概要・あらすじ
2歳時から子方として古典芸能の世界で生きてきた榊原憲人は、22歳の時、自身の祖父でもある能楽師・六世相葉左右十郎の内弟子となり、以後、一流の能楽師になるべく稽古に励んでいた。やがて内弟子を卒業し、一人前の能楽師として独立した憲人だったが、芸の道はまだまだ始まったばかりだった。
登場人物・キャラクター
榊原 憲人 (さかきばら のりと)
シテ方能楽師。2歳の頃から子方として古典芸能の世界で育ち、祖父の六世相葉左右十郎の内弟子となった後、独立。海外公演やドラマの出演など、能楽を中心にして徐々に活動の幅を広げる。ドラマ出演で知り合った宮本葉月に恋愛感情を抱くようになり、葉月に告白。紆余曲折を経て、葉月と交際することになる。 名前の読み方は「のりと」だが、身近な人からは「けんと」と呼ばれている。
相葉 尋人 (あいば ひろと)
能楽師。相葉左右十郎家の現当主で、演能団体・創風会の責任者であり、東京に所有している舞台・連雀能舞台の芸事責任者でもある。榊原憲人の母方の祖父であり、師匠にあたる人物。息子の相葉匠人に七世相葉左右十郎を襲名させ、自身は相葉泰一の名を襲名した。
相葉 匠人 (あいば たくと)
榊原憲人の母方の伯父で、子方時代の憲人の師匠。父の相葉尋人から七世相葉左右十郎の名前を襲名し、相葉左右十郎家次代当主となる予定。しかし、息子の相葉海人と憲人のどちらに代を継がせるのかは決めていない。
榊原 西門 (さかきばら さいもん)
榊原憲人の弟。大学生。5歳の頃から父方の榊原本家に養子に出ていたが、現在は紆余曲折を経て実家に戻っている。神主の資格を持つが、卒業後は美容師を目指している。成田美名子の漫画作品「NATURAL」では主要な登場人物。
榊原 彩紀 (さかきばら さいき)
榊原憲人・榊原西門の妹。登場時は高校3年生で、後に大学に進学。森澤楽をはじめ、連雀能舞台に通う内弟子に好意を抱かれている。
相葉 海人 (あいば かいと)
相葉匠人の息子で、榊原憲人の従兄弟。子方として能に励んでいるが、舞台に出ることにプレッシャーを感じたり、憲人と自分のどちらが相葉左右十郎を襲名するのかを気にするなど、悩むことも多い多感な少年。産まれる前の妹と会話をしたり、憲人の怪我を予知するなど不思議な能力も持つ。
森澤 楽 (もりさわ がく)
創風会所属の能楽師・森澤陸の息子。高校卒業後、内弟子となり連雀能舞台に住み込むようになる。榊原憲人の弟弟子にあたる。生まれつき茶髪で色白なため、西洋人と間違われるような風貌をしており、当人の無愛想な性格も災いして能の世界では反発されることも多い。過去に人が残した強い思いを、場所から感じ取る不思議な能力を持つ。
宮本 芳年 (みやもと ほうねん)
狂言師でドラマにも出演している有名人。真顔でウソをついたり、公演で海外のホテルに泊まっている榊原憲人に国際電話をかけるなど、いたずら好きな性格。芸名は「ほうねん」だが、本名は「よしとし」と読む。
宮本 葉月 (みやもと はづき)
女優・ジャズピアニスト。狂言師・宮本芳年の妹。榊原憲人とは、兄を通しての知人だったが、2時間テレビドラマ「石の願い」で憲人と共演したことから親しくなる。憲人から告白され、その後も紆余曲折を経て交際することになる。
藤井 琳 (ふじい りん)
アメリカ出身の人気若手俳優。テレビドラマ「石の願い」で榊原憲人と共演した。そのことで憲人を尊敬するようになり、内弟子として創風会に入門する。古典芸能に関しては素人でありながら、憲人に「見た中で一番」と思わせるほどの飲み込みの早さを見せる。
書誌情報
花よりも花の如く 23巻 白泉社〈花とゆめコミックス〉
第21巻
(2022-12-05発行、 978-4592212249)
第22巻
(2023-10-05発行、 978-4592212256)
第23巻
(2024-10-04発行、 978-4592222613)