「タラレバばかり言ってたらこんな歳になってしまった」
脚本家の倫子(33歳)は、恋も仕事もうまくいかず、同じくアラサ―独身女子の香、小雪と焦りながらも「女子会」を繰り返す日々。
「キレイになったらもっといい男が現れる!」
「好きになれればケッコンできる!」
そんな話しばかりしていると、突然、金髪イケメン男子(年下)に「このタラレバ女!」と言い放たれてしまい…。 (講談社 公式サイトより)
彼氏の居ない仲の良い3人のアラサー女子が、夜な夜な居酒屋で「〇〇たら」「△△れば」と酒を飲みながら話す、その様に女性たちからは「リアルすぎて読めない」、という悲鳴まで聞こえてくる話題作。
Kissにて連載中、コミックは最新第5巻まで発売中。
仕事も順調で誰もが憧れる職業、脚本家の鎌田 倫子。自分の事務所を持ち、アシスタントの女の子も一人雇えるほどになっていた。
しかし、彼氏はいない……。容姿にも気を使い、オシャレをしてエステにも通い、ネイルも完璧だが、結婚を前提にお付き合いしている彼氏はいない……。
気がつけば33歳になっていた。2020年に東京オリンピックが開催される事が決定し、そのときまでに彼氏がいるのか、一人でいるのか焦る日々。しかし、高校時代の友人、香、小雪と居酒屋で呑み明かすのも楽しく思っていた。
そんなとき、10年前に倫子に告白してきた男性早坂から「お話ししたいことがあります。」とメールがくる!! ついに脱! 独り身なのか!? 香と小雪に集合をかけ女子会をし、10年前に言い寄られた男性にもう一度言い寄られていると相談。「もしプロポーズしてきたらどうする!? 」の話しで盛り上がって酔っぱらっていると、つまみの白子ポン酢の「タラ」とレバテキの「レバ」が話しかけてきた!?
「タラ」と「レバ」はかわいい顔をして、「もし彼を逃したら……お前は一生お独身だアアア」と言ってくる!
怖ろしい夢をみつつも、友人達に見立ててもらい、胸元が大きくあいた高額の服を購入し、デートの日を迎えた。
昔は田舎出身でダサく、冴えなかったADの早坂が、10年という時を経てディレクターに昇格し、レストランでのエスコートも完璧で楽しく、見た目もオシャレになり、立派な王子様に成長して、もう一度倫子を迎えに来てくれた……。
そう思い、完璧なまでの出で立ちで早坂の「話したいこと」に臨むが……。
表参道に事務所を構える33歳独身女性。大学を卒業して脚本家を目指し、テレビ制作会社に就職し、がむしゃらに頑張って30歳で独立した。東京オリンピックの時に建てられた超ヴィンテージマンションを事務所として使っている。
高校時代の友人と楽しく女子会をするのが大好きで、飲み方も豪快。原宿にある小雪の父が切り盛りする赤提灯の居酒屋で飲むのにハマっている。
女が赤提灯の居酒屋で飲んでいても何とも思われない、東京という街が大好きである。頼むおつまみは白子ポン酢とレバテキ!!
倫子の高校時代からの親友。原宿にある赤提灯居酒屋「呑んべえ」の看板娘。
眼鏡をかけた知的でクールな出で立ち。男前な一面も垣間見える。
居酒屋で働いているが、女子会ともなると常連客にお酒を作らせたり、大騒ぎをして仕事をしない。
ドストライクで好きな男ができると猪突猛進。
居酒屋「呑んべえ」の常連客。金髪の美少年だが、倫子達は女子会に集中し過ぎていて、彼の存在に気がつかなかった。倫子達の仮説だらけのタラレバ話し女子会の騒ぎに飽きれ、三人のいき遅れアラサー女子に対し、痛烈で悲惨な言葉を投げつける。その後も度々表れては、無惨な三人に対し容赦ない言葉を浴びせかける。人気モデルをしており、倫子脚本のドラマに出演することになるが……。
制作会社のディレクター。優しくていい人。東北出身。独身。10年前、倫子が勤めていたテレビ制作会社のADだった時代に、結婚を前提に交際を申し込んだことがある。その際には高いレストランでディナーを食べたが、注文時にまごつき、指輪をプレゼントするも、駅の地下通路の宝飾店で買ったようなダサい指輪であったため、倫子にフラれている。倫子が独立した今も仕事でしょっちゅう顔を合わせている。倫子に今でも気がありそうなそぶりを見せている。
倫子のアシスタント。19歳。原宿キッズのような出で立ち。髪の毛はピンク色。きゃりーぱみゅぱみゅと同じ指輪を買って喜んでいる。高校生の彼氏がおり、モデルのKEYに似ているという。おじさんは恋愛対象外。年下が好き。中学生以来彼氏がいなかったことはない。
倫子の空想の中に現れるキャラ。白子ポン酢。
倫子に手痛い現実的なアドバイスをしてくる。語尾に「〜タラ。」をつけて話す。
倫子の空想の中に現れるキャラ。レバテキ。
タラ同様、倫子に手痛い現実的なアドバイスをしてくる。語尾に「〜レバ。」をつけて話す。
仕事も容姿も完璧な女性。オシャレも仕事も全てに力を注いできたのは、来る「理想の相手と幸せにゴールイン! 」するため……。
しかし、気がつけばもうアラサー……。
それでも自分たちは女性としての魅力は最高で、周りの男性がほっておけない憧れの存在だと信じていたのにその妄想がガラガラと崩れさった……。
今の時代の夢見がちなアラサー乙女女子の夢を、現実と言う名の砲丸が打ち砕く。
心臓はメタメタだが真実すぎて爽快感すら感じた。同じ境遇の方にはとっても心臓と耳が痛いストーリーだ。
東村アキコによる恋愛に臆病なアラサー・アラフォー女子に向けた叱咤激励作品である。
2013年9月に2020年オリンピック開催地が東京に決定したのをきっかけに構想したのかと思いきや、実際はアラサー・アラフォーの友人達が続々と「男性の相手もいなく、一人で東京オリンピックを見るのはイヤだ。」と相談してくるのを何度も叱咤激励するのに疲れてきて、このマンガを描いてやろうと思ったのがきっかけだという。
東村アキコ自身は結婚自体に憧れはなく、そういう夢は持ち合わせていないし、「必ず結婚したい。」という考えは持っていないという。
この作品は、東村アキコの友人達を含む、世のアラサー・アラフォー女性達への叱咤激励作品であり、この作品のキャラクターと同じように考え、行動をしているとこのようになる−−− という、ある意味予言書のような作品である。
倫子たちの女子会集合のかけ方。
「第1出動」−−− なんとなく飲みたい時。
「第2出動」−−− 仕事のグチを聞いて欲しい時。
「第3出動」−−− 誰かの悪口をブチかましたい時。
「第4出動」−−− 緊急に男がらみの相談がある時。
倫子達にとって、第4出動は特別! このときばかりは小雪も仕事を放棄するのである。
世のアラサー・アラフォー女性たちには、あるあるじゃないだろうか。
ギャグマンガとしても男性が読んで面白いのは、流石東村アキコだ。
ぜひ、一度読んでみてほしい。