少年アシベ GO!GO!ゴマちゃん

少年アシベ GO!GO!ゴマちゃん

森下裕美の代表作である『少年アシベ』のリメイク作品。元気一杯の小学生の芦屋アシベが、ゴマフアザラシの赤ちゃんであるゴマちゃんや、スガオなどといった仲間たちと共に過ごす日常を描く。原作が4コマ漫画であったのに対して、こちらは一話完結となっている。「月刊アクション」で2016年6月より2017年5月にかけて連載されたのち、「まんがタウン」で2017年6月から連載の作品。

正式名称
少年アシベ GO!GO!ゴマちゃん
ふりがな
しょうねんあしべ ごーごーごまちゃん
原作者
森下 裕美
作画
ジャンル
日常
関連商品
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あらすじ

第一巻

両親と共に新しい街に引っ越してきた芦屋アシベは、母ちゃんを迎えに外出した途中で魚らしき形状をした小動物を発見し、これを自宅に持ち帰る。アシベはおなかが空いていたこともあり、父ちゃんと二人で食べることを提案するが、父ちゃんから魚ではなくゴマフアザラシの赤ちゃんであることを指摘され、親子そろって情を移してしまう。アシベはかわいらしく鳴き声を上げるアザラシにゴマちゃんと名付け、家で飼育するように提案。ちょうど家に帰ってきた母ちゃんもまた、ゴマちゃんの愛らしさにすっかり夢中になり、芦屋家は満場一致でゴマちゃんを新たな仲間として迎え入れるのだった。翌日、転校生として新しい小学校に登校したアシベは、物おじしない性格と、ついてきたゴマちゃんのかわいらしさによってたちまちクラスの人気者となる。しっかり者のゆうまや、ゴマちゃんに似た顔立ちのまおなど新しい友達もできたが、その帰り道でアシベの人気っぷりを快く思わないサカタと、彼に連れられてきたサカタの兄ちゃんが立ちはだかる。一触即発のムードになるが、アシベはサカタの兄ちゃんに対し、元の町での親友だった阿南スガオから伝授された博愛固めを使ってサカタの兄ちゃんの戦意を削ぎ、その場から退散させる。あらためてスガオを思い出すアシベだったが、当のスガオもアシベが引っ越したことを深く悲しんでいた。(エピソード「ゴマちゃんがきた!」。ほか、6話収録)

第二巻

芦屋アシベは、父ちゃん母ちゃんから、魚介類をはじめとする食材が次々になくなっていることを追及される。当初はアシベがつまみ食いをしていたのではないかと疑う二人だったが、実際はゴマちゃんが食材を食べていたことが発覚する。あらためて、ゴマちゃんのエサに関して悩む芦屋家だったが、アシベは、じいちゃんが経営している芦屋商事に行き、彼が飼っているメスの犬からお乳をもらうことを提案し、食糧問題はとりあえずの解決を見る。一方の芦屋商事には、じいちゃんの新しい秘書として採用されたペッペッペッ・ソーランアレマが訪れていた。外国出身で器量がいいペッペッペッは、たちまちのうちに芦屋商事のアイドル的な存在となるが、それ故に社員からは気軽に声を掛けられず、当の本人は名前が呼びづらいために避けられているのではと悩んでいた。そんな中、ペッペッペッは偶然ながらアシベから声を掛けられ、その元気な様子を見て悩みが薄れていくことを感じる。さらに社員会議の議題で、ペッペッペッのニックネームを決めようとするなど、会社が歩み寄りを見せてくれていることに感動し、あらためて芦屋商事の中で精一杯働くことを決意するのだった。そんなペッペッペッがじいちゃんに対して、最初に提案したのはゴマちゃんのエサの確保を兼ねた蟹缶の輸入であった。(エピソード「ペッペッペッさんのゆううつ」。ほか、6話収録)

メディアミックス

テレビアニメ

漫画連載とほぼ同時期に、本作『少年アシベ GO!GO!ゴマちゃん』のテレビアニメ版が、NHKEテレ『天才てれびくん』の番組内にて放送された。製作は「Team Goma」が担当し、キャストは、芦屋アシベ役を河村梨恵が、ゴマちゃん役を東山奈央が、父ちゃん役を津田健次郎が、母ちゃん役を赤﨑千夏が、それぞれ務めている。

コラボレーション

ソーシャルゲーム

『スーパーロボット大戦X-Ω』に、期間参戦作品として本作『少年アシベ GO!GO!ゴマちゃん』が参戦した。芦屋アシベやゴマちゃんのほか、本作オリジナルとなるペットロボットの「ゴマボ」が参戦し、主に『翠星のガルガンティア』の登場人物である、レドやチェインバーと交流を深める場面が見られた。

登場人物・キャラクター

芦屋 アシベ (あしや あしべ)

目黒区に引っ越して来た小学1年生の男子。一人称は「オイラ」で、好きな食べ物はイチゴとカレー。父ちゃん、母ちゃんの三人家族だったが、引っ越し先で新たに家族として迎えたゴマちゃんと共に、アパートで暮らしている。ゴマちゃんの事はとてもかわいがっており、外出先にもよく連れ歩いている。いつも明るく元気で、とても声が大きく、その歌声で周囲をびっくりさせたり、夜中に泣き声を上げて近所を騒がせたりする事もある。気さくな性格で、初対面の相手でもすぐに打ち解ける事ができるため、近所や学校に知人や友人が多い。ファミコンなどのテレビゲームで遊んだ事がなく、家の中よりも外で運動して遊ぶのを好む。引っ越し前からの親友、阿南スガオとは大のなかよしで、離れてしまったあとも時おり彼を思い出したり、彼との思い出を懐かしんだりしている。得意技はスガオから伝授された「博愛固め」。実はピアノの才能があり、じいちゃんにレッスンを受けるよう薦められたが、外で遊ぶ方が好きだからと興味を示さなかった。じいちゃんにネパールに連れて行ってもらった際にスガオと再会しようとするが、森で迷ったため入れ違いになり再会は叶わなかった。スガオとは時おり電話や文通でやり取りしている。

ゴマちゃん

真っ白な体毛を持つゴマフアザラシの赤ちゃん。芦屋アシベが引っ越し先で拾った。性別は不明で、「キュー」や「キュキュ」と鳴く。トラックの荷台からアパートの前に落ちていたところをアシベに拾われ、一度は魚扱いされて食べられそうになるものの、アザラシだと知ったアシベの提案で新たな家族として迎えられた。非常に食いしん坊で、海産物やアイスクリームなど冷たい食べ物が大好きで、好きな食べ物にありつくために情熱的になる事も多く、食い意地が張っている。アザラシだがとても感情表現豊かで、自分をアシベ達と同じ人間だと思い込んでおり、いずれは成長して父ちゃん達のように大人の人間になれると信じている。好奇心旺盛で人間の行動や習慣などに興味を持っては、無理やり真似をしようとする事もある。アシベや父ちゃん、母ちゃんの事は大好きだが、枕やメモ帳代わりにされるなど、酷い扱いを受ける事もある。寒さや雪が好きで泳ぎも得意だが、暑さや熱湯は苦手。ぬいぐるみのような愛らしい見た目から、アシベの身近な友人や近所の人をはじめ、行く先々の人々にかわいがられている。時おりアシベの学校に行く事もあるが、母ちゃんと家で留守番している事が多い。また母ちゃんの家事を手伝おうとするが、いつも失敗している。庭や公園で遊んだ時は、野良猫によくいじめられている。

母ちゃん

芦屋アシベの母親。元お坊ちゃまの父ちゃんとは対照的に庶民的な専業主婦で、やりくり上手な倹約家。常識人なためアシベや父ちゃんへのツッコミに回ったり、周囲に振り回される事が多いが、計算高くしたたかな一面も見られる。ふだんは優しいが、家族の事は甘やかさず、厳しく接する事がある。アシベが学校に行っているあいだは、彼の代わりにゴマちゃんの面倒を見ている。日々の家事をそつなくこなしているが、時おりゴマちゃんにいたずらするなど、おてんばでお茶目な一面もある。

父ちゃん

芦屋アシベの父親。建設会社で大工をしている。明るくのん気な性格で、江戸っ子のようなべらんめぇ口調で話す。芦屋商事の御曹子で、ケンブリッジ大学を卒業した。海外に複数の別荘を持ち、誕生日はシロップとゼリーの風呂に入ったりなど、じいちゃんのもとで贅沢な生活をしていた。結婚してからは庶民的でストイックな生活をしているため、贅沢や無駄遣いを嫌う。しかし、現在でもブルジョアだった頃の癖が出る事がある。酒などにだらしない面もあるが大工としての腕は高く、職場の同僚や息子のアシベからも尊敬されている。目黒区のアパートに引っ越してからは、屋根を改造したりベランダを作ったり庭の地下に倉庫を作ったりして勝手に増築するため、たびたび大家さんを困らせている。母ちゃんに対しては基本的に亭主関白だが、愛情を持って優しく接したり気を遣ったりする事もある。

阿南 スガオ (あなん すがお)

小学生1年生の男子。芦屋アシベの親友。目つきが鋭く怒ったような顔をしているため初対面の相手には怖がられるが、性格はとても優しく、泣き虫で寂しがり屋。無表情および無口でめったに言葉を話さないが、嬉しい時にピースをする癖がある。得意技は相手を抱き締める「博愛固め」で、アシベにも伝授されている。アシベが転校したあとは寂しさから毎日のように泣いて過ごしていたが、スガオの父の転勤の都合でネパールに引っ越す事になり、アシベとはますます離れてしまう。スガオの母に作ってもらったアシベ人形をいつも持ち歩いている。引っ越し先のネパールではチットと仲よくなり、父親やスガオの家庭教師達に振り回されながらも、にぎやかな日常を送っていた。雪山で遭遇したイエティに気に入られてからは、ますます周囲に振り回され、トラブル続きの日々を送っている。手先が器用で、ネパールでさらなる才能を開花させ、木彫り人形作りやお絵描きが得意になった。しかし美的センスは悪く、プレゼント選びなどにはよく失敗している。当初は短髪だったがネパールで過ごす中で髪が伸び、後ろで縛るようになった。のちに父親のさらなる転勤により、家族でコラコラ島に引っ越す。海外暮らしを続ける中で成長し、泣き虫な性格も少しずつ変わっていく。

ゆうま

小学1年生の男子。芦屋アシベのクラスメイト。アシベやまおとは仲がよく、いつもいっしょに遊んでいる。小学生とは思えないほどクールで大人っぽく、しっかり者。このため年上の女性には好かれやすく、近所の叔母さんに気に入られて話し相手になる事もある。大人の女性に「かわいい」と言われたり、過剰に子供扱いされるのを嫌うため、周囲から「じじ臭い」と評される事もある。幼少期にゆうまの母に無理やりバレエ教室に行かされていたが、恥ずかしがってアシベ達には隠している。勉強はあまり好きではなく、夏休みの宿題は毎回ギリギリまで溜め込んでは苦労している。苦手な食べ物はニンジンとキャビア。

まお

小学1年生の男子。芦屋アシベのクラスメイト。アシベやゆうまとは仲がよく、いつもいっしょに遊んでいる。無口でおとなしい性格で、ぼーっとしている事が多く、リアクションが遅いため周囲からよく心配されている。また運動音痴で、特に水泳が苦手。乗り物にも酔いやすく、バスや車だけでなく自転車に乗っても酔う事がある。ゴマちゃんと顔がよく似ているため、アシベやゆうまからゴマちゃんの代わりに扱われる事もある。アシベをはじめ誰とでもなかよくしているが、時々家に来ては驚かそうとしたり意地悪をして来る叔父の秋雄の事は嫌っている。当初は秋雄の意地悪に怯えるだけだったが、次第に遠まわしな嫌がらせをする形で報復するようになる。

サカタ

小学1年生の男子で、芦屋アシベのクラスメート。生意気な性格の皮肉屋で、転入早々から人気者になったアシベにライバル心を抱き、ちょっかいをかけることが多い。サカタの兄ちゃんを尊敬しており、彼がゴマちゃんに夢中になった際は、その豹変ぶりに面食らうとともに、ゴマちゃんやアシベとどう接するべきか測りかねている。のちに、ゴマちゃんに対しては、兄の影響もあって心を許す場面も増えていき、アシベに対してもあからさまな反感を向けることは少なくなっていった。

サカタの兄ちゃん (さかたのにいちゃん)

小学生の男子で、サカタの兄。外見はサカタにそっくりで、弟に比べるとやや豪快な性格をしている。兄弟仲はよく、芦屋アシベが転入した際には、サカタにそそのかされる形で、アシベに対して調子に乗らないように釘を刺そうとした。しかし、阿南スガオ直伝の「博愛固め」と称した抱擁を受けると、途端に戦意を奪われ、恥ずかしさのあまり逃げ出した。さらにゴマちゃんと出会うと、その愛らしさの前にたちまち魅了され、すっかり虜になってしまう。それからは一転してアシベやゴマちゃんに友好的になり、サカタを困惑させるようになった。

じいちゃん

芦屋アシベの父方の祖父。芦屋商事の社長を務めている。大豪邸に住む大金持ちで、好奇心旺盛で面白い事を楽しむためであればすぐに大金を使ってしまう。孫のアシベの事はとてもかわいがっており、彼のためにヘリコプターや高級車を瞬時に用意したり、旅行に連れて行ったりしている。またアシベの誕生日には、いつも豪勢な誕生日パーティーを開催している。動物好きで、犬やイグアナなどの牧場をいくつも持っている。暴走族の集会に自ら赴いたり、豪邸の風呂で温泉ごっこをしたりとかなりの変わり者で、ペッペッペッ・ソーランアレマをはじめとする部下を混乱させる事もある。山本兄弟をはじめ、行く先々で出会った人を第一印象や興味だけでスカウトして社員に引き入れているため、会社には自然と個性的な社員が集まっている。のちに出張中に意気投合した吉田社長と友人になり、時おり彼の自宅に遊びに行っている。

ペッペッペッ・ソーランアレマ

芦屋商事の数多くの秘書候補から採用されたギリシャ人の女性。社長であるじいちゃんの秘書となるが、名前が珍しく面白いという理由で採用された。自分の名前が長くて珍しい事を気にしており、初対面の人からは名前を笑われたり変に思われたりする事が多い。唯一、名前を笑ったり珍しがったりしなかった芦屋アシベとは、すぐになかよくなった。流暢な日本語を話し、秘書としても優秀な働き者だが、好奇心旺盛で変わり者の社長にはたびたび振り回されている苦労人。美人で優しい事から社員達から好かれており、早乙女からは片思いされているがまったく気づかず、彼の好きな人は白鳥かれんであると勘違いしている。当初は日本での生活や文化の違いに戸惑っていたが、現在はすっかり日本の生活になじんでいる。実は男性社員中心の非公認ファンクラブが結成されており、一部のストーカーまがいの会員からつねにつきまとわれているが、ファンクラブの存在は認識していない。のちに同じ女性秘書である三好礼子と友人になるが、トラブルメーカーの彼女にはいつも苦労させられている。

集団・組織

芦屋商事

『少年アシベ』に登場する会社。アシベの祖父が経営する。個性的な社員が多い。アシベや父ちゃんの誕生日には、社員を呼んでパーティをすることもある。

クレジット

原作

監修

Team Goma

ベース

少年アシベ (しょうねんあしべ)

元気な小学生とゴマフアザラシの赤ちゃんのペットがいる一家と、彼らの周辺のちょっと変わった人々が繰り広げる日常を描いた4コマギャグコメディ漫画。 関連ページ:少年アシベ

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