『このマンガがすごい!』から選ぶテレビアニメ化して欲しい作品290 Pt.

「宝島社」が発行するマンガ紹介ムック『このマンガがすごい!』で掲載されたマンガ作品の中で、テレビアニメ化して欲しい作品を紹介する。

『このマンガがすごい!』から選ぶテレビアニメ化して欲しい作品

出典:Amazon.co.jp

概要

『このマンガがすごい!』は様々な職業のアンケート参加者が、有名無名を問わず、最もお薦めしたい5作品をランク付けし総合順位を発表するマンガ紹介ムック。対象作品は前年10月1日から発行年9月30日までのもの。今回は、10位以内にランクインしてきたマンガで、テレビアニメ化して欲しいものを選んで紹介する。

『ダンジョン飯』

「2016オトコ編」で1位を獲得したマンガ作品。著者は「九井諒子」。「ダンジョン飯」と聞いてあなたは真っ先にどんな内容を思い浮かべるだろうか? 食材を持ち込んでダンジョンで調理して食べるから「ダンジョン飯」。他にも色々あるかもしれないが、このマンガが「すごい!」と評されたのはその「ダンジョン飯」の食材にある。「狂乱の魔術師」から地下に囚われた王国を救ったものには国の全てを与える。それがきっかけで、魔物が跋扈するダンジョンに挑む冒険者が続々と現れ始めた時代。「ライオス」はパーティーを組んでダンジョン攻略をしていたが、奥深くでドラゴンに襲われてしまい、金や食料などをほとんど失ってしまう。再びダンジョンに挑もうとしても、食料がなくては飢え死に確定。そこで「ライオス」はダンジョンの中で自給自足をする決意をする。その方法とは「モンスターを食べよう」。スライム、大サソリ、ミミック、マンドラゴラ、バジリスク……。ファンタジー定番のモンスターを調理しているにもかかわらず、生態考察やそれに基づいたレシピにリアリティーと説得力があるのが本作の見どころ。あの恐ろしいモンスターも「ライオス」一行の手にかかれば美味しい料理になる。「大サソリと歩き茸の水炊き」「ミミックの塩茹で」「ローストバジリスク」などアニメ化されたら是非見てみたいものである。

『ヲタクに恋は難しい』

「2016オンナ編」1位に選ばれたマンガ作品。著者は「ふじた」。イラストやマンガを中心に投稿出来るSNS「pixiv」から誕生し、オリジナル漫画の中で歴代1位のブックマーク数を記録した。隠れ腐女子のOL「桃瀬成海」は、かつて交際していた同僚にそのことがバレてフラれてしまう。顔を合わせづらくなり転職するのだが、その転職した会社で幼馴染み「二藤宏嵩」と再会。彼は仕事も出来てルックスもいいサラリーマンだが、重度のゲームオタク。「成海」は「宏嵩」のことを互いの趣味を包み隠さず話せる仲であり、異性というよりオタク友達と考えていたのだが……。彼氏にフラれ「なんでいつも間違えちゃうんだろ」と呟いた彼女に、「宏嵩」は「じゃあ俺でいいじゃん」と告白。付き合った際のメリットを説かれ、「週末のイベントに売り子として同伴可能」が決め手になり、彼女たちの交際が始まるのだった。実在するゲームやオタク、ネット用語、キャラクターたちのオタクっぷりが描かれ、きちんと恋愛要素も織り込まれている作品。20代女性からの支持が多く、読者が共感するシーンが多いところが特徴だ。「成海」をはじめとしたオタクたちの不器用な恋愛模様と爆笑のやり取りを、是非ともアニメで楽しみたい。

『はたらく細胞』

著者は「清水茜」。「第27回少年シリウス新人賞」で大賞を受賞した読切作品『細胞の話』を連載化した、著者初の連載作品である。「2016オトコ編」7位に選ばれた。近年、擬人化は大変人気であるが、「細胞」を擬人化した斬新なアイディアが魅力的。主人公的な立ち位置のキャラクターは「赤血球」(女性の姿)と「白血球」(男性の姿)。病原体は人間の姿ではなく、モンスターや怪人として描くなど差別化されている。体内は街のように描き、くしゃみはロケットのように、と著者のセンスが素晴らしい。メジャーなものからマイナーなものまで、多くの擬人化した細胞たちが登場し、特徴をよく捉えている。また、この設定だけではなく、ストーリー構成も大変面白い。第1話は床(血管内細胞)を突き破って侵入してきた「肺炎球菌」を退治するストーリー。専門用語が出てくるのだが、飽きのこないテンポ感と擬人化したキャラクターたちのおかげで難しくなく楽しく読むことが出来る。読了後、細胞について詳しくなっていることだろう。バトルシーンも見応えありなので、もしもアニメになったならば、画面いっぱいに「赤血球」や「白血球」たちの活躍が見られるかもしれない。

『ちーちゃんはちょっと足りない』

「2015オンナ編」1位に輝いた作品。著者は短編やオムニバスで人気を博したマンガ家「阿部共実」。タイトルになっている「ちーちゃん」とは、団地住まいの中学2年生「南山千恵」のこと。「ちーちゃん」がちょっと「足りない」部分は、成績やお金、友達、恋人といったものなどだ。同じ団地に住む幼馴染み「ナツ」や成績優秀な「旭」に助けられながら、「ちーちゃん」は普通の日常を送ることが出来ていた。「ちーちゃん」は言動が中学生としては幼く、作中では明確な描写はないが、「ちーちゃん」が「足りない」理由を読者は察することが出来る。一見、「ちーちゃん」との日常を描いた作品だと思うかもしれないが、それだけで「2015オンナ編」1位に選ばれたわけではない。読み進めていくうちに、読者は予想を超えた展開に驚くことだろう。また、「ナツ」について、共感してしまう人も多いのではないだろうか。この作品を通して、何かが「足りない」と思ったことがある人には心に突き刺さるものがあるだろう。言葉選び、伏線、キャラクターのリアルな心情が秀逸なマンガ。もしアニメ化されるならば、この著者の素晴らしいセンスを生かした演出になることを期待したい。

『ULTRAMAN』

「2013オトコ編」10位に輝いた作品。原作は「清水栄一」、作画は「下口智裕」。「円谷プロ」が生み出した『ウルトラマン』から数十年後を舞台にしており、後の「ウルトラシリーズ」とは違う世界での物語となっている。初代「ウルトラマン」であった「早田進」の息子、「早田進次郎」が主人公である。「ウルトラマン」の存在が過去となった世界で、かつて「ウルトラマン」と同化していた影響で「進」の息子「進次郎」には生まれながらにして特殊な能力を持っていた。しかし、「進次郎」は自分のことを人より少し力の強い普通の高校生だと思っていた。ある日宇宙人の襲撃に遭い、父親の「進」がかつての「ウルトラマン」であったこと、そして自分の特殊能力の所以を知ることになるのだった……。かつての「科学特捜隊」の面々や、「ウルトラセブン」だった「諸星弾」が登場したり、「ウルトラシリーズ」のファンが思わずニヤリと笑ってしまう要素が満載。もちろん、このマンガから読み始めた人も楽しめる作品だ。「ウルトラマン」に変身すると巨大化するのが「ウルトラシリーズ」の醍醐味だが、本作では等身大で戦う。しかしながら、戦闘シーンは非常に格好よく、手に汗握る熱いものとなっている。また、「ウルトラマン」として戦う主人公の葛藤も丁寧に描かれ、王道ながら目を引く展開である。アニメ化するのならば、是非ともこの熱い戦闘シーンを再現して欲しいものである。

『アイアムアヒーロー』

「2011オトコ編」で9位、「2013オトコ編」では8位に輝いた作品。著者は『ルサンチマン』などで知られる「花沢健吾」。主人公はマンガ家アシスタントの「鈴木英雄」、35歳。デビュー作は単行本2冊で打切り、借金有り、売れっ子マンガ家になる兆しもなく、付き合っている彼女との仲も良好とは言えず、妄想の中でしか現実に勝てない。だが、全国的に「噛み付き事件」が多発したことをきっかけに、ゾンビのような食人鬼「ZQN」と呼ばれる感染者たちが街に溢れるようになる。果たして「英雄」はパンデミックと化した街で生き延びることが出来るのか⁉ 主人公は、前述のように決して「勝ち組」とは言えない男性。しかし、趣味のクレー射撃がこの極限状態を生き延びるきっかけとなる。決して「勝ち組」とは言えないキャラクターたちを中心に、「ZQN」など不条理な状況を乗り越えていく作品。特別な力を持っていたり、覚醒して能力を得たりする主人公ではないものの、非常に感情移入しやすいところが特徴。これは、著者の手腕によるものだろう。2016年に実写映画化されているが、もしもアニメ化されるのならば、原作の最終巻まで放送して欲しい。平凡だった「英雄」が非日常の中で奮闘する姿をアニメでもう一度見てみたいものだ。

『聖☆おにいさん』

「2009オトコ編」1位に輝いたマンガ。著者は『荒川アンダー ザ ブリッジ』で知られる「中村光」。本作の主人公はなんと「イエス」と「ブッダ」である。あの、有名な神様とお釈迦様である。下界のバカンスを満喫するために、日本の東京都立川の風呂なし・ペット禁止の安アパートの一室で「聖」の苗字で暮らす日常を描いた作品だ。この2人の格好は、Tシャツにジーパンとラフな格好。例えば第1話では「アーメン」「シッダールタ」の文字が書かれたTシャツを着ており、単語が毎回違う。また、この神様と仏様を主役に据えているので、宗教絡みの小ネタが頻繫に挟まれている。また、「ほっとけ!」に「仏なだけに?」とのダジャレのようなやり取りもよく起こる。基本的にこの2人を中心にした日常作品で、ダラダラしていることが多いのだが、その様子だけでもシュール。シュールな笑いが好きな人には面白いと思えるのではないだろうか。宗教分野の知識があると、更に面白さも増すかもしれない。実はこの作品、2013年に劇場アニメ化がされ、「森山未來」と「星野源」が声優を務めている。だが、やはりここはテレビアニメでも見たいところ。ショートアニメでもいいので、あの神様と仏様が織りなすゆるい日常生活を映像で是非見たいものだ。

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