「……します……おおしまです……」高校入学の前日、主人公・大島志乃は自室で何度も何度も、自己紹介の練習をしていた。ついに自己紹介の時がやってきた。言えない。自分の名前なのに。クラスメイトに笑われ、教師は困り顔。初日にして、志乃の居場所はクラスのどこにもなかった。しかし、校舎の裏庭で音程の揃わない歌を歌う加代との出会いをきっかけに、二人は自身のコンプレックスに立ち向かっていく。
「大島志乃(おおしま・しの)」たった6文字の自分の名前が言えない。著者・押見修造、自身の体験をもとに描かれた、名前の言えない志乃と音痴な友人・加代、2人の女子高生による友情物語。
出典:Amazon.co.jp
「……します……おおしまです……」高校入学の前日、主人公・大島志乃は自室で何度も何度も、自己紹介の練習をしていた。ついに自己紹介の時がやってきた。言えない。自分の名前なのに。クラスメイトに笑われ、教師は困り顔。初日にして、志乃の居場所はクラスのどこにもなかった。しかし、校舎の裏庭で音程の揃わない歌を歌う加代との出会いをきっかけに、二人は自身のコンプレックスに立ち向かっていく。
主人公・大島志乃は、自分の名前が言えない。彼女は、連続性吃音症だったのだ。母音で始まる言葉が口を出ず、「大島」も苦手だ。志乃・大島なら言えるのに。あんなに練習した自己紹介も、その時間が迫ってくると体がこわばり、呼吸も浅くなっていく。「おっ……おっ……」顔は赤くなり、どんどん焦りの感情が出てきて、どうしようもなくなるのだ。クラスメイトとは馴染めず、お昼には友達とおしゃべする妄想をしながら過ごしていた。そんな時、誰かがやってきて、咄嗟に隠れてしまった志乃。身を潜めていると、同じクラスの加代がやってくる。不意に歌い出した彼女の歌は、ひどい音痴だったのだ。この件をきっかけとして、初めこそ、おずおずとした志乃にイラついていた加代だが、コンプレックスを持つもの同士、彼女たちは親友となっていくのだった。
吃音症を持つ志乃と、音楽が好きで歌が好きなのに音痴な加代。ふとしたきっかけで、二人はお互いのコンプレックスを晒け出し、友達になっていく。上手く人と話せないことで、自信を持てず、クラスメイトからは馬鹿にされる。それが余計に、志乃を追い詰めていく。しかし、加代や同じくクラスメイトの菊池と関わっていくことで、志乃は友達と過ごす嬉しさや苦しさ、気づかなかった自分の浅ましい感情や、誰しもコンプレックスがあることを知る。様々な出来事を通して、志乃は自信のコンプレックスと、どう折り合いをつけていくのかという点に注目してほしい。
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