最強燃え上がる！アツイバトル漫画特集！35 Pt.

猛暑も酷暑も、どーんと来い！暑い夏を吹き飛ばすほどの勢いあふれる、アツイバトル漫画5作品を一挙紹介。以前に読んだことのある作品でも、これを機会に一気読みすると新たなアツさに気づけるかも…!?

当時、『ドラゴンボール』とも肩を並べるほどの人気を誇った本作。テレビアニメ化25周年を記念して、最近では再放送やBlu-ray発売なども活発で、SNSなどで宣伝を見て知ったという人もいるのではないだろうか。本作の魅力は霊能力者や妖怪たちの戦いだが、後半のいわゆる「仙水編」では現在連載中の『HUNTER×HUNTER』を彷彿とさせる頭脳バトルも展開。「”あつい”と言ってはいけない部屋」での戦いは技巧を凝らしたエピソードとして有名。言葉遊びとしても優秀なので、読者の皆さんも、友人とこの夏にチャレンジしてみてはいかがだろうか。

ある日、自分が「剣の一族」の生まれ変わりだと知らされ、戦いに巻き込まれる。彼らが手にするのは「剣」と「刀」だ。高校生が不死身の敵と、特殊な剣を使って戦うバトルが骨子。しかし後半になるまで自分の前世について踏ん切りをつけられない主人公の人間臭さ、千年の戦いの中で退屈を感じ、娯楽としての戦いを求める敵など、人物の内面の描写も大きな魅力。中でも主人公の前世の恋人にうり二つな女教師、鳴神遥日の個性は強烈だ。本来は居合道で真剣にこそ触れていたが普通の女性。教え子の戦いに巻き込まれたことで「人斬り」としての資質を開花させていく様は、興奮と恐怖を同時に感じる。ダークな雰囲気と激しい剣の戦いが熱い一作だ。

アツいと言えばこの作品は外せない。「速さが足りない！」「これがオレの自慢の拳だ！」「意地があんだよ、男の子にはな！」など、数々の名言が生み出されたアニメ「スクライド」のコミカライズ版。アニメを名作と言うなら漫画は傑作とでも言うべきだろうか。展開やキャラクター設定に違いはあるが、どちらも傑出した作品だ。漫画版でもカズマは自慢の拳で敵を粉砕し、龍鳳は自らの信念で敵を断罪する。アルタ―使いたちのバトルはそれぞれの能力を駆使し、時に知略を尽くし、時に正面からのごり押しで突破する飽きさせない展開は一見の価値がある。登場人物の去就や生死もところどころ違うため、アニメファンにも強くおすすめする。

舞台はアメリカ・ロサンゼルスからメキシコにかけての大逃避行。一癖も二癖もある主人公3人は、互いの素性や秘密もたいして明かさないまま、襲い来るマフィアや殺し屋の手から生き延びるためにとにかく撃つ、撃つ、撃つ！　ハリウッド映画なら「劇中で使用された弾丸○万発！」とキャッチコピーを出すくらいに撃ちまくる。作者の確かな画力で描き出されたメキシコの乾いた空気は、こちらまで喉が渇くような緊張感と寂寥感にあふれていて、熱砂のほこりと硝煙を巻き上げて撃ち合う様は思わずむせかえりそうだ。惜しむべきは長期休載に入ってしまい、肝心の結末が未完なことだが、アクションシーンのためだけでも読む価値は十分にある。

アツいのは地球だけじゃない。砂漠の惑星で熱いバトルを繰り広げる連中もいる。『血界戦線』で再ブレイクした作者の、最初の大ヒット作。7都市を灰に変え、人間なのに極地災害指定を受け、600億ドルの賞金首として手配された伝説のガンマン、ヴァッシュの戦いの物語。物々しい肩書きとは裏腹に作中屈指の平和主義者。強敵相手に「殺さずに無力化」ができてしまうほど強いのに、戦いを嫌う心優しい青年というギャップが主人公の魅力だ。胸に秘めた信念が明かされたときに、彼の行動の全てに納得がいく。また、ライバルであり親友でもあるウルフウッドの生き様には全ての読者が涙した。過酷な世界で生きる人々の姿が魅力的な作品だ。