概要・あらすじ
幽霊族の最後の生き残りである鬼太郎は、目玉おやじの姿で復活した父親と共に、育ててくれた人間の家を離れ、放浪のたびに出た。やがて、子泣き爺や砂かけ婆など妖怪の知己を得た鬼太郎は、人間たちとは一線を置いた生活をしながらも、悪事を働く妖怪を退治するようになっていく。
登場人物・キャラクター
鬼太郎 (きたろう)
はるかな古代に栄えた幽霊族の最後の生き残りで、さまざまな超能力を持つ。隻眼であり、顔の左半分を髪の毛で隠している。第1話では、かなり不気味な容姿で描かれているが、後には普通の少年に近い外見となった。基本的には人間に味方する正義漢であり、困っている者には無償で力を貸すことが多い。また、金銭欲や名誉欲が薄く、常に貧乏暮らしに甘んじている。 ただし、エピソードによっては謝礼に釣られて動いたり、面倒事を嫌うような言動を取ったこともある。
目玉おやじ (めだまおやじ)
鬼太郎の父親。打ち捨てられた幽霊族の男性の遺体から目玉だけが意識を持って動き出した存在で、眼球から体が生えた姿をしている。人の掌に乗るほど小さいため、鬼太郎の肩や頭にに乗っていることも多い。妖怪や怪異に関する知識が深く、鬼太郎にとっては頼りになる父親である。
ねずみ男 (ねずみおとこ)
ねずみを思わせる風貌の半妖。鬼太郎とは腐れ縁のような付き合いで、金に汚く、儲けや保身のために度々鬼太郎を裏切る。世間ずれしている反面、抜けているところもあり、敵妖怪に騙されて窮地に陥ることも多い。天敵は猫娘。不潔で屁や口臭が強烈に臭い。
猫娘 (ねこむすめ)
『ゲゲゲの鬼太郎』に登場する妖怪。化け猫をモチーフとした水木しげるのオリジナル妖怪で、普段はおかっぱ頭にリボンを付けたワンピース姿の少女だが、ネズミを見て興奮したり、激しく怒ったりすると猫のような半獣人となる。鬼太郎とは幼馴染とされているが、その詳細は漫画では描かれていない(水木プロ監修の『小説 ゲゲゲの鬼太郎』にその描写がある)。 また、初期のエピソードには、猫娘とは容姿が異なる猫子(ねここ)という名の猫のような少女の妖怪が鬼太郎の仲間として登場している。
砂かけ婆 (すなかけばばあ)
『ゲゲゲの鬼太郎』に登場する妖怪。白髪で和装の老婆の姿をした妖怪。近畿圏の伝承を原典としている。鬼太郎の仲間であり、子泣き爺と同じく仲間内では年長者として振舞う。袂から砂を吹きかけて敵を攻撃するのが得意技である。
子泣き爺 (こなきじじい)
『ゲゲゲの鬼太郎』に登場する妖怪。赤ん坊のような顔に髭を蓄えた老人の妖怪で、腹掛けに蓑を被り、身の丈ほどの杖を持ち歩いている。四国東部・阿波国の伝承が原典。鬼太郎の仲間であり、砂かけ婆とコンビで登場することが多く、やはり仲間内では年長者としての振舞いを見せる。得意技は、人間や妖怪に抱きつき、泣きながらどんどん重くなることで、相手を押し潰すこと。西洋妖怪との戦いでは、この技でフランケンシュタインを海底に沈めている。
一反もめん (いったんもめん)
『ゲゲゲの鬼太郎』に登場する妖怪。長く伸びた白い反物に細い目と腕が付いた姿をしており、空中を飛んで移動する。鬼太郎の仲間の一員であり、鬼太郎や他の仲間たちを背に乗せて飛ぶこともある。布の妖怪であるだけに火や鋏は苦手で、敵妖怪に捉えられた際にはふんどしにされたり、紐にされたりしたこともあった。九州南部の伝承を原典としており、エピソードによっては鹿児島弁で話すこともある。
ぬりかべ
『ゲゲゲの鬼太郎』に登場する妖怪。巨大な壁に手足が生えた姿の妖怪で、九州北部の伝承を原典としている。鬼太郎の仲間の中では、一番の巨漢であり、その巨体を活かして敵を押し潰したり、文字通り仲間の壁役を務めたりする。言語能力はあるようだが、非常に無口で感情もわかりにくい。西洋妖怪との戦いでは、吸血鬼たちによって血を吸い尽くされて死亡してしまうが、後に何事も無かったように復活している。
シーサー
『ゲゲゲの鬼太郎』に登場する妖怪。沖縄で家屋の守り神とされる獅子の像をモチーフとした妖怪の子供。鬼太郎の仲間の一員で、まだ子供であるため、子犬ほどの大きさしかないが、体を回転させて土の中を掘り進むといった能力を持つ。精神面も幼いが素直な性格で、鬼太郎のことは兄貴分として慕っている。1980年代の連載時に、TVアニメ版(第3期)に合わせて登場するようになったキャラクターであり、初期のエピソードには登場しない。
油すまし (あぶらすまし)
『ゲゲゲの鬼太郎』に登場する妖怪。石のように見える巨大な頭を持ち、蓑を被った姿で現れる妖怪。熊本県周辺の伝承を原典とする。当初は鬼太郎に反感を持つ者として登場したが、いつの間にか仲間になり、エピソードによっては鬼太郎と仲間の妖怪たちが暮らすゲゲゲの森の村長を務めている場合もある。つるりとした無髪の頭である場合と、有髪で髷を結っている場合の2種類が存在する。
かわうそ
『ゲゲゲの鬼太郎』に登場する妖怪。広島県、青森県、石川県、高知県など、日本各地で伝承されている川辺の妖怪を原典とする。全身が毛で覆われた獣のような姿だが、直立歩行し、頭には笠を被っている。オベベ沼という沼の近辺で子供に化け、通りがかる人間を騙しては金を稼いでいた。鬼太郎の旧友であり、一度は鬼太郎と戦うが、最終的には反省して山の沼へと帰っている。 別のエピソードでは、鬼太郎の仲間として登場したこともある。
呼子 (よぶこ)
『ゲゲゲの鬼太郎』に登場する妖怪。鳥取県などの伝承を原典とする妖怪で、山彦、山小僧などと呼ばれることもある。わらで作った頭巾を被った子供の姿をしており、エピソードによっては目が1つだったり、足が1本しかなかったりもするようだ。山の精であり、音を操ったり霧を発生させたりすることができるが、鬼太郎の仲間として登場する場合は、その力を発揮する描写は少ない。
化けガラス (ばけがらす)
『ゲゲゲの鬼太郎』に登場する妖怪。人語を解する巨大なカラスの妖怪で、「妖怪大裁判」のエピソードで、鬼太郎に味方した。トリモチのようにへばりついて相手の動きを封じる封じフンを得意技としている。また、化けガラスとは別に、普通のカラスの中にも鬼太郎の仲間は多く、鬼太郎や仲間の妖怪を運んだり、敵陣の偵察などに活躍している。
井戸仙人 (いどせんにん)
『ゲゲゲの鬼太郎』に登場する妖怪。中国出身の妖怪で、山奥のうち捨てられた井戸の底でメタンガスを吸って生きている。その齢は数千年におよび、大陸の妖怪や術に詳しい。「妖怪反物」のエピソードに登場し、中国妖怪たちに反物にされてしまった鬼太郎たちを救う方法を伝えた。
ヒ一族 (ひいちぞく)
『ゲゲゲの鬼太郎』に登場する怪物。エピソード「妖怪危機一髪」に登場した怪物の一団。あらゆる妖力が通じないという、妖怪にとっての天敵とも言える一族で、男型、女型、子供型の3人がいる。その正体は、妖怪・女夜叉が育てた特殊なヒルで、女夜叉が倒されたことで力を失い、普通のヒルに戻った。
大海獣 (だいかいじゅう)
『ゲゲゲの鬼太郎』のエピソード「大海獣」に登場する怪物。ニューギニアの湿地帯に生息していた巨大な古代生物。ヒゲクジラのような頭部に、人間に近い四肢と尻尾を持つ。作中では、クジラの祖先であるゼオクロノドンであるという記述があるが、現実のゼオクロノドンとは異なる生物である。その血液には不可思議な力があり、他の生物の体内に入ると、その生物の細胞を変質させ、大怪獣にしてしまう。 鬼太郎は、天才科学者山田秀一によってその血を注射され、大海獣と化してしまった。
鉄の大海獣 (てつのだいかいじゅう)
『ゲゲゲの鬼太郎』のエピソード、「大海獣」に登場する巨大ロボット。大海獣と化した鬼太郎を倒すために開発したロボット兵器で、遠隔操作によって行動することからラジコン大海獣とも呼ばれる。大海獣に匹敵する巨体を持つ鋼鉄のロボットで、ハサミ状になった両腕と巨大な顎による噛み付きで大海獣=鬼太郎を苦しめた。
山田 秀一 (やまだ しゅういち)
エピソード「大海獣」の中心人物となる天才科学者で、大海獣の生態研究から不老不死の謎を解明。名声を得るために鬼太郎と共に大海獣探査隊に参加する。調査隊は大海獣の血液採取に成功するが、その際に大暴れした大海獣によって、彼と鬼太郎を残して全滅。調査隊の成果を独占するため、鬼太郎に大海獣の血を注射し、海へ落としてしまう。 さらに大海獣に変身した鬼太郎が日本に現れると、事件の真相隠蔽のために政府を説得して鉄の大海獣を作り、鬼太郎を抹殺しようとした。
水木 (みずき)
鬼太郎の誕生に立会い、赤ん坊だった鬼太郎の養父となった人間の男性。本作の前身とも言える水木しげるの貸本漫画『墓場鬼太郎』や『鬼太郎夜話』に登場した水木とほぼ同じ役どころである。ただし、本作ではエピソード「鬼太郎の誕生」のラストで、鬼太郎が水木の家を離れて放浪の旅に出るため、悲惨な結末を迎えることなく舞台から消えている。
ぬらりひょん
『ゲゲゲの鬼太郎』に登場する妖怪。岡山県や秋田県の伝承や江戸時代の黄表紙に描かれたもののけを原典とする。禿げ上がった大きな頭を持ち、痩せた老人の姿をした妖怪である。TVアニメを含む『ゲゲゲの鬼太郎』の各シリーズでは、日本妖怪の総大将であり、多くの配下と共に鬼太郎と対峙する宿敵という役割が与えられている。 ただし、漫画での初登場を果たしたエピソード『妖怪ぬらりひょん』では、「山田」という人間に成りすまして、単独で悪事を働く愉快犯のような存在として描かれていた。
バックベアード
『ゲゲゲの鬼太郎』に登場する妖怪。巨大な一つ目を持つ黒い球体から無数の触手が生えた姿の妖怪。その目で見つめた者を催眠状態にして操ったり、眼光で目をくらませたりして攻撃する。エピソード『妖怪大戦争』で初登場し、西洋妖怪の首領として鬼太郎たち日本妖怪と激しく争った。以後も様々なエピソードで鬼太郎の敵として出現するが、中には鬼太郎の協力者となるエピソードも存在している。
チー
『ゲゲゲの鬼太郎』に登場する妖怪。仲間を率いて日本にやってきた中国妖怪の首領。髭を生やした道士のような姿をしているが、その正体はかつて日本で退治された九尾の狐の弟である。大陸の秘薬によって日本の妖怪たちを反物に変えてしまい、その反物で作った服を着た人間を支配して日本を占領しようと企らむ。
吸血鬼エリート (きゅうけつきえりーと)
『ゲゲゲの鬼太郎』に登場する妖怪。霧ヶ岳山中の洋館に150年以上前から住んでいた吸血鬼。意見すると人間と変わらないが、口内には鋭い牙がある。また、常に持ち歩いているギターを奏でることで、狙った者を自在に操るという能力を持つ。その真の姿は巨大な吸血蝙蝠で、部下として無数の吸血蝙蝠を従えていた。
大天狗 (だいてんぐ)
『ゲゲゲの鬼太郎』に登場する妖怪。強大な神通力を持った妖怪。エピソード「妖怪大裁判」では、妖怪の世界の裁判官を務めており、カラス天狗によって組織された妖怪ポリスを指揮する立場でもある。百々じじいとねずみ男によって濡れ衣を着せられた鬼太郎を法廷に召喚し、「溶解刑500年」の判決を下した。
場所
ゲゲゲハウス
『ゲゲゲの鬼太郎』で鬼太郎が住む家。妖怪たちが暮らすゲゲゲの森の一角に立てられたツリーハウス。.鬼太郎はここで目玉おやじとふたりで暮らしている。なお、鬼太郎父子の家は、エピソードによって異なっていることがあり、竪穴式住居風の家に住んでいたこともあれば、妖怪アパートの住人だったこともある。また、定住せずに日本中を放浪していた時期もあった。
妖怪アパート (ようかいあぱーと)
『ゲゲゲの鬼太郎』で多くの妖怪たちが暮らす集合住宅。砂かけ婆が経営するアパートで、一時期は鬼太郎とその仲間の妖怪の大部分が暮らしていた。大家の砂かけ婆は、家賃の取立てには厳しいものの、それなりに情もあり、家賃が払えない店子には現物徴収で済ませてやったり、行き場をなくした妖怪をアパートに住まわせてやったりしている。
その他キーワード
霊毛ちゃんちゃんこ (れいもうちゃんちゃんこ)
鬼太郎が常に身に着けているちゃんちゃんこで黄色と黒の横縞模様をしている。幽霊族の祖先たちが残した霊毛で編まれており、大きさや形を自在に変えて鬼太郎の武器となる。ちゃんちゃんこ自体に意思があるかのように描かれることも多く、危機に陥った鬼太郎を度々救っている。
髪の毛針 (かみのけばり)
『ゲゲゲの鬼太郎』で鬼太郎が使う技のひとつ。髪の毛の一本一本を針のように硬質化させ、目標に向かって打ち出す。強敵との戦いや敵の数が非常に多い場合には、髪の毛を使いきってしまい、鬼太郎が丸坊主になってしまったこともある。また、鬼太郎は、同じ要領で髪の毛以外の体毛を飛ばすこともできるらしく、エピソード『げた合戦』では、鼻毛ミサイルなる技が披露された。
関連
墓場鬼太郎シリーズ
アニメ
ゲゲゲの鬼太郎(第2期)
主人公の鬼太郎は滅亡寸前の幽霊族の末裔。体が溶けて目玉だけになった父親や猫娘、ねずみ男といった仲間たちと暮らしているが、妖怪による事件が起きて困った人々から助けを求められると、超能力を駆使して妖怪と戦... 関連ページ:ゲゲゲの鬼太郎(第2期)
ゲゲゲの鬼太郎(第4期)
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ゲゲゲの鬼太郎(第3期)
主人公の鬼太郎は滅亡寸前の幽霊族の末裔。体が溶けて目玉だけになった父親やネコ娘、ねずみ男といった仲間たちと暮らしているが、妖怪による事件が起きて困った人々から助けを求められると、超能力を駆使して妖怪と... 関連ページ:ゲゲゲの鬼太郎(第3期)
ゲゲゲの鬼太郎(第5期)
主人公の鬼太郎は滅亡寸前の幽霊族の末裔。体が溶けて目玉だけになった父親やねこ娘、ねずみ男といった仲間たちと暮らしているが、妖怪による事件が起きて困った人々から助けを求められると、超能力を駆使して妖怪と... 関連ページ:ゲゲゲの鬼太郎(第5期)
書誌情報
ゲゲゲの鬼太郎 14巻 講談社コミッククリエイト〈水木しげる漫画大全集〉
第1巻
(2013-06-03発行、 978-4063775112)
第2巻
(2013-12-03発行、 978-4063775129)
第3巻
(2015-02-03発行、 978-4063775426)
第4巻
(2015-03-03発行、 978-4063775433)
第5巻
(2015-09-03発行、 978-4063775440)
第6巻
(2017-01-05発行、 978-4063775792)
第13巻
(2017-06-02発行、 978-4063775822)
第14巻
(2017-07-03発行、 978-4063775839)