真っ直ぐで不器用な大男・剛田猛男と、猛男の彼女・大和凜子、猛男の親友・砂川誠の3人を中心としたラブコメディ。ある日の合コンで、大和凛子の友達が「凛子が毎日かっこいいって言いまくっているから、どんなイケメンかと思ったら、ゴリラみたいだった」「ギリギリ人類だよね」などと猛男の悪口を言っているのを聞いた凛子と猛男。「ごめんね たけおくん 友達がたけおくんに嫌なこと言ったから傷ついたよね」と泣きじゃくる凛子に、猛男は「無傷だ。それよりも 大和は友達にオレのことをかなりほめてくれてたんだな ありがとう」と感謝の言葉を口にする。自分のことより、凛子が泣くのがつらいという、一途な想いを胸に秘めた猛男ならではのセリフと言えよう。
麦わら帽子の少年モンキー・D・ルフィが、ひと繋ぎの財宝「ワンピース」を探し、海賊王を目指す海洋冒険漫画。ルフィの義兄、ポートガス・D・エースの戦死シーンは、『ONE PIECE』の数ある名場面の中でも屈指。ルフィを庇って赤犬に内臓を貫かれたエースは、「おやじ……!!! みんな……!!! そしてルフィ……今日までこんなどうしようもねエおれを 鬼の血を引くこのおれを……!! 愛してくれて ……ありがとう!!!」と言い残し息を引き取る。世界中から疎まれていた自分を愛してくれたものに対する、最初で最後の感謝の言葉である。
『カイジシリーズ』2作目。多額の借金を背負った主人公・カイジが、様々なギャンブルに挑む姿を描いた作品。苦心の末、カイジは裏カジノの1玉4000円の怪物パチンコ「沼」の攻略に成功。そのお金で、地下収容所で強制労働をさせられていた仲間5人を救出。再会の日、仲間たちは声もなく涙を流し、抱き合った。やがて一人が「カイジさん…! ありがとうございます…! オレ…働きます……! 今度こそ真面目に……!」と話すと、次々に「オレも…!」と声が上がる。地獄のような地下収容所から解放された喜びだけでなく、救世主カイジへの深い感謝と自身の人生への反省など、様々な感情が入り混じった心の叫びだろう。
食材を狩る「美食屋」のトリコが様々な食材を求めて戦う姿を描いたグルメバトル漫画。主人公であるトリコは、食べる目的以外で獲物を殺すことはない。また、獲物の命を奪う際は、両手を合わせて祈りを捧げる。「この世のすべての食材に感謝を込めて…いただきます」のセリフの通り、食材への感謝を忘れることはないのだ。
運動神経抜群で闘魂溢れる高校生・東三四郎が、ラグビーや柔道で活躍後、やがて夢だったプロレスの道を歩みだす格闘青春コメディ。三四郎を中心とした格闘部とラグビー部の試合中、ヒロイン・北条志乃に言った言葉が、「あがとりい」。選手集めなど、さまざまな協力をしてくれた志乃に対して「ありがとう」というつもりが、言い誤ってしまったのだ。照れ屋で恋愛には奥手な三四郎らしい間違いである。ちなみに三四郎の父・一二郎も、想いを寄せた女性に感謝の言葉を述べるときに、同じく「あがとりい」と言い誤っている。不器用だが真っ直ぐな気持ちが伝わる間違いではないだろうか。