映画作成現場にもドラマはあふれている!漫画オススメ5選148 Pt.

時代劇からSF、アクションにラブロマンス、煌びやかなスクリーンに写し出されるドラマは、観る者にひとときの夢を与えてくれる。しかし、スクリーンの中だけでなく、撮影現場にも数々のドラマがある。そこで今回は、そんな映画の撮影現場を描いた作品を紹介しよう。

作成日時:2019-10-30 10:00 執筆者:マンガペディア公式

映画作成現場にもドラマはあふれている!漫画オススメ5選

出典:小学館


『あどりぶシネ倶楽部』

『あどりぶシネ倶楽部』

出典:小学館

大学の映画製作サークルを舞台に繰り広げられる青春群像劇。物語の舞台は1980年代。帝王大学映画研究会「あどりぶシネ倶楽部」の面々は、時代遅れといわれながらも8ミリ映画製作に情熱を傾けていた。監督兼俳優の神野高史、プロデューサーの片桐邦雄、音響兼俳優の原田の3人が次回作の構想を練っていたところに、佐藤道明という変わり種の新メンバーが加わるところから物語は幕を開ける。

映画製作の技術は、時代の移り変わりと共に進歩してきた。デジタル全盛の現代と比べると、本作の製作現場は極めつきのアナログだ。物語の舞台である1980年代当時は既に家庭用ビデオカメラが普及しており、8ミリフィルムにこだわるのはアマチュア映画制作者でも変わり者の部類。撮ったその場で映像が確認可能で、撮り直しも容易なビデオと違い、8ミリフィルムは現像するまで解らない一発勝負だ。それだけに撮影には独特の緊張感があり、成功した時の達成感も大きい。主人公の神野高史は、情熱と才能は人一倍だが撮影技術は今ひとつ。そんな彼の足りないピースを補う新人の加入によって、予想外の化学反応が生まれていく。


『シネマちっくキネ子さん』

『シネマちっくキネ子さん』

出典:芳文社

映画監督を目指す少女と、彼女の撮影対象にされた青年を中心とする4コマコメディ。宮川大八は、就職してひとり暮しを始めた直後に会社が倒産した不幸な青年だ。そんな彼の部屋に、カメラを構えた少女・川島キネ子 が押しかける。自称映画監督の彼女は、大八のドキュメンタリーを撮りたいという。突然の事態に当惑する大八だが、提示された出演料に目が眩み、思わず承諾。かくしてキネ子による大八の密着撮影がスタートする。

主人公の川島キネ子は映画監督を自称しているが、今までに映画を撮影した経験はゼロ。映画監督だった祖父に憧れたキネ子は祖父の跡を継ごうと心に決め、その第一歩として映画マニアの宮川大八のドキュメンタリーを撮ろうと思い立ったのだ。キネ子はレンタルDVD店でバイトをしており、毎週大量の映画を借りていく大八のチョイスの渋さに注目し、彼を撮影対象に選んだ。だが大八の日常は起伏に乏しく、孫を想う祖父の余計な横槍も加わったせいでドキュメンタリー撮影は失敗してしまう。紆余曲折の末、大八はキネ子のカメラマン兼助手となり、2人はともに映画を製作していくことになる。


『デラシネマ』

『デラシネマ』

出典:講談社

戦後復興期の日本を舞台に、映画界に革新をもたらす2人の若者の活躍を描いた映画製作漫画。主人公の1人である風間俊一郎は、日映京都撮影所に入所したての見習い新人助監督だ。リアリズムを重視する彼は、あまりにも綺麗なセットに疑問を抱く。もう1人の主人公である宮藤武晴は、新人の大部屋俳優。彼は歌舞伎そのままの旧態依然とした殺陣に退屈していた。野望と才能を持つ2人は、やがて映画界に新風を吹き込んでいく。

物語の舞台となる戦後復興期の日本は、映画はまさに「娯楽の王様」の地位に君臨していた。物語冒頭の昭和28年当時、年間で延べ10億人が映画館に足を運び、上映本数は300本を超えていた。本作の主人公たち、風間俊一郎は監督として、宮藤武晴は俳優として、そんな映画業界で「てっぺん」を取ろうと野望を抱く若者だ。そして彼らには、それは「本物」の映画を作るという共通の目標があった。彼らが所属する日映京都撮影所では、様式美を重視する撮影手法が主流だったが、風間と宮藤が目指しているのは説得力のあるリアルな映像表現。周囲との軋轢を乗り越えながら、彼らは少しずつ映画界を変えていくことになる。


『平凡ポンチ』

『平凡ポンチ』

出典:小学館

冴えない自主映画監督と女子高校生が織り成す逃避行を描いた、ロードムービー風ラブコメディ。主人公の真島アキは、自主映画界で数々の賞を総なめにし、商業デビューを間近に控えた映画監督だったが、若手の後輩に監督の座を奪われてしまう。自暴自棄になった彼は、大事なカメラを投げ捨てる。そのカメラを身を投げだして受け止めたのが、女子高校生の鰐淵ミカだった。この出逢いをきっかけに、真島の人生は大きく変わり始める。

主人公の真島アキは輝かしい受賞歴のわりに評価が低く、30歳でようやく得た商業映画デビューの機会もあっさり後輩に奪われてしまう。そんな失意の真島の目の前に現れた女子高生の鰐淵ミカは、魅力的だが危険な少女だった。ミカは真島が監督を降ろされたある事情を知り、撮影の打ち合わせ現場に急行。だがそこで手違いにより、主演女優を殺してしまう。そんな凄惨な現場を目にした真島が感じたのは、かつてない胸の高鳴りだった。手に手を取って逃亡した2人は、逃避行の課程でドキュメンタリー映画を撮り始める。


『フィルムは生きている』

『フィルムは生きている』

出典:amazon

アニメ映画の制作現場を舞台に、アニメ制作に情熱を燃やす若者の成長を描いた青春漫画。主人公の宮本武蔵は、アニメを創りたい一心で故郷を離れて上京した若者だ。彼は、アニメ制作会社の横川プロダクションに飛び込みで入社を志願するが、ベテラン作家の断末麻に「君の絵は動きが死んでいる」と断じられて入社はならず。しかし、夢を諦めない彼は似顔絵描きで日銭を稼ぎながら、アニメに携わる機会を伺っていく。

「漫画の神様」と称えられる巨匠・手塚治虫は、アニメに対しても並ならぬ情熱を抱いていたことでも知られている。実際に若かりし頃、動画制作会社の求人に応募して不採用になった経験を持ち、後に漫画家として大成した手塚は、アニメ映画制作に乗り出すことになる。本作はまだ手塚がアニメ制作を手掛ける前に執筆されたものだが、彼のアニメに対する意欲が如実に反映された作品だ。当時「マンガ映画」と呼ばれていたアニメの制作現場を細かく描写し、アニメの歴史や各国の勢力分布まで紐解く内容は実に興味深い。さらに未来の3Dアニメを空想で表現するなど、本作は手塚治虫のアニメへの夢が詰まった物語だ。


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