプレを披露。激怒を装った激励コメントを送っている。
人呼んで「迷宮入り探偵」、池々郷(いけいけごう)の名(迷)推理を描いたギャグ漫画。探偵の池々郷は事件が起こると関係者一同を集め、怪しそうな人も、怪しくなさそうな人も、どんな人も疑わしいというスタンスで推理をする。そのため犯人がボロを出し、結果的には事件解決に繋がっていく。そんな郷の周りには名探偵や凶悪犯が常に存在していた。
本作の主人公である池々郷は推理力皆無の探偵だが、ギャグ漫画ゆえに最終的には事件を解決してしまう。今回のテーマで紹介するのは、そんな郷の前に現れた天才中学生探偵の江戸川キャノンである。このキャラはビジュアルや設定こそ違えど、元ネタは『名探偵コナン』の主人公である江戸川コナンだ。当てずっぽうなのに事件を解決してしまう郷に出会ったことで、キャノンはとてつもない挫折を味わうことになる。本作を描くかんばまゆこは『名探偵コナン』のスピンオフ作品『名探偵コナン 犯人の犯沢さん』の作者でもある。本作の巻末には、青山剛昌からのお怒り&ハードルを上げるコメントが載せられている。
ブラック企業に勤務するサラリーマンの社畜上等な日々を描いたギャグ漫画。武辣苦商事東京本社に勤めていた図画コーサクは、Fuckokaの墓多死社へ左遷されてしまう。そこは修羅の国だった。木にはパイナップル(手榴弾)が成り、はりつけの刑にされた者の姿もあり、真面目に出勤した図画にFuckokaの洗礼が待ち構えていた。
『社畜! 修羅コーサク』というタイトルの元ネタはサラリーマンの出世道を描いた『島耕作』シリーズである。内容的には『島耕作』シリーズとあまりにもかけ離れたブラック&ギャグ漫画であるが、本作1巻の帯には『島耕作』シリーズの作者である弘兼憲史から「私は許した。博多の皆さんも許してやってほしい」というメッセージが載せられた。そのメッセージの通り、本作の舞台となる「Fuckokaの墓多」のモデルは、福岡県の博多がモデル。同県の実際にある風習や名物もかなり過激なギャグ要素に改変されており、「修羅の国」などと表現されている。
様々な有名漫画家やアニメーターのタッチやテイストを取り入れつつ、下品に仕上げたギャグ漫画集。手塚治虫の画風やテイストをメインに、藤子不二雄、永井豪、西原理恵子に宮崎駿など、日本を代表する作家陣をオマージュ(パロディ)するショート漫画だ。本作『1.1』は旧『神罰』に掲載された作品の他、新規作品の収録や加筆修正が加えられている。
今回のテーマとなっているのは、本誌のメインとなる手塚治虫関連のパロディである。パロディ箇所は漫画のみならず、著者近影でも手塚治虫を意識したベレー帽と付け鼻の写真を掲載。表紙のイラストで「お願いです 訴えないで下さい!!」と書かれているのに対し、帯で「訴えます!!」と手塚治虫の長女である手塚るみ子からコメントが寄せられている。さらに手塚るみ子氏との合同トークライブでは、本誌のことを受けて田中圭一は「謝罪会見」と発言する場面も。そんな両氏のやり取りはファンの間で「プロレス」だと言われている。
とある秘密団体が開催する、大金と脱衣を賭けた麻雀バトルを描いたギャンブル漫画。借金や家庭の事情などで、金を必要とする様々な美女。彼女たちは謎の女ディーラーと、大金を賭けた麻雀勝負を求められる。勝てば大金を約束されるが、負ければ衆人環視の中で着ているものを脱がなくてはならない。今宵もハイリスク&ハイリターンな闇の勝負が繰り広げられていく。
本作は脱衣麻雀を題材にした作品。物語の舞台となるのは大相撲の興行を終えた国技館、本来は女人禁制の場だが、千秋楽を終えて「裏日」になったその日だけ女人が土俵に上がることを許される。そしてその場で仮面を付けた女ディーラーと、金銭的事情を抱えた様々な美女たちが大勢の観客の前で脱衣麻雀勝負を繰り広げるのだ。だが物語の後半、女ディーラーがこの勝負を私有化し始めたことでパトロンでもある観客から反感を買ってしまう。そして女ディーラーに差し向けられた対戦相手こそ、実在の漫画原作者、小池一夫だった。本作の作者である井上紀良は、小池一夫とかつて『マッド★ブル34』を手掛けた仲。また、小池一夫のブログでも本作が紹介され「照れる」などと語っている。