危険な妄想が爆発する漫画68 Pt.

想像の斜め上をいく危険な妄想がクセになる漫画を紹介

危険な妄想が爆発する漫画

出典:小学館

弟が自分に恋していると危険な妄想をする姉、男性同士の恋を妄想するオタク女子、モノを美少女に見立て妄想を膨らませる男子高校生。登場するキャラクターが、危険な妄想を爆発させてしまう漫画5作品をピックアップ。


『姉ログ 靄子姉さんの止まらないモノローグ』

出典:小学館

「弟は姉である自分に恋しているヘンタイ」だと勘違いした女子高校生・近衛靄子がヘンタイすぎる妄想を爆発させる、危険な妄想系ショートコメディ。弟の何気ない行動を「姉を溺愛するゆえのヘンタイ行動」と脳内変換して暴走してしまう靄子の危険な妄想まみれの日常を、ギャグテイスト満載に描いている。

本作は、「弟のことが大好きなヘンタイの姉」である女子高校生・近衛靄子が、弟のことを「姉に惚れているヘンタイ」だと勘違いし、さまざまな危険な妄想を膨らませる様子を面白おかしく描いている。弟の言動は、靄子の手にかかれば、どんな他愛ない内容でもすべてヘンタイ扱いされてしまう。例えば、弟が「風呂に入る順番を姉に譲る」と言えば、靄子はそれを「姉の入浴を覗き見るため」だと考える。そして靄子は、「靄子の入った風呂の残り湯を飲むために譲ったに違いない」という結論に達する。さらに悩んだ挙句、靄子は「衛生的に許容できるであろう200mlの残り湯」をコップに入れて、弟に差し出すのである。こんな、想像のはるか斜め上を行く、靄子の危険な妄想エピソードが次から次へと飛び出してくる本作は、とてもおかしい作品だ。


一般的な純情少年とオタク少女の爆笑ラブコメディ。ごく普通の男子高校生・阿部隆弘が恋したクラスメイト・浅井留美は、アニメと漫画が大好物で、男性同士の恋という危険な妄想をするのが大好きな「腐女子」だった。第11回ジャパンエキスポ少女マンガ部門グランプリ受賞作品。2007年に実写映画化された。

男性同士の恋という危険な妄想をするのが趣味なオタク女子がモテるというのが特徴的な作品だ。主人公の女子高校生・浅井留美は、アニメや声優に精通し、男性同士の恋を扱うボーイズラブ系の漫画を執筆するほどのディープなオタクである。留美は、クラスメイトの男子・阿部隆弘と千葉俊介のカップリングを好んでおり、たびたび2人の恋愛的な絡みを妄想しては、この上ない幸せを感じている。そんな留美の趣味を知らず、彼女に惚れてしまったのが、オタク文化には無縁な阿部である。しかし阿部も、留美とかなり美化した自分との恋愛的な妄想を、日々、脳内で繰り広げている。留美に負けず劣らずの妄想っぷりを発揮しているのだ。危険な妄想に彩られた2人の日常は、次第にカオス度を増していく。


『高校の日常』

出典:KADOKAWA

学生のあるあるネタやすれ違い&勘違いネタ、ドツき合いネタ、そしてちょっとエッチで危険な妄想ネタといった、特徴の異なるネタを5組のキャラクターたちが繰り広げる4コマコメディ。日常に転がる「どうでもいい」ネタを真面目かつコミカルに描いており、ちぐはぐいっぱい、危険な妄想いっぱいのハイテンションなギャグが展開される。

本作は、特徴の異なる5組のキャラクターたちが、さまざまなネタで「高校の日常」エピソードを展開していくのが特徴だ。その中でも、男子高校生の名護&橘コンビは、危険な妄想ネタを繰り広げる。名護は、さまざまな物を美少女に見立てる危険な妄想の天才。電気ケトルや霧吹きのような、さまざまな物が女の子だったらと妄想しては、興奮がおさまらないほどエロいと言う。そして、親友・橘に「それらがなぜエロいのか」という理由を力説するほどの猛者である。対する橘も、立花に負けず劣らずの人物である。彼は、名護に呆れつつも、美少女仕様の電気ケトルや霧吹きといった、名護の妄想の産物をしばしば実際に制作している。危険な妄想にまみれた、2人のカオスなやり取りはシュールな面白さがあり、読めば目が離せなくなること請け合いだ。


男子にモテるために奮闘する、危険な妄想が大好きな女子高校生の日常を描いた、ちょっと切ない学園ライフコメディ。主人公・黒木智子は、高校生になれば自然とモテると思っていた。しかし実際は、モテるどころか男子との会話すらままならない。智子は、時にネガティブで危険な妄想をしつつも、無残な現実を打破しようともがく日々を送る。スピンオフ作品に『私の友達がモテないのはどう考えてもお前らが悪い。』がある。2013年にテレビアニメ化された。

「喪女」とは、いわゆる異性にモテない女性のことを指す言葉だ。本作は、その喪女にスポットライトを当てている。主人公の女子高校生・黒木智子は、喪女のあらゆる要素を詰め込んだような、「喪女の中の喪女」である。智子は、「私はブスじゃない」と自分に言い聞かせながら、エベレストのように高いプライドと、男子にモテない現実との狭間で苦悩している。その姿はあまりにも痛々しく、読んでいるこちらが恥ずかしくなるほどだが、そこが面白い。喪女特有の危険な妄想がどんどんエスカレートしていき、智子の異端さが一段と際立って見えるのもポイント。ズレた思考と行動で失敗を繰り返す中で、智子が少しずつ成長していく姿も描かれている。智子と、徐々に周囲の人々との距離が縮まっていく様子は感慨深く、感動が湧き上がる。


『燐寸少女』

出典:KADOKAWA

火が付いている間に思い浮かべた妄想が具現化する「妄想燐寸(もうそうマッチ)」にまつわるエピソードを綴ったダークファンタジー作品。燐寸少女・リンに選ばれた人物が、「妄想燐寸」を使用し、危険な妄想を具現化することで巻き起こる、摩訶不思議なショートストーリーをオムニバス形式で描いていく。2016年に実写映画化された。

妄想を具現化する「妄想燐寸(もうそうマッチ)」は、使用者の寿命と引き換えに、どんな危険な妄想も具現化するマッチだ。本作はエピソードごとに主人公が変わるオムニバス形式なので、色々な人物の妄想や欲望を垣間見ることができる。各エピソードの主人公は皆、燐寸少女・リンに渡された「妄想燐寸」を使うことで、心の内に抱えている危険な妄想を具現化させることになる。主人公たちの妄想の内容や、妄想燐寸を使用した後の展開はさまざまだ。ハッピーエンドもあればバッドエンドもあるので、各エピソードの結末がどうなるか、最後までドキドキ気分を味わえるのもポイント。そして、本作をさらに魅力的にしているのが、作者・鈴木小波の個性的な画風である。摩訶不思議な物語にマッチした独特の作画が、読む者を幻想的な世界へと誘っていく。


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