魔女の家系に生まれた娘が、騎士である男に護られるうちに恋心が芽生えていくファンタジーラブロマンス。望月香子(もちづきかおるこ)は、常連客に支えられながら小さなハーブショップを営む23歳。ある日、店に黒ずくめの男・日比木要(ひびきかなめ)がやってきて、香子の行方不明の母親・禮子(れいこ)が全世界に会員を持つ“黒き魔女協会”の長で魔女王とも称される存在であることを告げるが、それらの話に気が動転した香子は、受け継いでいた母親の力を暴走させてしまう。止めるためには要からのキスを受け入れるしかなく、次第に香子は要のことが気になり始めるのだった。
香子は、祖母の紫子(ゆかりこ)が白魔女、母親の禮子が黒魔女という、魔女の家系に生まれた。黒魔女はあらゆるものを魅了して支配する「魅惑」(チャーム)の力を用いる。要は、魔女王が復活するまでの間、力を託された香子を守るためにやってきた協会に属する騎士。香子の暴走を止められるのは要しかおらず、香子は彼とキスを重ね、新たな一面や優しさを知る度に特別な感情を抱くようになる。二人は恋人同士という設定で同居生活がスタートさせるが、要も純粋な香子に惹かれ、想いを通わせるようになっていき、本物の愛が育っていった。しかし、それは魔女王への裏切りでもあり、二人は苦悩するようになる。揺れ動く想いが美麗で繊細な絵によって描かれた美しいラブストーリーだ。
ドジな魔法少女が仲間と共に闘うファンタジー漫画。主人公の森下こよみは子供っぽい体型のために小学生に間違われてしまう女子高校生。魔法は世間では信じられていないが、銀座には魔法使いの第一人者である姉原美鎖(あねはらみさ)がいた。こよみはドジっ娘で平凡な自分を変えたいと思い、美鎖の弟子となり、現代魔法を学ぶことに。主人公のこよみを中心に、師匠の美鎖、友人でクラス委員長の坂崎嘉穂(さかざきかほ)など様々な人物が魔法を通じて絡み合っていく。2009年テレビアニメ化。
本作に登場する魔法は、現代社会の発展に欠かせないパソコンを利用した「現代魔法」。長い呪文詠唱をコンピューターのプログラムに代行させるものだ。システムエンジニアとして現代魔法を仕事に取り入れている美鎖は、現代魔法の第一人者。主人公のこよみはその弟子となったが、早くから魔法使いとしての才能を開花させ、あらゆるコードを金だらいに変換できるコード変換というスキルを身に付けた。世間的には魔法は非現実的とされており、こよみの友人である嘉穂も、魔法を否定していた。しかし、5年前のクリスマスに現れたウイルス「クリスマスショッパー」と美鎖との関連性に気付き、また、こよみの魔法を目の当たりにし、魔法を信じるようになる。
新米魔女が見知らぬ街で人助けの仕事に励む漫画。玉城禰子(たましろねこ)は、魔女の掟に従い、黒猫の使い魔・ニャゴダーと共に田舎へやってきた15歳の新米魔女。独り立ちして、一人前の魔女になるために1年間の修業として見知らぬ街で仕事を始めようとするが、着いて早々に財布を落とすという凡ミスを犯してしまう。一文無しで困っていたところ、中嶋菊花(なかじまきっか)に助けられたことをきっかけに、この街に住む様々な人々と関わり合いながら成長していく姿が描かれている。
本作で描かれる魔女の世界では、義務教育を終えると、独り立ちして自分の仕事を見つけなければならない掟がある。主人公の禰子も15歳を迎えたことをきっかけに、東京から見知らぬ街へとやってきた。住む場所はどの街でもよい訳ではなく、まだ魔女が住んでいない場所と決まっている。禰子は使える魔法が少なく、現代社会で役立つ魔法などないと考え、普通の女の子のように生活することに憧れていた。しかし、この街で出会った菊花がパイロットに憧れていることを知ったことで、自分が本当にやりたいことは何なのか悩むようになる。魔女でありながらも一人の年頃の女の子として描かれる禰子が、悩みながら修業していくうちに本当に自分がやりたいことを見つけていくストーリーが魅力的な作品。
男子高校生が魔女の争いに巻き込まれ、学園一のマドンナから護られ愛されるファンタジーラブコメディ。多華宮仄(たかみやほのか)は私立冬月高等学校に通うごく普通の男子高校生。ある日、放課後に突然「塔の魔女」に襲われ、危ないところを学園一の人気を集める火々里綾火(かがりあやか)に助けられる。仄の隣の席でありながら遠い存在だった綾火だったが、実は「工房の魔女」である彼女は、ずっと前から仄のことを守り続けていたのだった。2014年テレビアニメ化。
本作では、舞台となる冬月市を守る「工房の魔女」と、平穏を乱す「塔の魔女」の争いを中心に描きながら、主人公の仄の中に眠る力の秘密が明かされていく。「工房の魔女」は悪さをする魔法使いから街や人を守る役目を担っている。魔女絡みの事件が起きると防御システムが作動し、修復や記憶操作が行われるため、一般人には魔女たちの存在は知られていない。仄のピンチを救ったのは、「工房の魔女」で炎の魔女と呼ばれる魔女の綾火。二人は契約を結んでおり、同じ屋根の下で暮らすことになる。仄の秘密のために、やがて魔女の争いに巻き込まれていくのだった。
魔女の存在が認められている現代社会で、様々な魔女の活躍や戦いを描いたファンタジー漫画。魔女に男女の区別はなく、魔女たちは生業とする仕事にその魔力を応用し、一般の人々と関わりを持ちながら生活している。妹の三洲(さんす)エリが大好きな姉のマリは、当摩市で一番の魔女と言われる大魔女様に仕える優秀な魔女。他にも様々な魔女が登場し、オムニバス形式で描かれ、中心となる人物はエピソード毎に異なるものの、世界観やキャラの関係性は繋がっている。
本作に登場する魔女たちは、多種多様性が認められている世の中で、自分が持っている魔力を活かせる好きな仕事をしながら生活をしている。本作には、大魔女の優秀な弟子のマリ、魔術コンサルトで働くアンナ、魔法ロケット部に属する男子高校生魔女の榛村コータローなど、様々な魔女が登場する。マリの妹のエリの出生の秘密、コータローの従妹・ユーリとロケットに関わるエピソードなど、それぞれの魔女に纏わる話が描かれる。魔女たちが住む当摩市を支えてきた大魔女は秘密を抱えており、後半ではマリたちと中国マフィアとの戦いや、大魔女の過去も描かれ、魔女たちが繋がっていく。話は50年前の戦争にまで遡り、時空を超えた壮大な物語となっている。