小説家・伊坂幸太郎原作のコミカライズ漫画!オススメ5選55 Pt.

数々のヒット作を世に送り出してきた小説家・伊坂幸太郎。コミカライズされている彼の作品は、より多くの人が楽しめるよう、人気作品が中心だ。今回は、小説とは違う新たな魅力を得て生まれた、伊坂幸太郎原作のコミカライズ作品を5つ紹介していく。

作成日時:2020-05-30 10:00 執筆者:マンガペディア公式

小説家・伊坂幸太郎原作のコミカライズ漫画!オススメ5選

出典:小学館


『魔王 JUVENILE REMIX』

『魔王 JUVENILE REMIX』

出典:小学館

伊坂幸太郎の人気小説「魔王」と「グラスホッパー」を大胆に絡めてアレンジしたコミカライズ作品。「他人に自分の思ったことを喋らせる」という特殊能力を持った男子高校生の安藤。彼はある日、自警団「グラスホッパー」を束ね、自らのカリスマ性で民衆を扇動しようとする男・犬養(いぬかい)と遭遇。犬養の人を引きつけ動かす力に危機感を抱き、「腹話術」と名付けた自身の能力を駆使して彼と対決することを決意する。2015年に舞台化された。

幼少期の苦い経験から、自分の個性を殺し人に合わせることで平穏な生活を享受してきた安藤。そんな彼の前に、安藤とは真逆の生き方をしている男・犬養が現れる。安藤が個性を殺して周囲に合わせる者なら、犬養は自身の個性に周囲を「合わせさせる」ことができる者だった。独自の方法で街の治安維持に努める犬養たちグラスホッパーを「正義の使者」と称賛する人間は多い。しかし安藤は、正義の名の下に過激な粛清を行う犬養と、深く思考せずに彼の考え方を受け入れる民衆に対し違和感を抱いていた。読者は安藤を通し、集団心理の恐ろしさを体感することになるだろう。作中に登場する安藤の「考えろ」という言葉は、作者から読者に向けられた強いメッセージだ。


『Waltz』

『Waltz』

出典:小学館

伊坂幸太郎作品のコミカライズ『魔王 JUVENILE REMIX』のスピンオフ漫画。主人公は名もなき殺し屋の少年。彼はあまりの素行の悪さゆえに殺し屋の世界でも煙たがられており、居場所をなくしていた。そんな彼を雇ったのが、殺し屋のマネージメント業を行っている岩西。彼は少年に「蝉」という名前を与え、プロの殺し屋としての生き方を叩き込む。誰も信用せず一人で生きてきた蝉は、岩西との交流に戸惑いながらもプロの殺し屋として成長していく。

依頼されターゲットを殺すのがプロの殺し屋の仕事。どんなにアウトローな職業でも、プロである以上守るべきルールが存在する。報酬分の仕事は依頼人の要望通りこなさなくてはならないし、依頼人の不利益になることはしてはならない。しかしプロ意識が欠如している主人公の少年は、ただターゲットを殺すだけ。自分の気分が乗らなければ依頼人に逆らい、それを責められれば依頼人すら殺す始末。殺し屋の仲介業者もそんな人間に仕事を回そうとは思わない。少年は唯一できる仕事である殺し屋業もできなくなってしまう。そんな少年を何故か気に入り、彼を雇うことにしたのが岩西だ。岩西との出会いがきっかけで、蝉と名付けられた少年はプロ意識に目覚めていく。蝉の心の変化に注目してほしい。


『陽気なギャングが地球を回す』

『陽気なギャングが地球を回す』

出典:講談社

個性豊かな4人の銀行強盗が織りなす異色のクライム・サスペンス。他人の嘘を見抜くことができるリーダー・成瀬、言葉巧みな演説の達人・響野(きょうの)、スリの腕は一級品の久遠(くおん)、正確無比な体内時計の持ち主・雪子。特別な能力の持ち主である彼ら4人は、人を傷つけない銀行強盗だ。彼らは鮮やかな手口で数々の仕事を成功させてきたのだが、ある日思わぬ誤算が生じ、現金輸送車襲撃犯たちに盗んだ金を横取りされてしまった。4人は金を奪還すべく行動を開始する。

4人の出会いは銀行強盗に占拠された銀行の中。彼らは全員人質という立場だった。銀行強盗たちは、既に人質の半分を殺害。いつ殺されるかわからない極限状態の中、成瀬は冷静な声で「俺ならもっと巧くやる」と呟く。その言葉を聞いた他3人の胸に湧き上がったのは抑え切れない好奇心だった。無事生き残った彼らは成瀬をリーダーとした銀行強盗団を結成。現在では、それぞれの特殊能力とチームワークを駆使して、数々の銀行から大金を盗み出す生活を送っているのだった。本作では、銀行強盗で得た大金を横取りされた4人が自慢のチームワークで金を奪還しようと動き出したところ、死体や不可解な謎に遭遇するという、最初から最後まで目の離せない展開が続く。テンポがよく、一気読み必至の作品だ。


『グラスホッパー』

『グラスホッパー』

出典:KADOKAWA

妻を殺された男の復讐と、数々の殺し屋たちの思惑が交錯するサスペンス漫画。中学校の教師であった鈴木の平凡な毎日は、妻がある男の運転する車に轢かれて死亡したことで一変した。妻を殺した犯人は、親が権力者であったことから法で裁かれず、のうのうと生活を続けている。鈴木は犯人への復讐を決意。仕事を辞め、犯人の父親が経営する会社「フロイライン」に入社するのだが、そこは臓器売買やドラッグの販売など、非合法な仕事を行う会社だった。

鈴木の妻を殺した男は、総合商社フロイライン社長・寺原の息子。鈴木は、法で裁かれないのならば自らの手で寺原の息子を裁こうと、彼に近づくべくフロイラインに社員として潜入。違法薬物を美容商品と偽って販売する業務を行うことになる。激しい復讐心を抱いているとはいえ、元々は善良な一般市民である鈴木。犯罪行為に手を染めていることに心苦しさを感じてしまうのだが、そんな彼に疑惑の目を向ける者がいた。社長の寺原だ。鈴木は試験として人を殺すよう命じられ、監視役として寺原の息子が派遣される。しかし驚くべきことに、寺原の息子は鈴木の目の前で車に轢かれてしまった。鈴木の復讐はどうなってしまうのか。息を呑む展開が続くスリリングな作品だ。


『アイネクライネナハトムジーク』

『アイネクライネナハトムジーク』

出典:幻冬舎

普通の人々が生活の中で起こす小さな奇跡を描いた連作短編漫画。サラリーマンの佐藤は、妻子に逃げられ動揺した先輩社員のミスのとばっちりで、街頭アンケートに出されることになった。佐藤は1人で街を歩き回るのだが、アンケートに答えてくれる人はいない。自分を避けるようにして歩いていく周囲の人々に、寂しさを感じ始める佐藤。そんな彼の前に、アンケートに答えてくれる女性が現れた。なんてことないその出会いが、小さな奇跡へと繋がっていく。

『アイネクライネナハトムジーク』は伊坂幸太郎が珍しく手がけた恋愛小説だといわれており、漫画化にあたって作画を担当しているのは恋愛漫画の名手であるいくえみ綾だが、本作は単純な恋愛作品ではない。本作は6つの物語から構成されており、それぞれの物語は登場人物も時間軸もばらばら。しかし実は全ての物語がどこかでリンクしており、人との出会いとそれによって生まれる繋がり、繋がりによって動き出す運命に焦点が当てられている。作中、特別ドラマティックな出来事は起きない。しかし登場人物たちそれぞれの出会いがあちこちで絡み合い、また別の物語を形成していく様は、違うと思っていたパズルのピースが思いがけずぴったりとはまったような、静かな高揚感を与えてくれる。


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