劇画・長谷川伸シリーズ 瞼の母

劇画・長谷川伸シリーズ 瞼の母

昭和初期に発表された長谷川伸による戯曲を、小林まことが自身の漫画作品の登場人物に演じさせる「劇画・長谷川伸シリーズ」の第四弾。昭和五年に発表された戯曲『瞼の母』に、『直八子供旅』『頼まれ多九蔵』『殴られた石松』のエピソードを加味して描く。「イブニング」2013年15号から2014年6号にかけて連載された。

正式名称
劇画・長谷川伸シリーズ 瞼の母
ふりがな
げきが はせがわしんしりーず まぶたのはは
原作者
長谷川 伸
作画
ジャンル
時代劇
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概要・あらすじ

喧嘩千回一度も負けなしと恐れられる凄腕の渡世人・番場の忠太郎は、20年前の5歳の頃に生き別れになり、名前も顔もわからない母親を一目見るため全国を旅していた。さまざまな人と出会いながら旅を続ける忠太郎は、ついに母親かもしれないという人物の情報を得て、江戸は柳橋、水熊横丁の一家に店を構える「水熊」という高級料理茶屋へと足を運ぶのだった。

登場人物・キャラクター

番場の忠太郎 (ばんばのちゅうたろう)

喧嘩千回一度も負けなしと恐れられ、「番場の忠太郎」と名乗る25歳の渡世人。江州坂田の郡で六代続いた老舗の旅籠「おきなが屋」の一人息子だったが家が没落。父親は忠太郎の母親を借金の形に遊郭へ売り飛ばし、忠太郎が5歳の時に父親も酔って川に落ちて溺死した。その後、おきなが屋の番頭だった辰五郎に引き取られるが、8歳の時に家を出た。 生き別れになった顔も名前もわからぬ生みの母親を捜して、全国を旅している。演じるのは小林まことの『1・2の三四郎』などに登場する東三四郎。

金町の半次郎 (かなまちのはんじろう)

やくざになって一旗揚げようと考えている18歳の青年。実家は武州金町で瓦屋を営んでおり、母親と姉がいる。番場の忠太郎に命を救われて堅気に戻り、忠太郎を兄貴と呼び慕う。演じるのは小林まことの『格闘探偵団』に登場する美鈴亮。

おぬい

金町の半次郎の姉。武州金町の瓦屋の娘。巨乳で番場の忠太郎から初対面時に「いいちちしてる」と言われる。そんな忠太郎のように失礼な相手には、水をぶっかけたり、薪で顔をぶん殴るぐらいに気が強い。忠太郎の母親の情報を得た際、本人に伝えるためわざわざ上州まで出向いて行った心優しい女性。演じるのは小林まことの『1・2の三四郎』などに登場する北条志乃。

おむら

金町の半次郎、おぬいの母親。しつけに厳しい女性だが、読み書きのできない番場の忠太郎に丁寧に字を教え、自分の名前を書けるようにしてくれた。演じるのは小林まことの『へば! ハローちゃん』に登場するクラブ9ママ。

辰五郎 (たつごろう)

番場の忠太郎の実家である老舗の旅籠「おきなが屋」で番頭を務めていた男性。身寄りのなくなった5歳の忠太郎を引き取り、育ててくれた。8歳の時に忠太郎が家出し、それ以来会っていないが、忠太郎の母親の情報をおぬいに伝えた。演じるのは小林まことの『1・2の三四郎』に登場する参豪辰巳。

おはま

江戸は柳橋、水熊横丁の一家に店を構える「水熊」という高級料理茶屋の女主人。年齢は47、8歳。番場の忠太郎の母親。忠太郎が幼い頃、借金の形に遊郭へ売られていった。忠太郎は8歳の時にはやり病で死んだと聞かされている。その後、玉の輿にのり、お登世を生むが、旦那を亡くしている。死んだと思っていた忠太郎と20年ぶりに再会する。 演じるのは小林まことの『へば! ハローちゃん』に登場する秋ちゃん。

お登世 (おとせ)

おはまの娘。番場の忠太郎とは父違いの兄妹になる。近々縁談がまとまる予定の美しく、気の優しい町娘。演じるのは小林まことの『1・2の三四郎』に登場する東道子。

善三郎 (ぜんざぶろう)

おはまが主人を務める高級料理茶屋「水熊」の若い板前。料理の腕前は江戸一番との評判で、水熊の厨房を取り仕切っている。おはまに惚れており、自分に来た見合いや縁談の話を断っているという噂がある。演じるのは小林まことの『1・2の三四郎』に登場する田中敬三。

おとら

55歳の夜鷹。高齢のため客をとれず、いつも売れ残っている。水熊の店先で番場の忠太郎に出会い、のちに忠太郎の母親の情報を伝える。演じるのは小林まことの『へば! ハローちゃん』に登場する千夏ちゃん。

井桁の松三郎 (いげたのまつさぶろう)

おはまに言い寄る30歳ほどの優男。女を騙して金を巻き上げて生きているやくざ者で、騙されて死んだ女が十人以上、という噂がある。演じるのは小林まことの『格闘探偵団』に登場する伴隆文。

鳥羽田要助 (とばたようすけ)

飛んでいる蝶の羽だけを一瞬で斬るほどの凄腕の渡世人。百両の懸賞金がかかった番場の忠太郎を斬るためにやって来る。演じるのは小林まことの『1・2の三四郎』に登場する柳正紀。

クレジット

原作

長谷川 伸

構成

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