概要・あらすじ
漫画家の弘兼憲史は、映画マニアにしてグルメということでその名を知られていたが、漫画の仕事が忙しすぎて、なかなか出かけることができずにいた。そこで弘兼は、映画とグルメの紹介漫画を描くことで、趣味をそのまま仕事にしてしまおうと一計を案じる。こうして、弘兼の作品「島耕作」シリーズに登場する人気キャラクターであり、スマートな大人の魅力を持つ島耕作と、毒舌でわがままな弘兼のコンビでの、映画評とレストラン巡りが始まる。
登場人物・キャラクター
島 耕作 (しま こうさく) 主人公
キャラクター紹介『島耕作シリーズ』の主人公。1947年9月9日生まれ。1970年に大手電器メーカー初芝電器産業に入社した団塊世代のエリート。派閥争いに巻き込まれて左遷されることも多いがそれを糧に変える... 関連ページ:島 耕作
弘兼 憲史 (ひろかね けんし)
映画マニアでグルメを自負する漫画家。背が低く、眼鏡をかけたひげ面の中年男性。作者である弘兼憲史がモデルで、自身の生み出した人気キャラクターの島耕作とともに、映画と食事を楽しみながら批評していく。映画は硬派なものを好み、コメディや恋愛ものはあまり好きではない。島との食事中には、酒を飲み過ぎて酔っている隙に、島に置いて行かれることが多い。 島の恋人からは「ヒゲの人」と呼ばれている。
君塚 章子
シネセゾンの社員の若い女性。ショートカットにつぶらな瞳、シンプルな服装の地味な雰囲気の持ち主。映画『満月の夜』の試写に訪れた島耕作が、そのタイトルから「狼男が出るのか」という質問をした際、「もっと大人向けの映画だ」と憤慨した。
堀越
コロムビア映画の男性社員。七三分けの髪型で眼鏡をかけ、ボーダーのシャツというややオタクっぽい容姿。試写室のある兼坂ビルディングを訪れた弘兼憲史に「汚いビル」と言われた際には、日本文化の発祥地でもあり、由緒あるビルだと猛烈に抗議するなど、熱い性格の持ち主。映画『スタンド・バイ・ミー』の試写の担当をする。
鈴木 千恵子
ワーナー・ブラザースの女性社員。垂れ眉に吊り目のややふくよかな人物。映画『プラトーン』の試写の担当をする。大注目作ということもあり、島耕作と弘兼憲史が試写開始30分前に会場を訪れた時点で、座席はいっぱいだった。しかし、鈴木千恵子自身が島のファンだからという理由で、無理やり中央の良席を都合する。
早川
UIP映画の宣伝担当の中年男性社員。映画『摩天楼はバラ色に』『アンタッチャブル』の試写の担当をする。オールバックに太い眉、厚い唇のややくどい風貌をしている。『摩天楼はバラ色に』の試写前に、「コメディなんて当たらない」と島耕作に言われて一瞬絶句するが、笑顔で饒舌に宣伝を続ける不屈の精神の持ち主。
谷中
(株)マンハッタンピープルの若い女性社員。映画『眺めのいい部屋』『女たちのテーブル』の試写の担当をする。ショートカットの髪型に垂れ目、そばかすのある個性的な顔立ちだが、結婚が決まってからは急に綺麗になる。映画『インドへの道』を「鼻もちならない白人主義」と酷評した弘兼憲史に対し、なんてことを言うのかと、峰岸(マンハッタンピープル)と一緒に糾弾するなど気の強い性格。
峰岸(マンハッタンピープル)
(株)マンハッタンピープルの若い女性社員。映画『眺めのいい部屋』の試写の担当をする。ロングヘアで両サイドと中央の3か所を小さなリボンで結んでいる。映画『インドへの道』を「鼻もちならない白人主義」と酷評した弘兼憲史に対し、なんてことを言うのかと、谷中と一緒に糾弾するなど気の強い性格。峰岸(日本ヘラルド映画)と酷似しているが、同一人物かどうかは不明。
古矢 淳子
ワーナー・クリエイティブの女性社員。映画『ラジオ・デイズ』の試写の担当をする。ロングヘアでウェーブのかかったボリュームのある髪形をしている。ニューヨークでウディ・アレンと会ったことがあり、ウッディの悪口を言った弘兼憲史に平手打ちを喰らわすなど、非常に気の強い女性。
峰岸(日本ヘラルド映画)
日本ヘラルド映画(株)の若い女性社員。映画『黄昏に燃えて』の試写の担当をする。ロングヘアで両サイドと中央の3か所を小さなリボンで結び、大振りの黒ぶち眼鏡をかけている。本作『島耕作の優雅な一日』で取り上げられた作品はヒットすることが多く、今回も当たるのではと期待を寄せている。峰岸(マンハッタンピープル)と酷似しているが、同一人物かどうかは不明。
石田 直子
エースピクチャーズの宣伝プロデューサーの女性。映画『アンダーグラウンド』の試写の担当をする。ロングヘアで大振りな細い眼鏡をかけた、非常に饒舌な人物。自分で自分のことを「売り出し中のプロデューサー」と発言するなど明るい性格。「ユーゴの天才」と呼ばれるエミール・クストリッツァ監督について語り出すと止まらなくなり、途中で寝てしまった弘兼憲史を殴りつけるなど、情熱的過ぎる一面を持つ。
野口
渋谷道玄坂の本格イタリア料理店「ローマ・サバティーニ」で店長を務める中年男性。清潔感のある容姿で、本場のイタリア料理の説明をする。ローマの本家「サバティーニ」のオーナーと懇意で、まだ「イタメシ」の言葉もなかったイタリア料理不毛時代の日本に店を開いた。日本人向けにアレンジをしない、生粋のイタリア料理を取り扱う。
広田
新橋の一流ステーキ店「麤皮(あらがわ)」の総支配人。頬がこけ、細身にダブルのスーツをまとった男性。ステーキ肉の品種、産地、熟成、味付けなどについて、弘兼憲史らに詳細に説明する。
渡辺 昭
上野の有名とんかつ店「平兵衛」の三代目店主。オールバックの髪型で、ぼそぼそとつぶやくようにしゃべる中年男性。厚さ3cmの肉を超低温でじっくり揚げながら、「平兵衛」のとんかつは他店のそれとはまったく別の食べ物であることを、島耕作と弘兼憲史にとうとうと語る。
関連
島耕作シリーズ (しまこうさくしりーず)
大手電機メーカー初芝電器産業に務める島耕作が課長から社長へと昇進して活躍する約30年間を描いた弘兼憲史の代表的シリーズ作品。初期はサラリーマンの悲哀、オフィスラブを中心にした物語だったが、出世するにつ... 関連ページ:島耕作シリーズ