音はないけど大丈夫! 音楽マンガ特集!53 Pt.

まるで本から音が聞こえてきそうな、音楽にまつわる多彩なマンガをご紹介。

特に夢もなく無為な高校生活を送っていた主人公「宮本大」は、生のジャズ演奏を聴いたことがきっかけで、何の知識もないまま情熱だけでテナーサックスの練習を始める。そんな彼の努力と才能を見初めた元ジャズプレイヤー「由井」によって、ジャズの基本を叩き込まれた主人公は、新米ながらもジャズプレイヤーとして東京へ旅立つことになる。寝ても覚めてもジャズばかりの彼が、上京先で出会ったジャズ仲間と共にバンドを組み、互いに切磋琢磨していく。
ジャズに対する熱い思いや実直な姿勢、そこから生まれる友情など、ぶれることのない主人公の活躍に目が離せない。中々難しそうなジャズというジャンルではあるが、読んだらハマること間違いなしだ。

インディーズながら圧倒的な人気を博すデスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ（DMC）」。そこでギターとボーカルを担当する「ヨハネ・クラウザーII世」は、実は契約したレコード会社の策略によって仕立て上げられた存在だった。そしてその正体は「根岸崇一」という、ポップミュージシャンを目指す青年。そのためメタルは好きではないのに、一旦メイクを施しステージに上がるとデスメタル界のカリスマとしての才能と能力が目覚めてしまう。
主人公が「ヨハネ・クラウザーII世」と「根岸崇一」、2つの顔の間で苦悩する姿と、そんな彼を妄信する熱狂的なファンとの思いや熱量の違いが面白い。

才色兼備の青年「千秋真一」は、指揮者を志すエリート音大生。しかし幼少期のトラウマから飛行機にも船にも乗れず、音楽の本場に渡欧できないことを悩んでいた。そんな折、天賦のピアノの才能を持った「野田恵（のだめ）」と知り合ったことで、彼の世界は徐々に色づいていく。互いに刺激し合い、それぞれの道で成長していく2人のラブコメ作品だ。
音楽の才能はあるが生活能力皆無の「のだめ」と、不愛想だが世話焼きな「千秋」の、クラシック音楽へ対する情熱とドタバタな恋の行方をぜひご覧あれ。

幼少期に受けた母からの厳しいピアノレッスンのかいあって、神童とまで評されていた主人公「有馬公生」は、母の死をきっかけに音楽からは距離を置いた生活をしていた。しかし中学3年になった春、幼馴染を介して知り合ったヴァイオリニストの少女「宮園かをり」に影響され、再びピアニストとして表舞台に立つ決意をする。
少年少女たちが音楽にかける青春と、それを通して芽生える恋心に注目。また最後に明るみになる「かをり」の「嘘」は、きっと涙なくしては観られない。