散歩中迷子になった子猫が男の子に拾われ、家族となって一緒に生活していく、ホームドラマ。キジトラの子猫は、散歩中、鳥を目で追っている間に母親や兄弟たちとはぐれてしまう。家族を探して犬や蛙などに尋ねてみるが、結局ママのもとにはたどり着けず途方に暮れてしまう。草むらに逃げ込んだ子猫は、あまりの空腹に倒れ込んでしまった。その時、子猫の目の前で人間の男の子が転んでしまうのだった。2008年にテレビアニメ化された。
本作の主人公である子猫、チーは一家で散歩中に鳥を目で追っていたときにはぐれてしまってから、家族の元に帰れなくなってしまった迷子猫だ。そんなチーを拾った山田家は、可愛いチーに振り回されることになるのだった。チーは子猫であるため、独特な「チー語」を話す。これが舌足らずで幼さを強調しており可愛いのだが、性格は自分勝手で気まぐれで傍若無人。小さくても猫様であることは変わらない。特に、迷子のチーを発見したヨウヘイには、わがままな妹のようでもあり、年長者のようにも振る舞う。チーを中心に回り始めた山田一家において、彼女がお姫様であることは間違いない。
ヘビーゲーマーのOLがハチワレ猫と一緒に暮らし始めたことで、ゲーム中心の生活が変化していく日常コメディ。29歳のOL・小桜理子(こざくらりこ)は、絶対に残業をせず任意の飲み会にも参加しない。その理由は、家でゆっくりと大好きなゲームをプレイするためだった。そんなある日、会社の駐車場で子猫が拾われ社内で飼い主を募っていた。ハチワレの子猫と目が合った理子は、思わず飼うことを引き受けてしまう。しかし、理子は猫を飼ったことが無いまったくの猫飼い初心者なのだった。
ゲーマーは時間に追われている。なにせゲームはすぐにクリアなどできない。人生における趣味に割ける時間は有限で、各々社会生活に必要な行動をとるために一日の大半を費やさなければならない。趣味に時間を割きたいのに、生活を支えるために時間を使わなければならない悲しみ。理子は仕事を絶対に定時で終わらせ、趣味に充てる時間を最大限確保してきた。ここで思わぬ刺客が現れる。ハチワレ子猫のおむすびだ。思わず飼うことにしてしまった理子だが、猫は全くの初心者。初めて家に迎え入れた時から、その気まぐれな行動に振り回されてしまう。ペットを飼うのに向かなさそうに見える理子だが、猫が気まぐれだからこそ合うのだろう。お互い自分の時間を過ごしつつもそばにいる、そんな関係性が心地よい。
天真爛漫な犬と強面でクールな猫と生活する漫画家の、日常エッセイコミック。漫画家の松本ひで吉は、小型犬の犬くんと白黒ぶちの猫さまと一緒に生活している。犬くんは天真爛漫で無邪気な性格、見た目もふわふわとして可愛らしい。対して、猫さまはクールで気まぐれ、見た目は強面で視線は鋭く迫力がある。おやつへの反応も全くの正反対だ。おやつを貰えるかもしれないと大喜びしている犬くんと、猫さまの虎視眈々とおやつを狙う鋭い視線の違いが面白い。2020年10月テレビアニメが放送された。
多くの猫にとって犬は天敵なのだが、小さい頃から一緒に生活していると敵対意識が薄くなるらしい。松本家の犬くんと猫さまも、険悪な関係ではない。猫は基本的に、自分の気分じゃないときにじゃれつかれることを嫌がり攻撃的になることがあるが、犬くんに対しては別のようだ。攻撃的なところをあまり見せることはない。どちらかというと、飼い主であるひで吉に対するふるまいの方が鬼畜度は跳ね上がる。おやつは盗み食いし、かまってほしいときはインクを落とし、データが消えようとお構いなしにPCの上でくつろぐ。あまりにも鬼畜できまぐれ、わがままな猫さまだが、ひで吉に心を許している証拠なのだろう。受け入れてくれる人にしか、素直な感情を見せはしない。そんなところも愛おしくなる。
ゴミを漁っていた猫とお世話する人間と先住猫たちの日常と、猫あるあるを描くコミックエッセイ。つしまは恰幅の良い体型が特徴のキジトラの野良猫。ある日ゴミを漁っているときに青白い顔をした人間の女性、おじいちゃんに声をかけられる。ごはんを振る舞われたつしまだが、おじいちゃんのごはんを狙うほど食に対して貪欲。ズン姐さん、ちゃー、オサムの3匹の先住猫たちに呆れられながらも、共に生活することにするのだった。2021年7月よりテレビアニメが放送。
つしまは「親分」「ボス」「親方」といった、組織トップの名を与えられるほど見た目に貫禄がある猫である。丸々とした顔に太い胴回り。かわいい。短い手足ながら動きは猫らしく俊敏だ。野良猫であるつしまは、ごみ置き場で飼い主であるおじいちゃん(若い女性)と出会い、おじいちゃん宅で生活するようになる。家猫と元野良猫では気まぐれさのベクトルが異なる。元野良猫は食事に事欠くような生活をしていたこともあり、特に食に対しては貪欲だ。つしまの食に対する執着は時折おじいちゃんを困らせるが、ごはんくらいで居付いてくれるなら安いものだろう。つしまは風来坊気質なのだ。丸々太った親分顔なのに、素直に甘えてくるところなどギャップがすごい。つしまは魔性の魅力を秘めている。
ペットショップで売れ残っていた猫とピアノ講師の男性が出会い、一緒に生活をしていくヒューマンドラマ。潰れた顔と鼻の横の模様が特徴的な猫はペットショップの売れ残り。ほかの子猫たちが迎えられていく中、自分は誰にも欲しがられないとあきらめていた。ある日、壮年の男性である神田冬樹(ふゆき)が猫を買い求める。独り暮らしをしている神田の家に迎えられ、ふくまると名付けられた猫は、互いを大切に想いながら一緒に生活を始めるのだった。2021年1月に実写ドラマ化された。
ふくまるはエキゾチックショートヘアという種類の猫である。鼻だけでなく顔も少し潰れたようになっているのが特徴で、じと目に独特の愛嬌があり、人気を集めている。ふくまるはペットショップで販売されていたが買い手がつかず、1歳を迎えようとしていた。このまま誰にも欲しがられないと思っていた矢先に現れたのが、神田冬樹である。ふくまるは神田に懐き、神田もふくまるを可愛がり愛情を注ぐ、まさしく相思相愛の関係だ。神田が大好きなふくまるは気まぐれ度は薄いのだが、猫の習性に基づく行動はとる。猫ベッドよりも段ボールが好きだし、お風呂は嫌い。猫らしさはあるが、愛情表現は真っすぐで深い。神田とふくまるの心温まる暮らしを最後まで見守りたい。