ダイヤのA actⅡ

ダイヤのA actⅡ

寺嶋裕二の『ダイヤのA』の続編。クセ球を得意とする沢村栄純が、野球の名門校で共に切磋琢磨し合える仲間たちと出会い、甲子園出場を懸けて日々奮闘する熱血青春ストーリー。本作『ダイヤのA actⅡ』では、成長し高校2年生になった栄純の、部に新入生の後輩を迎えてからの新たな戦いが描かれる。講談社「週刊少年マガジン」2015年38号から2022年48号まで連載。

正式名称
ダイヤのA actⅡ
ふりがな
だいやのえーす あくとつー
作者
ジャンル
野球
レーベル
講談社コミックス(講談社)
巻数
既刊34巻
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あらすじ

第1巻

昨年の秋に東京都大会を制した青道高校野球部は、7年ぶりに春の甲子園に出場した。初戦では甲子園出場の常連校である宝明高校を破り、全国の頂点を目指して快進撃を続けていく。だがそんな中、降谷暁ばかりがマスコミに注目されているのが面白くない沢村栄純は、ライバル意識をむき出しにしてはほかのチームメイトたちからたしなめられていた。降谷には負けていられないと練習にも力が入る栄純だったが、相変わらずスターティングメンバーのピッチャーには降谷が指名される。そして巨摩(こま)大藤巻高校の試合で降谷に凄まじい投球を見せつけられ、ブルペンから応援する事しかできない栄純は、改めて彼との実力差を思い知る事となった。

第2巻

ベスト8に進出した青道高校野球部の周囲は慌ただしくなり、野球部の練習にもますます熱が入っていた。そんなある日、小湊春市は心境の変化があったのか、長かった前髪をばっさりと切ってしまう。大胆なイメージチェンジに部員たちは驚愕するが、それは春市の新たな決意の表れだった。そして4月を迎え、野球部は新入生部員を迎える。春季東京都大会を迎えた野球部は御幸一也降谷暁の大活躍で敵チームを凌駕し、沢村栄純もようやく登板の機会を得る。着実に実力をつけている栄純は、試合において改めて自分の課題を見つめ直し、さらなる成長を遂げていく事となる。だがそんな中、昨年、青道高校野球部が最も苦渋を味わわされた稲城(いなしろ)実業高校の天才ピッチャー・成宮鳴もまた、恐ろしいまでに調子を上げて来ていた。

第3巻

打てない球はないと自負する轟雷市を完全に抑えた稲城実業高校は、薬師高校を完膚なきまでに叩きのめし、見事勝利を勝ち取った。稲城実業高校と薬師高校の試合を部員たちと共に分析しながら、沢村栄純は自分の配球ペースも見直す事で、さらなる地力をつけていく。そんな中、野球部のOBである結城哲也(ゆうきてつや)の弟・結城将司が、兄顔負けのピッチングを見せるようになって来た。それを受けて、コーチの落合博光は、1年生をレギュラーに起用する事でチームの活性化を図ろうと考える。

第4巻

春季東京都大会の準々決勝に進出した青道高校野球部は、春日一高校と対戦する。先発のピッチャーを務める事になった沢村栄純は、練習で磨き上げた多彩な球種を披露し、滑り出しは上々。だが、6回表に降谷暁と交代すると、降谷は得意のストレートで相手を三振に切って取り、観客をたちまち虜にしてしまう。栄純はピッチャーとして、降谷と自分とのあいだに大きな差がある事を改めて痛感する。その後、青道高校野球部は結城将司のホームランによってコールド勝ちを決め、準決勝に進出を果たす。そんな中、御幸一也は、この試合を通して降谷の中に何らかの心の変化を感じ取り、自主練を通じて降谷に近づこうと試みる。だが栄純は、そんな御幸の行動に自分を後回しにされたように感じ、複雑な思いを抱く。

第5巻

市川大学第三高等学校との試合において、青道高校野球部は、その堅い守備の前に苦戦を余儀なくされていた。そんな中、凄まじい投球を見せていた降谷暁だったが、ふとした事から一気に崩れ、3点差をつけられてしまう。これ以上の点差は取り返しがつかなくなると判断した片岡鉄心は、投手を沢村栄純に交代させ、巻き返しを図る。栄純の好リリーフによりそれ以上引き離される事はなかったものの、青道高校野球部は最後まで粘りを見せた市川大学第三高等学校に完封され、敗北を喫する。

第6巻

降谷暁の抱えるプレッシャーに気づいていた片岡鉄心落合博光は、降谷の可能性を信じ、改めて仕切り直すいい機会だと意志を確認し合う。そして片岡は部員たちを集め、背番号を一旦白紙にする事を告げるのだった。この一件を経て部員たちは、試合に負けたあとも十分な気合いを保っていた沢村栄純に負けまいと全員で鼓舞し合い、チームはますます結束を強くする。

第7巻

青道高校野球部では、上級生と新入生の紅白戦を行う事になった。そこで、奥村光舟浅田浩文の1年生バッテリーが予想外の活躍を見せる。1年生は、最終的には3年生に15点差をつけられ徹底的に叩きのめされてしまうものの、士気を高めて試合に臨む事で、今まで自分たちでも気づかなかった実力を互いに引き出し合う事に成功。この紅白戦により、大きな新戦力が発掘される事となった。これにより、紅白戦で数人の1年生が一軍に引き上げられるが、代わって二軍落ちした一部の2年生たちは苦悩する事となる。こうして多くの部員たちの思いが揺れ動く中、沢村栄純降谷暁となるべく行動を共にする事で、ピッチャーとしての何かを摑もうとしていた。

第8巻

白龍高校との試合を迎えた青道高校野球部の気合いの入り方は十分だった。そんな中、エースの座がほしいと願い続けて来た沢村栄純は、マウンドに立ち、これまで自分がいかに大きなチャンスをもらっていたかを痛感していた。多くの部員達に支えられている事を自覚した栄純は、最高のピッチングを見せる事こそが、今の自分にできるすべてだと奮起。そしてこの試合を見事制し、栄純はピッチャーとして大きな成長を遂げるのだった。だが一方で、力み過ぎて無理なバッティングをした降谷暁は、積極性をはき違えた傲慢なプレーはチームに必要ないと、片岡鉄心に一蹴されてしまう。

登場人物・キャラクター

沢村 栄純 (さわむら えいじゅん)

野球の名門・青道高校に通う2年生の男子。青心寮にて寮生活を送っており、先輩の倉持洋一はルームメイト。中学時代は廃校が決まった最弱の野球部で活動していたが、たまたま最後の試合を見ていた青道高校野球部の副部長にスカウトされ、柔軟な手首を生かしたムービングファストボールを投げられる才能と未知の可能性を買われて青道高校に入学する。 念願の野球部に入部するが、もらった背番号はチーム最下位となる18番。同じ1年生で天才ピッチャーと名高い降谷暁につねに先を越されてきた。いつも悔しい思いをしながらも、持ち前の粘り強さと根性でチームにくらいついてきており、ごく稀に突出した才能の片鱗を見せる事がある。お調子者で大口を叩く事からチームメイトたちにはよくからかわれているが、人一倍まっすぐなところだけは誰からも認められている。 試合中にデッドボールを当ててしまった事が原因でイップスに陥り、一時は内角にボールを投げられなくなる状態になるも、部員たちの熱心な支援もあって何とか克服に至った。2年生になってからは、チームの根幹を担う選手の一人として片岡鉄心や部員たちからも認められ始めている。 以降は多少の責任感も持ち始め、何かと反抗的な態度を取る後輩の奥村光舟に対し、説教をするまでになった。

降谷 暁 (ふるや さとる)

北海道出身で野球の名門・青道高校に通う2年生の男子。他の追随を許さない圧倒的なピッチングで、1年生にしてレギュラーに指名され、数々の試合で超高校級のプレーを見せつけてきた。また優れたバッティングセンスも持ち合わせており、マスコミからも注目されている。チームメイトたちが呆れるくらいのマイペースな性格のクールガイで、熱血漢の沢村栄純とは好対照。 長時間の試合で投球し続けた経験が少なくスタミナ不足のため、試合が長期戦になるとピッチングバランスを崩しやすいという欠点を持つ。

小湊 春市 (こみなと はるいち)

野球の名門・青道高校に通う2年生の男子。卒業生で野球部OBの兄・小湊亮介に憧れて野球を始めたが、つねに自分の先を行く兄になかなか追いつけなかった。ポジションはセカンド。小柄であまり目立たない選手だが実は努力の天才で、高打率のバッティングは亮介にもひけを取らないほどのレベルに達している。長い前髪で目が隠れており、なかなか表情は読めないが、落ち着いた性格で沢村栄純を陰ながらサポートする。 金属バットは使わないのがポリシーで、つねに木製のバットを愛用している。

御幸 一也 (みゆき かずや)

野球の名門・青道高校に通う3年生の男子。野球部ではキャプテンを務め、ポジションはキャッチャー。背番号は2番である。ドラフト候補選手で、1年生ですでにプロの球団から注目を集めていた。キャッチャーとしての強肩もさる事ながら、バッティングスキルにも長けており、野球に関してはこれといった欠点が見当たらない。視力があまりよくないため普段から眼鏡をかけ、試合中も度が入ったゴーグルを装着している。

倉持 洋一 (くらもち よういち)

野球の名門・青道高校に通う3年生の男子。野球部では副キャプテンを務めており、御幸一也を支える頼もしい存在。ポジションはショート。全国でもトップクラスと名高い俊足の持ち主で、相手ピッチャーによって打席を変えるスイッチヒッターである。青心寮にて寮生活を送っており、後輩の沢村栄純と同室である。明るい性格で、野球部のムードメーカーとして頼りにされている。 小湊春市の兄である小湊亮介を憧れの存在として崇拝している。

川上 憲史 (かわかみ のりふみ)

野球の名門・青道高校に通う3年生の男子。経験豊富なピッチャーの一人として沢村栄純と降谷暁をサポートする。おとなしい性格だが、いざというところで勝負強いピッチングをする事から片岡鉄心からも高く評価されている。自分はつねに二番手というコンプレックスを持っているが、精神的に安定しており、その粘り強さから同じピッチャーである栄純や降谷からも厚い信頼を得ている。

結城 将司 (ゆうき まさし)

野球の名門・青道高校に通う1年生の男子。かつて青道高校野球部の主将として、チーム内でも不動のレギュラーだった結城哲也(ゆうきてつや)の弟。兄に匹敵する抜群のピッチングセンスを持ち、1年生にして早くも頭角を現す。マイペースな性格で、多少の事があっても動じないタフな精神力の持ち主。

奥村 光舟 (おくむら こうしゅう)

野球の名門・青道高校に通う1年生の男子。ポジションは捕手だが挑戦的な態度で、チームメイトともあまりうまくいっていない。沢村栄純とも折り合いが悪く、事あるごとに説教をされている。そんな中、少しずつではあるが、栄純と練習を重ねていくうちに彼の事を認めるようになっていく。

由井 薫 (ゆい かおる)

野球の名門・青道高校に通う1年生の男子。小柄な選手ではあるものの、中学の頃は正捕手として全国でも名を馳せた選手だった。降谷暁の球を受けたいといつも思っているが、肝心の降谷は御幸一也に受けてもらう事しか考えておらず、なかなか機会に恵まれなかった。試合中も先輩の様子を熱心に観察するなど、向上心が高い1年生としてチーム内でも高く評価されている。

浅田 浩文 (あさだ ひろふみ)

野球の名門・青道高校に通う1年生の男子。目が悪いため眼鏡をかけており、ひ弱で痩せている事から高校球児の理想的な体型からはかけ離れている。当初はいつもおどおどして過ごしていたが、少しずつ寮生活に慣れ始め、自分の居場所を見つけつつある。皆を引っ張るようなタイプではないが、おっとりした雰囲気で、チームのいいムードメーカーとなっている。

片岡 鉄心 (かたおか てっしん)

野球の名門・青道高校で野球部の監督を務める男性。校内では監督だけではなく、教師として生徒達に国語を教えている。青道高校野球部のOBで、プロ野球の入団オファーを断り、野球部の監督になる事を自ら志願した。鬼のような形相で部員たちからは恐れられているが、本当は誰よりも部員たちの事をよく見ており、一人一人について深く考えている。

落合 博光 (おちあい ひろみつ)

片岡鉄心の代わりとして青道高校野球部に赴任して来た中年の男性。いい加減そうに見えるが、実は野球の名門校で20年以上も指導してきた実績がある。選手の隠れた特性を見抜き、それを確実に伸ばす事ができる確かな指導力の持ち主。片岡の人望にはかなわないと一度は野球部を去りかけたが、片岡の補佐役としてコーチに就任する。

本郷 正宗 (ほんごう まさむね)

巨摩(こま)大藤巻高校野球部でピッチャーを務める2年生の男子。愛想が悪く、マスコミからのインタビューを受けても横柄な態度を取る事しかできず、監督からも呆れられている。一方で実力は高く、つねに時速150キロメートル以上を計測する剛速球と「伝家の宝刀」と評される切れ味鋭いスプリットで、熱心な高校野球ファンから高い評価を得ている。 また負けん気が強く、その不屈の闘志は監督からも一目置かれている。

轟 雷市 (とどろき らいち)

薬師高校の野球部に所属する2年生の男子。野球部の監督を務める父親に子供の頃から野球の英才教育を受けてきており、どんな球も打ち返すという驚異的なバッティングスキルはすでにプロの領域に達しており、全国でも恐れられている。野球と食べ物以外にはまったく興味がなく、少年のように無邪気な性格である。

前作

ダイヤのA (だいやのえーす)

己の力を試すため、野球名門校・青道高校の扉を叩く沢村 栄純。そこには己のすべてをかけた誇り高き球児達がいた。野球部の仲間たちと日々、切磋琢磨しながらエースを目指して成長していく姿を描く。公式紹介文は「... 関連ページ:ダイヤのA

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書誌情報

ダイヤのA act2 34巻 講談社〈講談社コミックス〉

第1巻

(2015-11-17発行、 978-4063955477)

第2巻

(2016-02-17発行、 978-4063955989)

第3巻

(2016-05-17発行、 978-4063956672)

第4巻

(2016-08-17発行、 978-4063957099)

第5巻

(2016-10-17発行、 978-4063957822)

第6巻

(2017-02-17発行、 978-4063958225)

第7巻

(2017-04-17発行、 978-4063959154)

第8巻

(2017-07-14発行、 978-4065100363)

第9巻

(2017-09-15発行、 978-4065101926)

第10巻

(2017-12-15発行、 978-4065103890)

第11巻

(2018-03-16発行、 978-4065109717)

第12巻

(2018-06-15発行、 978-4065116685)

第13巻

(2018-08-17発行、 978-4065119877)

第14巻

(2018-11-16発行、 978-4065129968)

第15巻

(2019-01-17発行、 978-4065134894)

第16巻

(2019-04-17発行、 978-4065152980)

第17巻

(2019-06-17発行、 978-4065151402)

第18巻

(2019-08-16発行、 978-4065166659)

第19巻

(2019-10-17発行、 978-4065171653)

第20巻

(2020-01-17発行、 978-4065175507)

第21巻

(2020-04-17発行、 978-4065185575)

第22巻

(2020-07-17発行、 978-4065191798)

第23巻

(2020-09-17発行、 978-4065206010)

第24巻

(2020-11-17発行、 978-4065212554)

第25巻

(2021-02-17発行、 978-4065216859)

第26巻

(2021-04-16発行、 978-4065225172)

第27巻

(2021-07-16発行、 978-4065235874)

第28巻

(2021-08-17発行、 978-4065244821)

第29巻

(2021-12-17発行、 978-4065260036)

第30巻

(2022-03-17発行、 978-4065268964)

第31巻

(2022-06-17発行、 978-4065279175)

第32巻

(2022-12-16発行、 978-4065291351)

第33巻

(2023-02-17発行、 978-4065303511)

第34巻

(2023-05-17発行、 978-4065312872)

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