概要・あらすじ
深草丘十郎は父の仇を討つため新撰組に入隊する。謎を秘めた少年剣士鎌切大作とともに修行に励みつつ、仇を探し歩く日々を送る丘十郎。やがて隊士として戦う中で、自らも親の仇としてつけねらわれるようになる。修行を重ね、ついに仇討ちを果たすも、なぜ人を斬るのか、という疑問が膨らんでいくのであった。
登場人物・キャラクター
深草 丘十郎 (ふかくさ きゅうじゅうろう)
土佐なまりの武士に父を殺され、仇討ちのために新撰組に入隊する。仇を探しながら、隊士として戦う中で、自らも親の仇としてつけねらわれるようになる。坂本龍馬と出会い、仇討ちなどやめて広い世界を見よ、と諭される。修行を重ね、ついに仇討ちを果たすも、なぜ人を斬るのか、という疑問が膨らんでいく。
近藤 勇 (こんどう いさみ)
新撰組の局長。酒乱の芹沢鴨を諌め、深草丘十郎をかばう。歴史上の実在の人物、近藤勇がモデル。放埒無頼の行いを繰り返す芹沢鴨を暗殺するよう、京都守護職より命ぜられ、ともに戦ってきた仲間だけに苦しむが、深草丘十郎と鎌切大作によって、図らずも暗殺は成し遂げられる。
内山 彦次郎 (うちやま ひこじろう)
実在の人物、内山彦次郎がモデル。西町奉行所、松平大隅守(まつだいらおおすみのかみ)の与力。芹沢鴨と力士たちとの乱闘を取り調べ、乱闘を止めようとした深草丘十郎、鎌切大作を若者として頼もしく感じる。しかし、芹沢鴨らの恨みを買い、闇討ちにあって斬殺された。路上に伏す亡がらを深草丘十郎、鎌切大作が発見する。
鎌切 大作 (かまぎり だいさく)
神道無念流免許皆伝の腕を持つ少年。甘いものに目がなく、しるこ屋通いをする。深草丘十郎と同期入隊として、また、同じ年頃の青年として親友となる。つねに、謎を持つ雰囲気を漂わせる。
芹沢 鴨 (せりざわ かも)
実在の人物、芹沢鴨がモデル。新撰組の局長。酒乱で数々の暴挙をはたらく。深草丘十郎と鎌切大作によって討たれる。
沖田 総司 (おきた そうじ)
天然理心流免許皆伝。歴史上の実在の人物、沖田総司がモデル。入隊したばかりの深草丘十郎に剣道における「自然体」を教える。また、深草丘十郎と鎌切大作が芹沢鴨を斬ったことを見抜き、近藤勇に口添えをする。
坂本 龍馬 (さかもと りょうま)
仇討ちに執着する深草丘十郎に、広い視野を持つように助言をする。歴史上の実在の人物、坂本龍馬がモデル。
庄内 半蔵 (しょうない はんぞう)
土佐藩の武士。裏切り者を追って深草丘十郎の長屋へ切り込み、逃げ込んできた武士をかくまった深草丘十郎の父をも斬り殺す。後に父の仇として深草丘十郎に討たれる。
松永 八重 (まつなが やえ)
松永主計の娘。アメリカ製の短銃(たんづつ)を持ち、深草丘十郎を父の仇としてつけ狙う。名刀村雨丸の使い手仏南無之介に思いを寄せられ、その助力によって深草丘十郎を討とうとする。
仏南 無之介 (ほとけな むのすけ)
松永八重に思いを寄せ、助太刀する浪人。名刀「村雨丸」を持つ剣豪。深草丘十郎をたびたび窮地に落とすも、討ち果たすのは松永八重であるとして、刀を引く。
松永 主計
新撰組の隊員だが、長州の間者であったため、襲われて深草丘十郎に斬られる。歴史上の実在の人物、松永主計がモデル。
集団・組織
新撰組 (しんせんぐみ)
『新選組』で深草丘十郎が入隊した治安維持のための組織。京都守護職の支配下にあり、勤王派の活動で治安が悪化していた京都の警備の任にあたる。
場所
しるこ屋 (しるこや)
甘い物に目がない鎌切大作のいきつけの店。おしるこを20杯食べるとタダになる。
その他キーワード
村雨丸 (むらさめまる)
『新撰組』に登場する日本刀。伊勢国の村正が作った名刀。刀の霊気が一瞬の錯覚を起こして、霧を呼び雨を降らすように感じる。仏南無之介が所持。