吉田秋生の代表作の一つ。1970年代から1980年代のニューヨークを舞台に、謎の薬物「バナナフィッシュ」を巡る陰謀と、それに巻き込まれる人々の運命を描いた物語。ストリートキッズのリーダーを務め、この危険な世界で生き抜くアッシュは、兄のグリフィンがベトナム戦争中に遭遇した謎の薬物事件をきっかけに、日本人の大学生、英二と出会い、彼と友情を築きながら、グリフィンが口にした「バナナフィッシュ」という言葉の真相を探ることになる。コルシカマフィアのボスであるディノとの因縁やチャイニーズマフィアとの抗争、そして政府の陰謀が次第に明らかになる中で、アッシュと英二は絆を深めていく。本作は銃撃戦や暴力的な描写が頻繁に登場し、社会の暗部や政治的陰謀を扱うなど、ハードボイルド、アクション、サスペンス要素を多分に含んでおり、一般的な少女漫画の枠を超えた内容が特徴となっている。各エピソードのタイトルには、J.D.サリンジャーやアーネスト・ヘミングウェイをはじめとしたアメリカ文学作品の題名が使用されるなど、文学的な要素も盛り込まれている。小学館「別冊少女コミック」1985年5月号から1994年4月号まで連載。テレビアニメが2018年7月から連続2クールで放送。舞台が2005年11月から多数上演されている。