男樹

男樹

北陸のヤクザの組長の私生児に生まれた村田京介が男を磨き、極道の世界で頂点に立つまでを描いたヤクザ漫画。『男樹』シリーズの第一作目。

正式名称
男樹
ふりがな
おとこぎ
作者
ジャンル
マフィア・ギャング・ヤクザ
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概要・あらすじ

北陸の名門ヤクザ村田組組長の私生児として生まれた村田京介。彼の母親志津子は日本電力界の大物・神江龍太郎のひとり娘で、京介の出生には秘密があった。硬派な高校生に成長した京介だったが、喧嘩が原因で少年院に送られてしまう。この時、父親の村田正三は村田組幹部の裏切りにあい射殺され、母・志津子も心労のあまり倒れてしまう。

数年後、少年院を出所した京介は、母・志津子が自分の名を叫びながら死亡したことを知る。母が生きた証しに自分がでかい男になることを決意した京介は、数年後、金沢で初代村田京介の看板を上げることとなる。この後、北陸を牛耳っていた四国連合会伊達組と事を構えることになった京介は、父親が四代目をはっていた村田組に乗り込み、村田組五代目を襲名。

一気に伊達組を北陸から駆逐した。だが最後に伊達組の斬込隊長尾崎に拳銃での一対一の勝負を挑まれ、彼を射殺。5年の刑を宣告され、刑務所に収監される。出所後、構成員7800人の北陸連合初代会長に就任。

関東の3長老を後見人とし、村田組は関東に進出することとなった。しかし、神戸安西組次期組長安西誠を暗殺した容疑がかかり、村田組は窮地に立たされる。全ての絵を描いた四国伊達組組長伊達宗太郎の首をとるべく、京介は200名の組員とともに伊達組に最後の戦いを挑む。

登場人物・キャラクター

村田 京介 (むらた きょうすけ)

村田組五代目組長。北陸連合初代会長。金沢の極道・村田組4代目組長村田正三の私生児として生まれる。左目の下に傷のある風貌。中学、高校と番を張り、硬派として鳴らすが、高校三年の時、後に妻となる新藤久美子と出会い関係を持つ。その後、網引の硬派柳完治との喧嘩で少年院に収監される。 少年院から出所後、祖父母の元で自分の名を叫びながら亡くなった母のことを知り、母親が生きた証しに自分がでかい男になることを誓った。この後、柳完治を子分に金沢の網引で初代村田京介の看板を上げ、極道となる。北陸に進出していた四国連合の伊達組との抗争をきっかけに、父が組長であった村田組の五代目を襲名。 一気に伊達組を北陸から駆逐した。その後、刑務所に収監されたが、数年後出所。出所後、構成員7800人の北陸連合初代会長に就任した。その後、神戸安西組次期組長安西誠暗殺の容疑がかかり窮地に立つが、四国連合会伊達組組長伊達宗太郎との抗争に勝利し、自身の潔白も証明されたことで、日本極道の首領(ドン)の座を約束された。 新藤久美子との間に一子村田京太郎をもうけたが、久美子の家出により、一緒には暮らしていない。

神江 志津子 (かみえ しづこ)

村田京介の母。村田組4代目組長・村田正三の内縁の妻。大日本電力会長・神江龍三郎の娘。高校生の時、村田組組員だった正三に襲われ妊娠する。その後、妊娠が発覚した神江志津子は正三追って北陸にたどり着き、京介を産んだ。ふたりのためにカタギになることを誓った正三だが、その条件として敵対する組の組長を襲うことを指示され、結果、5年間の懲役に課されることとなる。 しかし、出所後正三は村田組3代目組長の娘婿に迎えられ、4代目を継ぐことを余儀なくされる。内縁の妻となった志津子だが、正三を恨むことなく、京介を育て上げることを決意する。しかし、高校生3年生となった京介は喧嘩により逮捕されてしまい、時を同じくして、正三も村田組幹部の裏切りにあい命を落としてしまう。 心労の重なった志津子は意識を失い、消息を突き止めた父親龍太郎に引き取られることとなった。その後、体調は回復せず、少年院から出所した京介に会うこともできず、志津子は息を引き取った。

村田 正三 (むらた しょうぞう)

村田京介の父親。金沢を本拠とする村田組四代目組長。元の名は山崎正三で村田組の一組員であった。20歳の頃、まだ高校生だった神江志津子を襲って妊娠させるが、京介の出産を機にカタギになることを誓う。カタギになる条件として、敵対する組長を襲って重傷を負わせ、5年間刑務所に服役する。 出所後、村田組組長の命で娘婿となることを強要され、やむなく村田組四代目組長を襲名。その後、志津子を内縁の妻とし生活の面倒を見た。敵対するヤクザ組織の襲撃で交通事故にあった事がきっかけで京介と再会するが、ふたりが顔を合わせたのはこれが最後となった。その後、四国連合会伊達組伊達宗太郎七代目組長襲名披露に出向いた先で、村田組幹部の裏切りにより暗殺された。

柳 完治 (やなぎ かんじ)

網引で硬派をはっていた巨漢。高校三年生の時、村田京介と喧嘩をして敗れる。京介はこの喧嘩により少年院送りとなるが、それは柳完治の望んだことではなく、この事件をきっかけに京介の子分となった。京介出所後はふたりで土方をしていたが、数年後、金沢の網引で京介と共に「初代村田京介」の看板を上げ、極道となった。 京介が北陸連合結成後は敦賀に事務所を構え、伊達組の尖兵大石と向き合ったが、抗争の末死亡した。京介が最も信頼し、死亡の折に彼が唯一涙を見せた男であった。

神江 龍三郎

村田京介の祖父。神江志津子の父親。大日本電力の会長職にあり、日本電力界の父とまで呼ばれた人物。行方不明となった娘・志津子の消息をずっと調べてさせていた。志津子が失踪するきっかけは京介を身ごもったことにあると考え、その存在をずっと否定していた。しかし、最後には、自分の引退と引き替えに、安西誠殺しの嫌疑で窮地に立った京介を救った。

伊達 宗太郎

四国連合会伊達組七代目組長。六代目組長である父の死亡により、大学を中退して跡目を継いだ。日本の極道を統一する野望を持つ。石油備蓄基地を作る利権に食い込み、北陸に進出するが、村田組五代目を継いだ村田京介によって撤退を余儀なくされた。その後神戸の安西組と同盟を組むが、風下に立つことを嫌い、次期組長である安西誠を北陸小松空港で暗殺し、村田組の仕業と見せかけた。

市井

四代目村田組系大心会組長。村田京介が高校生の頃から親しく付き合った。金沢の網引を縄張りとしていたが、京介を少年院に送った刑事の片腕を切り落とした事で逃亡の旅に出た。京介が網引で「初代村田京介」の看板を上げた時、いち早く駆けつけ、シマを奪った男を斬った後、縄張りを京介に譲り、懲役に出た。 出所後は村田組の幹部となった。

木戸 (きど)

村田京介の幼馴染み。中学、高校と京介を頭にして番をはった。高校卒業後は漁師をしていたが、京介が金沢の網引で極道の看板を上げた事を知り、勝タマオとともに杯をもらいに駆けつけた。その後は京介の側近として活動。柳完治を殺害した大石達次郎を日本刀で斬り、仇をとった。

勝タマオ (かつたまお)

村田京介の幼馴染み。中学、高校と京介を頭にして番をはった。高校卒業後は実家の酒屋を手伝っていたが、京介が金沢の網引で極道の看板を上げると、木戸と共に子分となるべく駆けつけた。その後、伊達組尾崎満を単独で銃撃したが失敗。重傷を負って入院した。

新藤 久美子 (しんどう くみこ)

村田京介の妻。父親は石川県警の警部。京介の初恋の相手で、高校三年の時に関係をもった。その後京介と離れ、東京の大学に進学して小学校教師の資格をとる。京介が金沢の網引に帰ってきたことを機に復縁。その後妊娠するが、子供を極道の世界で育てることを良しとせず、京介が服役中に行方をくらませた。 その後、一子京太郎を出産。翻訳の仕事をしながら養育した。

鉄幹和尚 (てっかんおしょう)

村田京介が高校時代から親交のある地元の寺の坊主。説教がましいことは言わないが、時折心に響く言葉で京介に道を示す。京介が金沢の網引で事務所を開いた時、「初代村田京介」の看板を檜の一寸板に書いて提供した。

尾崎 満 (おざき みつる)

四国連合会伊達組系尾崎組組長。伊達組の斬込隊長として北陸に乗り込み、村田組の内紛につけ込んで傘下とした。しかし先代実子の村田京介が村田組五代目を継いだことから劣勢に立ち、北陸から撤退を余儀なくされる。その後けじめをつけるべく京介と拳銃での一対一の勝負を行い、胸を撃ち抜かれて死亡した。

安西 誠 (あんざい まこと)

西日本最大の極道組織神戸安西組四代目実子。安西組次期組長。四国連合会伊達組組長伊達宗太郎の六分四分の兄弟分。伊達宗太郎を右腕に村田京介を左腕にして、日本中の極道を一本の代紋にまとめ上げようとした。しかし安西組の風下に立つことを良しとしない伊達宗太郎の策謀により、北陸小松空港で狙撃されて死亡する。

安西 夕子 (あんざい ゆうこ)

西日本最大の極道組織神戸安西組次期組長安西誠の血のつながらない妹。安西誠の愛人でもあった。松山で一度すれちがった村田京介に懸想し、夫婦になることを希望した。これを承諾した安西誠は夕子を連れて北陸に赴いたが、伊達宗太郎の策略により小松空港で狙撃され死亡する。 狙撃を村田組の仕業とした安西夕子は、安西組を指揮して村田組に抗争をしかけた。

村田 京太郎 (むらた きょうたろう)

村田京介の息子。極道の子供として育てることを良しとしなかった母親村田久美子によって女手一つで育てられた。幼少時からワンパクで、千葉県房総の中学でも入学式早々同級生に喧嘩をふっかけた。

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