音がなくても楽しめる音楽系マンガ92 Pt.

ジャズにヴァイオリンに指揮者にピアノにヘビメタまで、音楽にまつわる多彩なマンガを紹介する。

高校3年の時に聞いたジャズライブに影響を受け、全く何も知らないながら情熱だけでテナーサックスの練習を続ける「宮本　大」。大好きなジャズの練習量はとんでもなく、その努力と才能を見初めた元ジャズプレーヤー「由井」によって、ジャズの基本から叩き直され、新米ながらもジャズプレーヤーとして東京へ旅立つことになる。寝ても覚めてもジャズばかりの「大」が、東京でジャズピアニストの「沢辺　雪祈」と出会い、バンドを組み互いの思いを叩きつけ合う――。
ジャズに対する熱い思い、信念やそこから生まれる友情など、ぶれることのない「大」の活躍にきっと感動するだろう。なかなか難しそうなジャンルではあるが、読んでみればきっと後悔しないはず!!

デスメタル界の帝王「デトロイト・メタル・シティ」は、インディーズシーンで圧倒的人気を誇る悪魔系デスメタルバンド。そのバンドのギター・ボーカル「ヨハネ・クラウザーII世」こと「根岸　崇一」は平和を愛しポップミュージシャンを目指す青年だが、メイクを施しステージに上がれば、「ヨハネ・クラウザーII世」としてデスメタル界で圧倒的なカリスマとして熱狂的な支持を得る。
そんな2つの顔を持つ「根岸」の苦悩を描いたギャグマンガ。普段の「根岸」はメタルを嫌っているのに対し、その才能があるために自分の意思とは真逆のことをしてしまう様が面白おかしく描かれている。また、バンドのメンバーもジャニーズ系バンドに行きたい「和田 真幸」や、ステレオタイプのオタク「西田 照道」など、メイクを取ればキャラクターが全然違う変わったメンバーも多く描かれている。

子供の頃から指揮者を目指して天性の才能を磨き続けてきた「千秋　真一」は、幼少期のトラウマから飛行機に乗れず、音楽教育の本場である海外へ行けないことを悩んでいた。自暴自棄になり、酒に酔って自宅前で熟睡してしまうが、目が覚めるとゴミ屋敷の中から美しい音楽が聞こえてきた。これがきっかけで、「のだめ」こと「野田　恵」と「千秋」の新たな音楽人生がスタートする――。
一歩進んで二歩下がる「のだめ」と共に、指揮者の道を歩む「千秋」の奮闘が描かれ、なんだかんだで世話好きの「千秋」が振り回される様なども面白い作品となっている。

母の死とともに自分の演奏するピアノの音が聞こえなくなり、ピアノを辞めてしまったピアニスト「有馬　公生」。だが、ヴァイオリニスト「宮園　かをり」との出会いのきっかけに、再び音楽への道をスタートすることとなる。親友やライバルたちに支えられながら順調に音楽人生を取り戻す「公生」だったが、「かをり」は、密かに隠していた“嘘”があった――。
中学生たちの友情、情熱、青春が描かれた作品であり、中には人間関係やトラウマ、病気や嘘など、ネガティブなテーマも多い。それらを受け入れ克服する姿に、感動することだろう。