県立学分高校。その1年2組には学校中の誰からも注目を集める男がいた。彼の名は“坂本“。
容姿端麗であり、文武両道。全ての挙動が華麗且つスタイリッシュ。何をやらせてもクール。いや、クーレスト!そんなスーパー高校生。それが”坂本“なのだ。
学校中で人気者の彼なのだが、それを面白く思っていない連中、クラスの不良たちが扉に黒板拭きの罠を仕掛けても華麗にキャッチ。間抜けな姿を晒させるどころか女子から黄色い歓声を浴びさせる始末。トイレの個室にいる彼に、バケツで水を投げ入れても傘で華麗に回避。どんな罠や嫌がらせをしても、華麗に回避してしまう“坂本”。
なんとか一泡吹かせたい。
クラスの不良たちは“坂本”を理科室へと連れ込み、痛めつけようとする。ところがタバコの火が原因でボヤが発生し大変な事態に!
逃げ出そうとするが、扉は倒れたほうきによって外側からロックされてしまっていた――。
慌てる不良たちを後目に、華麗に上着を脱ぐ“坂本”。次の瞬間、彼は秘儀「反復横飛び(レペティションサイドステップ)」を繰り出し始めたのだ。
激しいステップによって生み出される風。それでボヤを消そうというのだろうか?不良たちも負けじと反復横飛びを繰り出す……。
やがて駆け付けた教師によって、無事にボヤは消化されるが、“坂本”は風でボヤを消そうとしたのではなく、教師を呼び寄せる為に騒がしいサイドステップをしていたのだった。問い詰める教師に坂本は言う。
「自分が彼らにアルコールランプの使い方を教えていた際に、ボヤが発生してしまった。」
その姿に、一泡吹かせようとしていた不良たちですら思わず惚れてしまうのであった。