『GTO』は、元湘南の走り屋で型破りな教師「鬼塚」の活躍と、教育現場における様々な問題を描いたマンガだ。作者は「藤沢とおる」で、講談社の「週刊少年マガジン」に1997年2号から2002年9号まで掲載された。また、少年マガジンKCのレーベルによる全25巻の単行本が発売された。その他に、本作を原作としたテレビアニメやテレビドラマも制作され、話題を呼んだ。なお、本作のタイトル『GTO』は、作品中での主人公「鬼塚」による「Great Teacher Onizuka(グレート ティーチャー オニヅカ)」という言葉の頭文字を取ったものである。金髪にピアスという一見教師とは思えない風貌をした男の、教師としての生き様が格好良く描かれている。
主人公の「鬼塚英吉」は、かつて湘南の暴走族で、「鬼爆」と呼ばれる最強の不良として君臨していた。
そんな彼が、替え玉を使って試験に合格し、大学へと入学。そして、教師を志すところから始まる。しかし、採用試験の結果は散々で、「鬼塚」は一度、教師の道を諦め、「GDO(Great Driver Onizuka(グレートドライバー オニヅカ)」として生きる道を選ぼうとする。
そんな折、教師としての採用の連絡が届く。「鬼塚」という男に目を付けたのは、東京都武蔵野市吉祥寺にある学校法人「東京吉祥学苑」の理事長「桜井良子」だった。
彼女は「鬼塚」の、目先の理屈より、物事の筋道を通そうとする姿勢に、僅かな望みを託し、学園の教師として招き入れたのだった。一度は諦めかけたものの、念願叶って教師となった「鬼塚」。しかしその当時の学園では、臭い物に蓋をするように、たくさんの物事を見て見ぬふりをする大人たちと、そんな大人に不信感を抱き、屈折してしまった子供たちが、いびつな関係を築いていた。
「鬼塚」は生徒たちの閉ざされた心を前にしても、どこまでも自分らしくまっすぐに向き合っていく。そうしてクラスの中にある、生徒による教師への嫌がらせやイジメの問題などを少しずつ解決し、また生徒たちとも絆を深めていくのであった。
教師となった「鬼塚」を待ち受けているのは、個性的な生徒や教師たち。身に覚えのない合成写真で辱められたかと思えば、本人の意識はその合成写真の出来の良さ! 自らの顔を用いて作られた写真よりも、その技術で自分好みの写真が作れないかと実行犯に話しを持ちかける始末! 他にも女子高生とふしだらな関係になりたい変態たちの有象無象が盛り沢山……。時折パロディネタも見られ、特に「ガンダム」が好きなのか「ズゴック」と叫ぶ宗教団体や「黒い三連星」と名乗るギャルたち……。他にも細目に取り入れているので見逃さないように!?
この作品の魅力は、時に格好良く、時に情けなく、どんな時もまっすぐに他人と向き合い、ぶつかっていく「鬼塚英吉」その人である。定番の先生キャラのようにお堅いわけでなく、見た目が誠実そうなわけでもない、金髪にピアス、煙草が似合う、そんな男が教師として教壇に立つ。それが受け入れられるからには、もちろんそれ相応の良さがある。
どこまでもまっすぐで素直、それでいて怖いもの知らずな度胸と思い切りの良さ、そして誰も見捨てない優しさ。過ちを犯した生徒にも、ある時は真正面から、またある時は背中で語る、その姿勢は、まさに教師の鑑と言えるだろう。破天荒な見た目に騙されることなかれ! 彼の手にかかれば、問題児もいじめられっ子も、まるで別人のような成長を遂げる!!