幻の大陸「ヴィンランド」を目指す少年の半生を描いたヴァイキング叙事詩。千年紀の終わり頃、世界を席巻していた最強の民族「ヴァイキング」。海や川で襲撃・略奪を繰り返す彼らに、人々は恐怖心を抱いていた。そんなヴァイキングのとある船団に身を寄せている少年トルフィン。彼は船団の首領に父を殺され、復讐のために彼の下についている。復讐を果たすため、そして幻の大陸「ヴィンランド」を目指すため、トルフィンは戦場を駆け抜ける。2019年7月にテレビアニメ化。
トルフィンの父親トールズは、北海最強の戦闘集団「ヨーム戦士団」の大隊長を務めたこともある屈強な戦士。トルフィンはそんな父と、体は弱いが優しい母ヘルガ、年の離れた姉ユルヴァとともに穏やかな日々を過ごしていた。しかしそんな日々は、ある日突然終わりを迎える。ヨーム戦士団のフローキがトールズの処刑をアシェラッド兵団に依頼。トールズは勇敢に戦ったが、トルフィンを人質に取られ、殺されてしまったのだ。トルフィンは父の仇討ちのためアシェラッド兵団と行動をともにすることになる。しかし本作はトルフィンの仇討ちのみにスポットを当てた作品ではない。ヴァイキングの生き様、トルフィンの成長を通して、北欧の壮大な歴史が描かれている。
女王から爵位を賜った少年が仲間たちと大海原に繰り出す冒険漫画。時は16世紀、大航海時代。主人公のアルことアルバート・ドレイクは、自由と大海原を愛し、新天地に憧れる少年だ。実は彼はイングランドの財政を立て直した英雄海賊フランシス・ドレイクの息子。ある日、とある事件をきっかけにイングランド女王エリザベス1世と関わりを持ったアルは、彼女から伯爵位を賜り、イングランド全海域を領土として与えられる。その日から、海賊伯アルの冒険の日々が始まった。
新天地を目指し海へ出たアル。彼はイングランドの港町で、リーザという謎めいた女性と出会う。実はこの女性こそ、イングランド女王エリザベス1世だった。エリザベスは、アルが海軍提督フランシス・ドレイクの息子であることに気づく。フランシス・ドレイクは、マゼラン艦隊に次いで世界周航を成し遂げた2人目の男。元々海賊であった彼は、奪った財宝でイングランドの財政を立て直し、その働きによって貴族になった。エリザベスはフランシスへの借りを返すため、息子のアルに爵位と領地を与えることを決めた。貴族であれば外洋船を私有できるため、アルは本格的に新天地を目指すことができる。アルは新天地に到達することができるのか。胸躍る海上の大冒険を堪能しよう。
2人の女海賊の活躍を描いた冒険活劇。物語の舞台となるのは、海がロマンと死の象徴だった時代のカリブ海。主人公のメアリー・リードとアン・ボニーは、危険が溢れる大海原を旅していた。彼女たちは海賊を倒す「海賊潰し」として恐れられている2人組。その目的は、自分たちを救うために殺害されてしまった男ジャック・ラカムの仇を見つけることだ。様々な海賊たちと出会い、戦いながら、メアリーとアンは大海原を突き進み、目的達成を目指す。
カリブ海の名だたる海賊たちを壊滅させてきたメアリーとアン。2人にはそれができる確かな実力があった。メアリーはカトラスを武器に戦う女性。人並み外れた高い身体能力と怪力を誇っており、接近戦を得意としている。メアリーの相棒であるアンはちょっぴり天然な女性。しかし銃の扱いに長けており、どんな銃でも使いこなして目標を正確に撃ち抜くことができる。本作はそんな2人が力を合わせ、大切な人の命を奪った海賊を探し求めて冒険を繰り広げる物語だ。メアリーとアンの目的は復讐なのだが、物語は決して重たいものではない。むしろ、コミカルですらあるため、読み進めやすいだろう。復讐だけでなく、海賊らしい宝探しの要素も物語に組み込まれている。
本屋大賞を受賞した同名小説のコミカライズ作品。1945年8月15日、日本は連合国の降伏条件「ポツダム宣言」を受け入れ、これによって太平洋戦争は終結した。主人公は一代で石油販売会社を築き上げた男・国岡鐡造(くにおかてつぞう)。敗戦で全てを失った日本同様に、彼もまた全てを失おうとしていた。しかし、鐡造は諦めない。彼は僅かに残った社員を集め、誰も解雇しないことを宣言。部下たちとともに会社の立て直しを図り、そんな彼らの働きは日本の復興をも後押ししていく。
主人公・国岡鐡造は、出光興産創業者の出光佐三をモデルに生まれたキャラクター。本作では彼の生涯を通して、石油というエネルギーを巡る世界各国との戦い、会社の再生と日本の戦後復興などが描かれる。一度全てを失った人が、国が、再び立ち上がるのは容易なことではない。会社だけでなく日本の復興も目指す鐡造たちの前には、様々な壁が立ちはだかることになる。それはGHQであったり、英国などの他国であったり、国内の石油会社であったりする。鐡造がその壁に仲間たちとどう立ち向かっていくのかが、本作の大きな見所だ。その中でも特に注目すべきなのが「日章丸事件」。産油国との直接取引を成功させ、日本に自信と誇りを取り戻させた大事件を、珠玉の物語を通して学ぶことができる。
略奪、破壊、暴行、殺戮などあらゆる「海賊行為」を競う前代未聞のデスゲームを描いた、冒険漫画。いつもと変わらない平凡な朝。とある学校の校庭に、巨大な海賊船が現れた。その海賊船から現れたのは、マスコットのような謎の存在「キャプテン・ゴールドリッチ」。ゴールドリッチは、この学校の生徒たちが「デッド・フラッグ」というゲームの参加者に選ばれたことを告げ、さらにそのゲームの恐ろしく残酷なルールを語り始める。
ゲーム「デッド・フラッグ」のルールはシンプル。「下級海賊」というランクからスタートしたプレイヤーは、ゲームの中でポイントを貯めて「海賊ランキング」を上げていけばいい。ただし、ポイントの貯め方が問題だ。ポイントは「海賊行為」によって貯めることができる。海賊行為とは、財宝の発見、怪物退治、略奪、破壊、暴行、殺戮のことを指す。ちなみに、海賊行為をしないという選択肢は与えられない。何故なら、このゲームで生き残れるのはランキング上位13人のみ。10日後にランキング13位以内に入れなかった者は処刑されてしまうのだ。生き残るために海賊行為に手を染めるのか、別の生き残る方法を探すのか。スリリングなゲームの行方から目が離せない。