人魚姫が禁断の食事にハマる、サイコホラーギャグ漫画。海底にある魚たちの王国で暮らす人魚姫・エラ。エラは優しい姫君で、海に暮らす魚たちのことを友達としてとても大切に思っていた。ある日、エラは友達の1匹である鰹男(カツオ)が人間に釣られてしまったことを知り、カツオの弔いのために地上へ向かう。そこで居酒屋に入り、釣られた魚の末路を目撃するのだが、その後エラは人間の一言がきっかけで、友達であるカツオを食べることに。禁断の味は、エラに大きな衝撃を与える。
いつも一緒に遊んでいた魚がいなくなる。それは、海底の王国ではままあることだった。地上には野蛮で冷酷な生き物「人間」が住んでおり、彼らは魚を釣り上げて食べてしまうのだ。釣られた魚は仲間たちに別れも言えず、誰かに弔われることもない。友達の無念を思った優しいエラは、せめて弔いだけでもしてあげようと、1人で地上にある居酒屋へ向かった。エラは居酒屋でカツオを頼み、たたきになった友達の姿を見て手を合わせ、その死を悼む。そうして満足し店を出ようとしたところ、客に声をかけられた。食べなければ、釣られたカツオも成仏できないと言うのだ。エラは、心の中で謝罪しながらもカツオを食べることに。初めて食べる同族の味に魅せられる、エラの様子に注目だ。
囚われの身となった姫が、想像の斜め上の拷問を受ける様子を描いた、飯テロギャグ漫画。国王軍と魔王軍が何年も衝突を続けている世界。王女であり、国王軍第三騎士団の騎士団長でもある主人公の姫は、魔王軍に捕まり囚われの身となっていた。姫が持っている国王軍の情報は、魔王軍にとってとても魅力的。何としても姫の口を割らせるために、魔王軍はついに彼女に対して拷問を始める。魔王軍の拷問は、姫が全く想像していなかった斜め上のものだった。
魔王軍に捕まった王国の王女と、意思を持つ聖剣・エクス。魔王軍は姫から王国の情報を聞き出そうとするが、エクスはそれが無駄であると思っていた。姫君が数々の戦争を生き抜き、多くの戦果を挙げてきた強い意志を持つ人物であることを、よく知っていたからだ。尋問程度では、彼女は決して口を割らない。そこで魔王軍は、姫を拷問にかけることを決める。拷問は捕虜条約で禁止されているが、人間ではない魔王軍には関係のない話。焦るエクスを前に、姫は大丈夫だと笑ってみせる。しかし魔王軍の拷問は、姫とエクスが想像もしていなかった「目の前で美味しい食事風景を見せつけられる」という、いわゆる飯テロだった。魔王軍の食事シーンは、姫だけでなく読者の食欲をも刺激するだろう。
謀反によって王都から追われた皇女が、運命に翻弄されながらも成長していく大河ファンタジー・ロマン漫画。主人公は、高華王国の皇女であるヨナ。高華王国には皇太子も皇后もいないため、ヨナは父王・イルを筆頭とした周囲の人間から甘やかされて幸せな生活を享受してきた。しかしある日、謀反によって父王が死亡。自身も命を狙われたヨナは、命からがら王都から逃げることに。この経験が、ヨナを人として大きく成長させるきっかけとなる。2014年10月テレビアニメ化。
ヨナは従兄のスウォンに想いを寄せており、彼と結ばれたいと考えていた。16歳の誕生日に、ヨナはその考えを父王・イルに伝えるため彼の部屋を訪ねる。そこで目にしたのは、倒れ伏した父と、血塗れの剣を持ったスウォンの姿。スウォンは王位の簒奪を目論み、謀反を起こしたのだ。ヨナも命を狙われるが、ヨナの護衛を務める幼なじみの青年・ハクに助けられ、何とかハクの故郷である風の部族、風牙の都に逃げ延びる。風の部族の長老・ムンドクから、かつて城から追放された神官を探すよう助言されたヨナは、ハクとともに旅立つことを決意。旅を通じて、ヨナは自分の無知と無力を知り、徐々に強くなっていく。ヨナの成長と恋愛模様から目が離せない、珠玉の少女漫画だ。
平凡な高校生が魔女たちの対立に巻き込まれていく爆炎スクールライフ漫画。主人公の男子高校生・多華宮仄(たかみやほのか)の通う学園には、全生徒から「姫様」と慕われる美少女がいる。彼女の名前は火々里綾火(かがりあやか)。綾火の正体は、「ファイアースターター(発火術師)」という異名を持つ魔女だった。綾火との出逢いをきっかけに、仄の平々凡々なスクールライフは終わりを告げ、彼は自身の中に眠る力「白姫」を巡る魔女たちの攻防に巻き込まれていくことになる。2014年1月にテレビアニメ化。
舞台となるのは現代社会。歴史の陰で「工房の魔女」と「塔の魔女」と呼ばれる2つの派閥の魔女たちは、対立を続けていた。そんなことを知る由もない仄は、平凡な高校生活を送っていたのだが、突如塔の魔女たちに襲われるようになる。魔女たちの狙いは、仄の中に封印された魔女「白姫エヴァーミリオン」だった。白姫の存在によって否応なく魔女たちの争いに巻き込まれることになった仄を守るのが、仄のクラスメイトであり工房の魔女の1人である綾火。彼女は仄のことを「私のお姫様」と言い、仄を守ることを第一に行動する。学園で「姫様」と慕われる綾火。綾火の「お姫様」である仄。そして仄の中に存在する「白姫」。様々な姫が活躍する不思議な物語を堪能しよう。
平安時代を舞台に繰り広げられる貴族の姫の活躍を描いた、人気小説のコミカライズ作品。主人公の瑠璃(るり)は大納言家の姫君。彼女は大貴族の姫でありながら結婚適齢期を過ぎても結婚をしておらず、むしろ初恋の相手の面影を胸に生涯独身を貫くつもりだった。しかし大納言として世間体を気にする父親は、そんな瑠璃の考えを良く思っていない。ついに瑠璃の父親は、娘の意思を無視して強引に縁談を進めることに。瑠璃は自身の結婚問題や、平安時代の様々な問題に直面していく。
平安時代の結婚の平均年齢は13歳から14歳。瑠璃の年齢は16歳で結婚適齢期は過ぎている。瑠璃自身はそのことを気にしていないが、彼女の父親はそうはいかなかった。大納言という立場にある以上、どうしても多くの人の目が向けられる。娘が未婚というのは、親として居心地が悪いものだったのだ。瑠璃は父親の陰謀によって、権少将(ごんのしょうしょう)と強引に結婚させられそうになる。それを救ったのが、瑠璃の弟・融(とおる)の親友であり、瑠璃の幼なじみである高彬(たかあきら)だった。この結婚騒動を皮切りに、瑠璃は帝の即位問題や政治的陰謀など平安貴族の様々な問題に巻き込まれ、持ち前の正義感と行動力で解決していくことになる。物語も秀逸だが、平安時代の風俗がわかりやすく描かれている点も評価されている作品だ。