江戸の粋!そばをテーマにした漫画特集オススメ5選40 Pt.

江戸の町で庶民に親しまれたそば。現代でも、そば人気は変わらない。職人こだわりの手打ちそばに駅前の立ち食いそば、はてはインスタントのカップそばまで多くの人に幅広く愛されている。シンプルな工程ながら、こだわればどこまでもこだわれる、そばをテーマに描いた漫画を紹介しよう。

作成日時:2020-10-17 10:00 執筆者:マンガペディア公式

江戸の粋!そばをテーマにした漫画特集オススメ5選

出典:小学館


『そばもん ニッポン蕎麦行脚』

『そばもん ニッポン蕎麦行脚』

出典:小学館

名人の技を受け継いだ若きそば職人が、全国を放浪しながらそばの魅力を伝える本格グルメ漫画。元「有楽町・更科」四代目の藤村和夫が監修を務めている。矢代稜(やしろりょう)は店をもたず全国を放浪しながら行く先々でそばを打つそば職人。名人と呼ばれた祖父から江戸そばの技術のすべてを授けられた男だ。若いながらも腕はたしかで、そばへの造詣は深い。稜は行く先々でそばに関わる人々と出会い、そばにまつわる様々な問題を解決していくことになる。

現在、東京都心だけでも6000軒をこえるそば屋があるという。一口にそばといっても、手打ち、機械打ち、十割そば、二八そばと種類は様々で千差万別。星の数ほどある中で、美味しいそばとの出会いを手助けしてくれるのが本書であり、主人公のそば職人・稜だ。例えば、「機械製麺の店よりも、手打ちの店の方が絶対美味しい?」、「『挽きたて』、『打ちたて』、『茹でたて』の三たてが美味しいそばの条件というのは本当?」など、こんな素朴な疑問に物語を通して答えてくれる。また、出前機の誕生秘話やそば屋の看板メニューといえる天盛りのルーツに迫ったりと、そばにまつわる歴史や雑学も充実。そばの魅力がぎゅっとつまった作品だ。


『そば屋 幻庵』

『そば屋 幻庵』

出典:リイド社

江戸時代の、味は絶品だが、めったに店を開けない新橋にある幻の蕎麦屋を舞台に繰り広げられる人情ドラマ時代劇。主人公の牧野玄太郎は、若い頃から切れ者の役人と評判だったが、50代にして勘定奉行方の要職をあっさりと捨て、隠居した身だ。一人息子に家督を譲り、のんびり暮らしているように見える玄太郎だが、実は第二の人生として、おしのびで担ぎ屋台の蕎麦屋を始めていた。徐々に玄太郎の蕎麦屋は、店主のきまぐれでめったに開かない店「幻庵」として評判になっていく。

脱サラして蕎麦屋を営むというのは、中高年男性定番の夢の一つだ。江戸時代に生きる本作の主人公・玄太郎も70代前後で役職を離れて隠居するのが普通のところを、52歳で早々にリタイア。息子にも内緒で蕎麦屋を営み始める。玄太郎は役人としてずば抜けて優秀であり、しかもさらなる昇進が目されていたタイミングだっただけに、引退に玄太郎の息子も戸惑いを隠せない。しかし、役人として一流を極めた玄太郎は、蕎麦職人としても一流だった。幻庵のファンは増え、玄太郎は店に集う市井の人々の悩みに自然とふれるようになる。玄太郎は役人時代の経験を活かして、客たちの困り事を解決していくのだった。絶品の蕎麦を囲みながら、心温まる人情噺が展開する。


『食の軍師』

『食の軍師』

出典:日本文芸社

食に並々ならぬ思い入れを持つ男が、軍師ばりの兵法を駆使して飲食店を食べ歩く姿を描くグルメ漫画。本郷は人一倍食にこだわる中年男。自らを三国志の諸葛孔明(しょかつこうめい)のごとく名軍師になぞらえ、独自のルールや美学で様々な料理を攻略していく。どこの店で、何を注文し、どんな順番で食べるのか? 城を攻略するかのごとく、理想のオーダーを考え抜き、全力で外食を楽しもうとする。己の決断に一喜一憂する本郷の姿がコメディタッチで描かれる。2015年にテレビドラマ化。

飲食店に行くことを「進軍」と呼び、店を「城」ととらえる男・本郷。彼が訪れる店は、新宿や浅草などに実在する名店がモデル。おでん、もつ焼、蕎麦、とんかつ、餃子といった庶民的なラインナップが並ぶ。だからといって、本郷の心の中の軍師は油断しない。自らが理想とする粋な食べ方を追い求め計画を練りに練るのだ。「白昼堂々と酒が飲める場所 それが蕎麦屋だ!!」と小躍りしながら、そば屋を訪れた際には「冷酒に蕎麦味噌 焼きのりで攻め込む!」と決意。板わさをつまみにビールを飲む客を勝手にライバル視、相手を「超凡庸蕎麦男」と嘯き、暑苦しい戦いを内心で一人繰り広げる。しかしそんな蕎麦屋での戦いはトホホな結末を迎えることになる。


『男麺』

『男麺』

出典:amazon

無類の麺好き商社マンが麺にまつわるトラブルをまるくおさめる人間ドラマ。池田免太郎こと通称・イケメンは、集英商事に勤務する28歳の営業マンだ。無類の麺好きでこれまた大好きな落語を聞きながら、昼食にはいつも麺をすすっている。社内でも評判の麺オタクの免太郎のもとには、麺のことならイケメンに聞けと、麺に関する様々な問題がもちこまれる。そば、うどんはもちろん、ラーメン、盛岡冷麺と、免太郎は今日も麺を食べまくる。

ささっと食べられる駅前の立ち食いそばはサラリーマンのランチの定番。本作の主人公である免太郎にいたっては、一日1杯、多いと2杯も食べるほど。免太郎にとって、ふらっと入った立ち食いそば屋で、イヤホンで落語の演目「時そば」を聞きながらそばをすするのが至福の時なのだ。そんなある日、総務課の水嶋奈々子が休憩室でため息をつくのを見かける。落ち込んでいるなら、うまいそば屋にでも行こうと誘うと、奈々子は「そばは嫌!」と絶叫。総務部長が趣味ではじめたそば打ちに総務部総出、休日返上で付き合わされているというのだ。総務部長の「そばハラ(スメント)」に、対抗するため、免太郎は週末、総務部長のそばの会に参加することになる。


『スナック隠恋慕』

『スナック隠恋慕』

恋に迷走する妙齢の女性たちのお悩みを、スナックのママが解決していくギャグ漫画。都会の片隅、ネオン街にひっそりとたたずむ店・スナック隠恋慕(かくれんぼ)。そこは、酸いも甘いもかみ分けた大人の女・ルリ子ママの店。夜のとばりが下りる頃、恋に傷つき、人生に迷う女性たちが、彼女のもとに吸い寄せられていく。結婚の破談、クズすぎる彼氏、仕事と家庭の両立、女性たちのリアルな悩みをシュールなタッチで描く。一話完結の連作短編形式。

スナックといえば、大人の男女の社交場。本作では、ルリ子ママのたくみかつ無理やりな誘導により、赤裸々な悩みがぶちまけられる女性たちのオアシスとなっている。ソバージュにボディコンシャスなワンピースを身に纏った出で立ちながら、ルリ子ママのアドバイスは意外と的確。女たちの迷走っぷりをずばっと斬りつつ、心の傷にそっと寄り添う。蕎麦が登場するのは第1・2話「蕎麦と運命」。コンビニでカップ蕎麦をじっと見つめる、思いつめた表情のOL風の女性・友恵。見かねたルリ子ママは、友恵を店に誘う。聞けば友恵は、結婚まで秒読みだった恋人がいたという。しかし、友恵はそんな運命の相手を蕎麦というまさかの原因で失うことになる。


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