1980年代のアメリカを舞台に麻薬「バナナフィッシュ」を巡る陰謀を描くクライム・サスペンス漫画。NYのスラムでストリート・キッズのボスである少年、アッシュ。アッシュの兄はベトナム戦争の最中に麻薬漬けにされ廃人に。ある日アッシュはその麻薬を巡る事件に巻き込まれる。その麻薬の名は「バナナフィッシュ」。2018年に時代設定を現代に変更してテレビアニメ化。
天才不良少年のアッシュが、兄を廃人にした麻薬「バナナフィッシュ」の謎を追うクライム・サスペンス。1980年代のNY、ストリート・キッズのボスで悪童たちを纏めていたアッシュは、金髪緑眼の美少年。そんな外見とは裏腹に、アッシュは優れた頭脳と高い戦闘力、圧倒的なカリスマ性で仲間を纏めていた。ある日アッシュは、路地裏で死にかけの男から「バナナフィッシュに会え」と言い残される。アッシュの兄はベトナム戦争従軍時に仲間に向けて銃を乱射し、廃人となった。その時に兄は「バナナフィッシュ」という言葉を繰り返していたという。兄の復讐のため「バナナフィッシュ」の謎を追うアッシュ。やがてそれは巨大マフィアや国家をも巻き込む陰謀だったことが明らかになっていく。
謎めいた美少女、叶小夜子が転校してきたことで、その周囲の者たちにさまざまな事件や変化が起きていく学園漫画。対人恐怖症気味である女子高校生、麻井由似子はある日クラスに転入してきた小夜子と出会い、人見知りにも関わらず小夜子に惹かれていく。だが小夜子の転入には隠された彼女の家庭の事情があった。1985年第29回小学館漫画大賞受賞、2007年実写映画化。
美しく謎めいたヒロインの叶小夜子が抱く哀しみや憎悪、そして友人たちへの羨望のような愛しさを描いた学園サスペンス物語。小夜子は周囲とは一線を画す美しい少女。そんな小夜子は名家の三女だが、幼い頃に養子に出され、本家とは別の場所で暮らしていた。叶家の現当主である小夜子の祖父は彼女に遺産を継がせるべく、彼女を呼び戻したのであった。小夜子は由似子たちと普通の少女のように過ごす一方で、叶家の財産を狙う者たちに立ち向かう決意をする。小夜子の周辺では次々と不審な出来事が起きていたのだ。そんな小夜子の本性に気付く者がひとりだけいた。一見、軽薄な不良少年の遠野涼は、小夜子の素性を探ろうとする。その最中、涼の従兄である暁が小夜子と婚約する。
恋や生き方に悩み、共に成長していく女子高校生たちを描いた青春群像劇漫画。桜華学園演劇部では毎年創立記念日にチェーホフの『櫻の園』を演じる伝統があった。演劇部に所属する中野敦子は恋人のシンイチとの関係に悩んでおり、練習に身が入らない。ある日、敦子は結婚を控えた姉から過去の恋人の話を聞き、シンイチとの関係を前に進めようと決意する。1990年、2008年実写映画化。
本作は演劇部に所属する4人の少女それぞれの悩みや葛藤、成長を描いた青春群像劇。各章のタイトルは「花冷え」「花紅」「花酔い」「花嵐」となっている。『櫻の園』でアーニャ役の敦子は、恋人のシンイチが大好きなのに体の関係になることに抵抗感を覚え、悩んでいる。ヤーシャ役の杉山紀子は「ハデな遊び好きの子」とクラスメイトから距離を置かれている現状に違和感を覚えていた。ドゥニャーシャ役の志水由布子は、密かにボーイッシュな倉田知世子に想いを寄せていたが、ある日、ふとしたきっかけで奔放な紀子と交流するようになる。ラネフスカヤ夫人の知世子は、とある男子に恋をしていたが、普段は男役のオファーばかりである自分にコンプレックスを抱いていた。
米軍基地のある町で暮らす男子高校生たちの悲喜こもごもの日々を描く青春漫画。中学時代はバスケに青春を賭けていたトシ(能代季邦)は、父親の不倫によって家庭が崩壊。離婚後に母が亡くなり、姉の幾世と二人暮らし。そんな幾世は父への当てつけのように水商売の女となり、屈折したトシも裏商売に手を出す。1985年、小学館漫画大賞を『吉祥天女』と同時受賞。
本作は家庭崩壊で屈折した男子高校生、トシと、彼の悪友である久保田深雪、神田秋男の日常をメインに描かれる青春物語。トシは放課後にバーテンとして働き、米軍相手に女性をあっせんする裏商売もしていた。そのことで地回りのヤクザにリンチを受けた時、米兵のダンに助けられる。ダンはトシの姉である幾世と親しくなるが、長年この街に住んでいたトシも、そして幾世自身もこの恋が上手くいかないことはわかっていた。一方で、バイト先でゲイバーに入ったトシは、倒れた客の息子で同級生の深雪と遭遇してしまう。紆余曲折ありトシは深雪と親交を深め、以降悪友となる。また秋男はトシの幼馴染で、トシの家庭事情が変わっても友だちとして一緒に悪さをするのだった。
特殊な出生のために運命に翻弄されながらも抗い、戦う少女を描くサスペンス漫画。人知を超えた力を持つ青年の数奇な運命を描いた同作者のサスペンス『YASHA-夜叉-』の続編である。ハワイで暮らすアリサ・クロサキの元に、彼女の両親の古い知り合いであるシン・スウ・リンの息子、烈がやってくる。烈はアリサに危機が迫っていて、自分が護ると宣言する。
前作『YASHA-夜叉-』の主人公である有末静(現在の名は雨宮凛)の娘、アリサが辿る数奇な運命を描いた物語。『YASHA-夜叉-』で明かされなかった謎なども本編で描かれている。母親のルー・メイ譲りの美貌と父親のケンから教わった護身術の腕っぷしで周囲から羨望のまなざしを受けている美少女アリサ。しかし、実はケンは本当の父親ではなかった。そんなアリサは幼い頃から不思議な力を持っていた。ある日、アリサは烈から自分の身に危機が迫っていることを知らされるが、腕に自信を持つ彼女は耳を貸さない。だがその直後、アリサはとある人物に出会う。それはアリサの実の父親である静の遺伝子を持つ男、死鬼であった。その出会いによって、アリサは自分の出生の秘密を知ることになり、戦いに誘われていく。