「カウントダウン」が始まるよ！オススメ漫画５選80 Pt.

懲役339年はおよそ1人の人間が背負える刑期ではない。その長期刑を可能にするのが、転生が存在する国という設定だ。神の教えが記された教典に基づく戒律を真理として重んじるこの国では、教典に定められた「魂の輪廻」が固く信じられている。そんな中、ハロー・アヒンサーは悪逆の限りをつくした大罪人として懲役339年を科せられる。ハローが死亡すると、彼と同じ身体的特徴「赤毛」「金の瞳」「脇腹の痣」をもつ人間がハローとされるのだ。そうして300年を超える刑期満了までのカウントダウンは、幾人ものハローに受け継がれて進んでいく。読者は、大罪人・ハローの存在が受け継がれていく裏にある矛盾をはらんだ何かが明かされていくのを見届けることになる。

霊が見えてしまうなんて気味が悪い感じがするが、主人公の泪は幼い弟を失って以来、4年もそんな生活を送っているのだ。自室では常に死んだ弟の霊が傍らにおり、外を歩けば、死んでいることを自覚できずにその場をさまよっている霊を見る日々で、霊に恐怖は感じなくなっていた。そんな泪でも、美弥やまどかについた悪霊には恐怖を隠せなかった。そして、吐き気を催すようなおぞましいその悪霊は、ある「数字」を口にしていたことに気づく。それは、とりついた人間に死をもたらすまでの日数だったのだ。まどかの背後に現れた日には「7」と口にし、翌日には「6」。死のカウントダウンを前に、どうすればまどかを救えるのか。得体の知れない悪霊の魔の手が、リミットをもって迫ってくる恐怖に、手に汗を握らずにはいられない1作だ。

本作の主人公である花介は、トラックにはねられて死んだばかりの青年。霊体となった花介は自分が死んだことに気づかずにさまよっていたところを、死後の世界からやってきていたもう一人の主人公、三田村に発見される。三田村によると、霊体の足元には「穴（ホール）」という小さな穴が現れる。それが7日間かけて広がり、7日目に霊体は「穴」に落ち、現世の住人が「あの世」と呼ぶところの死後の世界「シェオール」に送られてしまうというのだ。三田村自身も、このままでは責任を問われて魂が消滅（け）されてしまうのだが、自分に無関心な彼は意に介する様子もない。死にたくない花介と、どこか物事に無関心な三田村の凸凹コンビは、カウントダウンまでにつるを見つけだせるのだろうか。

タイトルの『ひゃくにちかん!!』は、秀人がまだ5歳のちほに、「3か月」という期間をわかりやすく説明するために、「だいたい100日間」と説明したことからきている。こんなふうに優しく接することはできても、5歳の子供の面倒を見られるほど家事が得意なわけではない。さらに秀人は、友人からの電話に出れば「お前が電話出るとか奇跡かよ!!」と言われるような、テンションが低めの無気力男子。同居2日目の朝に、カレンダーを眺めて「あと99日も残ってる…」とため息をつく始末だ。しかし、そんな秀人でもレトルト食品が口にあわないちほと一緒に料理をしたり（そして、失敗）と、少しずつ変化していくようになる。別れのカウントダウンが迫る時、2人がどんな関係になっていくかは読んでのお楽しみだ。

クリスマスやバレンタインデー、カップルにはイベントが付き物だ。主人公・ののかは、カップルがこぞって盛り上がるイベントの中でも、年末のカウントダウンに憧れている。イルミネーションが輝く中で幸せそうに寄り添う彼氏と彼女を見て自分もそんなふうになりたいと思ったのだ。カウントダウンのカップルシートのチケットまで購入し、年末までに彼氏を作ろうと自分に発破をかけるが、彼氏はできずに友達のカップルにチケットをプレゼントすることに。しかし、落ち込んで年末を過ごすののかを「ヒマだから」と直也がイルミネーションを見に行こうと誘いに来てくれる。彼氏が欲しいと願うわりに好きな人ができたこともなかったののかに、本当に大好きな彼氏とカウントダウンに行く日は来るのだろうか。