長編完結漫画特集73 Pt.

じっくりと時間が取れる夏休みは、長編作品を読むにはうってつけ。そこで50巻以上に及ぶ完結作品の中から、オススメのタイトルを紹介！　珠玉のストーリーを心ゆくまで堪能しよう。

オレンジの髪色をしたヤンチャな高校生・黒崎一護には、人とは違う能力があった。それは物心付いたときから幽霊が見えるというもの。そんな彼がある日、我が家で目にしたのは、黒装束に身を固め、帯刀した少女。少女の名は朽木ルキア。彷徨える霊魂・整（プラス）を尸魂界（ソウルソサエティ）に導き、魂を喰らう悪霊・虚（ホロウ）を昇華・滅却する役割を担う死神だった。強力な虚に家族を襲われた一護は、ルキアの力を借りて一時的に死神に変身。虚を撃退して、家族を無事に守りきる。ところが、一時貸与の筈だった死神の力はルキアに戻らず、一護の中に留まったまま。仕方なく一護は、ルキアとコンビを組んで死神の仕事を代行することとなる。

大きな弁当箱を持ち歩くことから「ドカベン」とあだ名される山田太郎は、超がつくほどの鈍足だが、強肩強打に頭脳的なインサイドワークを兼ね備えた超一流の捕手。ずば抜けた巨体と身体能力を持つが、激情家で悪球しか打てない岩鬼。ピアニスト志望ながら、優れた野球センスを備え、飄々と「秘打」を繰りだす殿馬。小柄ながらコントロール抜群で、アンダースローから七色の変化球を投じる「小さな巨人」里中智。強肩強打で、常に笑顔を絶やさない微笑三太郎。個性的なメンバーが揃った明訓高校野球部は、激戦区神奈川でライバルたちと鎬を削り、甲子園を目指す。やがて彼らの戦いは、プロ野球へステージを上げて続いていく。

精霊を召喚して使役する能力を持つ「星霊魔導士」のルーシィ・ハートフィリアは、旅先の街で偶然「滅竜魔法」の使い手であるナツ・ドラグニルと出会い、憧れの魔導士ギルド「妖精の尻尾（フェアリーテイル）」に入団する。だがそこは、能力は一流ながら、破天荒な行動をする問題児ばかり。ギルドを束ねる総長のマカロフにしてからが、評議員の馬鹿共を恐れるな！　と、豪語する型破りすぎる魔導士集団だった。そんな荒くれ者揃いの「妖精の尻尾」だが、メンバーたちは家族のような絆で結ばれており、ギルドの実力はフィオーレ王国最強と評される程。メンバーの一員となったルーシィは、ナツを始めとする仲間たちとともに、困難なクエストの数々に挑んでいくことになる。

ギャンブル狂で大酒飲みなダメ人間の両親から、一億円を超える借金を背負わされ、ヤクザに売り飛ばされた高校生・綾崎ハヤテは、クリスマスイブの夜、偶然見つけた少女・三千院ナギを誘拐しようと決意する。ところがナギは、「君が欲しいんだ。一目見た瞬間から君をさらおうと決めていた」というハヤテの言葉を、情熱的な愛の告白と勘違い。紆余曲折を経て、ハヤテは三千院家の執事として迎えられることとなる。しかし、ナギは幼少から特別な脅威を受けた天才児ながら、引き籠りで重度のオタクの問題児。彼女の周囲の人々やペットまでも、色んな意味で世間の常識から外れた者ばかり。そんな三千院家で、ハヤテの波瀾万丈な生活が幕を開けることとなる。

楼桑村で草履売りとして暮らしていた劉備は、自らが漢王室に連なる中山靖王の末裔であることを知り、乱れた世を正して民衆を救おうと決意。一騎当千の武力と卓越した用兵能力を併せ持つ関羽、並外れた膂力を誇る豪傑・張飛と義兄弟の契りを結び、漢王朝の復興を目指して立ち上がる。やがて劉備は、「伏竜」とあだ名される希代の天才軍師・諸葛亮、槍術に優れた実直な武士・趙雲、弓の名手・黄忠、張飛に匹敵する武勇を備えた猛将・馬超など、様々な才能を傘下に迎え、魏の曹操、呉の孫堅、孫策、孫権などのライバルたちと天下を競うこととなる。敵味方共に多士済々、英傑たちがきら星のごとく輝きを放つ、浪漫溢れる歴史絵巻だ。

本の虫でいじめられっ子の白浜兼一は、高校入学を機にいじめ対策として空手部に入部したものの、立場は変らず。そんな彼の前に現れたのは、転校生の風林寺美羽。美しい容姿とは裏腹に、ヤクザ相手に一歩も引かない度胸と、風に舞う羽のように華麗な技を備えた天才的な武術家だった。彼女から武術の初歩を学んだ兼一は、空手部のいじめっ子を撃破。その出来事をきっかけに、彼は美羽の家で本格的な武道の修行を始めることとなる。そこは、ケンカ100段の空手家に、裏ムエタイ界の死神、中国拳法の達人、哲学する銃術家、剣と武器の申し子など、近年のスポーツ化した武術とは、一線を画する豪傑・達人が集う天外魔境。「梁山泊」と呼ばれるこの場所で、兼一は自らの信念を貫く強さを手に入れるため、武術の道に邁進していくこととなる。