一度は挫折した漫才師が再起し、邁進する人間ドラマ。漫才師を夢見て、漫才師のドラ男師匠に弟子入りした田中哲夫。しかし哲夫は師匠に見限られ、借金取りに追われるどん底生活に。そんな中、哲夫は幼なじみで元コンビを組んでいた漫才師、いっせーをTVで見かける。哲夫は再びいっせーと共に漫才をしたいという思いを抱き、動き出す。
主人公の哲夫が漫才師になったきっかけは、幼い頃、父親に連れられて見に行った漫才であった。生の漫才はTVで見るよりも面白く、呑んだくれで暴力的な父親も笑わせる漫才師という職業に憧れを抱いたのだ。だが現実は厳しく、漫才師として落ちこぼれてしまった哲夫だったが、幼なじみであるいっせーがTVに出ているのを見かけ、再び奮起する。いっせーに会いに行き、コンビを組もうと誘いかける哲夫。いっせーも現在の相方であった小林と漫才が噛み合わず、コンビを解消するが、哲夫に対してもわだかまりがあり彼とコンビを組む気はなかった。だがいっせーは哲夫の漫才に対する情熱と、だまし討ちの状況だが再び一緒に漫才をしたことで、コンビを組むことを決意する。再スタートしたふたりだったが、彼らの前には業界の厳しい壁が立ちふさがる。
お笑い好きな高校生が、本物のお笑い芸人を目指す人間ドラマ。放送部に所属する男子高校生である上妻圭右は、お昼の放送で学友たちを笑わせることに青春を捧げていた。そんな圭右はある日、関西から転校してきた中西潤と出会う。潤の笑いのセンスにライバル心を燃やす圭右だが、やがて共にお笑い芸人を目指すようになる。2019年TVドラマ化。
『ろくでなしBLUES』や『ROOKIES』と並ぶ森田まさのりの代表作。主人公の圭右は人を笑わせることが何よりも好きなため、日々お昼の校内放送で五分間ネタを披露していた。幼なじみである土屋奈々から下ネタ禁止を言い渡されたり、面白くないと思う者たちから嫌がらせを受けることもあるが、圭右は笑いのためならどんな理不尽も苦難も乗り越えていく。そんな彼が脅威を覚えたのが、関西からの転校生であり、かつてお笑い芸人としてデビューした経験を持つ潤だった。お笑いセンス学校一を自負していた圭右は、潤にライバル心を抱くが、段々と彼を認めるようになる。やがてふたりはコンビを組んで、過酷なお笑い芸人の道へと進んでいくことになる。
お笑い芸人の又吉直樹が原作である小説のコミカライズ作品。漫才コンビ「スパークス」は熱海の花火大会のゲストに呼ばれた。しかし、その時にトラブルで思うような芸ができず、ボケ担当の徳永は不満を抱える。その時、大阪の芸人「あほんだら」のボケ担当である神谷が仇を取ると宣言し舞台に上がる。徳永はそこで神谷の芸に惚れ込み、彼へ弟子入りすることを決意する。
本作の原作者は、自身もお笑い芸人である又吉直樹。その経験を活かし、フィクションでありながらリアルなお笑い芸人の舞台の裏側が描かれている。主人公の徳永は、花火大会のイベントで不運なトラブルにあってしまう。素人である進行係の影響で舞台と花火の時間がかぶってしまい、観客の意識が逸れて徳永たちの芸はダダ滑り。しかしその後に登壇した神谷は、観客に罵声で呼びかけるような出だしで注目を集め、さまざまな芸を使い分けることで舞台を盛り上げた。そんな神谷に、伝記を書くことを条件として徳永は弟子入りする。しかしその後、東京へ進出した「あほんだら」は伸び悩んでしまう。お笑い芸人のリアルな苦悩と、躍進を描く作品だ。
実在するお笑い芸人コンビ「シャンプーハット」のこいでが描くエッセイ漫画。吉本興業に所属する、人気お笑い芸人のシャンプーハットこいで。彼は三人の子をもつ父親でもあった。お笑い芸人というちょっと変わった父親の目からみた、家族の日常が描かれる。
本作は作者であるこいでの、家族と過ごす楽しい日常を綴ったエッセイ漫画である。内容は妻と三人の子どもたちのことがメインであり、TV番組では見ることができない「お父さん」としての顔が描かれている。そんな本作では、お笑い芸人特有の悩みが描かれる。たとえば公園に子どもたちを連れていったこいでは、そこでTVで見せている芸を他の子どもたちから要求される。しかし彼はその場所では芸が出来ない理由をきちんと説明し、彼らに我が子を受け入れてもらえることに成功するのだった。
お笑いコンビを組んだ女子高生の青春コメディ。アイドルに憧れ、日々努力を続けているがオーディションで全敗中の女子高生、佐田杏奈。そんなある日、佐田は清楚系美少女の白藤優希から文化祭にお笑いコンビとして出場してほしいと頼まれる。アイドル志望の杏奈は当初その頼み断るが、今の時代はアイドルにもお笑いがいると説得されたことで出場を決めるのだった。
本作の主人公はふたりの女子高生だ。明るく快活で友だちも多い杏奈は、アイドルに憧れ、オーディションに応募するも上手くいかない日々を過ごしていた。もうひとりの主人公である優希は、黒髪で色白な美少女だが過去のトラウマから人前で上手く話せず、いつもひとりでいる。そんな自分を変えたいと決意した優希は、杏奈にお笑いコンビをやろうと声をかけた。「いちごカルビ」という名でコンビを結成したふたりだったが、性格もタイプも正反対それでも優希は自分のコンプレックスを克服するため、杏奈はアイドルへのきっかけを掴むため、力を合わせてお笑いのための特訓を積んでいく。だがある出来事がきっかけで、ふたりの間に大きな亀裂が生まれてしまう。