老齢で引退した騎士が気ままな一人旅の中で様々な人と出会い、少しずつ旅の仲間が増えていくファンタジー漫画。バルド・ローエンは、魔獣(キージェル)から人々を守る役目を担うテルシア家に長年仕えており、「人民の騎士」「不敗の騎士」として人々から親しまれ、頼りにされていた。しかし、その名が広く知れ渡ったことで、強欲なコエンデラ家がバルドを財源争いの駒にしようとしていることを知り、バルドはひっそりと引退を決意し、愛馬を連れて旅に出る。原作は支援BISの同名ライトノベル。
「人民の騎士」「不敗の騎士」として頼りになる存在だったバルドは老齢だが、若手の騎士たちに剣の技術を教えるなど、部下たちから慕われてきたベテランの騎士。バルドは旅の道中で最愛の姫であるアイドラ・テルシアの死を知って悲しむが、その遺言やアイドラの息子・ジュールランの出生の秘密を巡るコエンデラ家の陰謀に巻き込まれていく。余生を静かに過ごすための旅がいつしか「生きる」ための旅へと変わり、新たな目標に向かって進むことになる。また、旅先で新たに出会った者にも慕われ、仲間も増えていく。時折言うことをきかない身体に対するもどかしさも垣間見えるが、剣の腕前は一流で、義理人情に厚くお茶目な一面もあるバルドは、老齢とはいえ魅力的な騎士であることは間違いない。
穏やかに暮らしていた騎士が、突然現れた特殊能力を持つ日本人たちによって騒動に巻き込まれていくファンタジックコメディ。ハンス・スエラーは救国の英雄でありながら実家からは疎まれており、第一線から退いて田舎の駐在所で安穏とした暮らしを楽しんでいた。そんなハンスの前に現れたのは、魔獣を手懐ける能力を持つヨシダ・ケンイチをはじめとした特殊能力を持つ日本人たち。親切なハンスは彼らに慕われるようになる。原作はアマラの同名ライトノベル。
ハンスは大貴族のスエラー公爵の五男として生まれ、「魔術師殺し」の異名を持つ元凄腕の騎士団長だ。しかし、力をつけすぎたせいで実家に疎まれていると感じたハンスは、隣国との戦争で大きな戦果を上げながらも出世を望まず、片田舎への赴任を志願する。静かな田舎暮らしは穏やかな日常を求めるハンスには最適なものだったが、異世界「日本」からやってきた特殊能力を持つ日本人たちによってその日々は一変する。ハンスは情が深く、日本人やオークたちの世話を焼く内に彼らに慕われるようになっていく。ハンスを慕うものたちは負担を少しでも減らすために「自衛隊」を結成するが、何かと厄介ごとを持ち込んでしまい、ハンスの気苦労が絶えない日々が続いていく。
マイホームに強い憧れを抱いていた元騎士隊長と幼い魔女がひょんなことから同居することになり、次第に心を通わせていくホームコメディ。帝国騎士隊長のアストラ・ルドガー・ドゥームズデイは35歳という若さで早期退職し、念願のマイホームを購入する。引っ越し初日にやってきたのは、アストラを伝説の邪神だと思い込んでいる一人の幼い魔女のノア・オ・アンティキティラ。弟子入りを希望する彼女の願いを断り切れず、同居人として認め、奇妙な共同生活が始まった。
アストラは曲がったことが嫌いで正義感が強く、多くの部下たちからも慕われており、騎士隊長にふさわしい男だ。仮面をつけており、見た目は怖いが、内心ではマイホームに対して心をときめかすなど、お茶目な一面も彼の魅力といえるだろう。また、ノアに邪神だと勘違いされたことでショックを受けるものの、期待を裏切らないために邪神のフリをするなど、優しさも持ち合わせている。アストラが築500年の古い家をマイホームとして選び、ノアがアストラを邪神だと勘違いしたのも偶然ではなく、全ては500年前の「邪神封印」の出来事が関係していた。伝説では大魔女アークティカによって邪神が封印されたことになっていたが、その真実やアストラとノアの過去についても触れられていく。
人間と魔族が争う世界で、「経理のお姉さん」となった女騎士が金銭的に困っている人々を簿記の知識で救っていくファンタジー経済コメディ。魔国でオークから経理の仕事を任された女騎士のシルヴィア・ワールシュタットは「経理のお姉さん」として働いていた。しかし、勇者によって会社が壊され、人間国に戻ったシルヴィアは、経営力が乏しい銀行家のロレンツォ・グリマルディと知り合い、銀行の立て直しを手助けすることになる。原作はRootportの同名ライトノベル。
本作は魔剣を用いてアークドラゴンを討伐していた女騎士がひょんなことから「経理のお姉さん」となり、ファンタジーの世界でありながらリアルな経済の仕組みも描いた異色の騎士漫画だ。主人公のシルヴィアは困っている人を種別関係なく見捨てられない性分の女騎士。港街銀行の建て直しに力を貸すことになったものの、シルヴィアが持っているのは簿記2級。彼女だけでは力不足だが、豊富な経理知識を持つダークエルフのルカ・ファン・ローデンスタインを味方につけたことで、難しい債権回収も成功させていく。作中では図表を用いてわかりやすく複式簿記について説明するなど、簿記知識も自然と身につくような内容になっており、簿記入門書としても活用できる。
様々な種族が生存している世界で、竜族の騎士団が各々の宿命を背負いながら敵に立ち向かっていくファンタジーコメディ。竜族のラス、ルーン、ザッツの三名による竜騎士団は、主君の竜帝リュクレオンに命じられ、敵将ナディルを討伐する。帰還途中でラスたちが偶然人喰い魔女から解放した少女・セシアは、竜都で占い師として生活することに。しかし、セシアにはナディル復活の切り札になりうる特別な力があり、ラスたちは彼女を魔物たちから守るために戦うことになる。
竜騎士団は三人とも性格がバラバラでまとまりがない騎士団だが、いざという時には助け合い、心の奥底では強い絆で結ばれている。火竜の騎士・ラスは魔物討伐と聞くと黙っていられない性格で、地竜の騎士・ザッツは元盗賊でお宝関連の案件には率先して参加しようとする。水竜の騎士・ルーンはまとめ役であり、自由奔放な二人に振り回されることが多い。彼らは竜族だが、最初から竜族だったわけではなく、元々は別の種族だった。竜帝リュクレオンと特に繋がりがあるのはラスであり、竜族になった経緯でもリュクレオンが深く関わっていた。展開が進むにつれて三人がそれぞれの任務を請け負って別々の場所で活躍することも増えていき、謎めいた彼らの過去が解き明かされていく。