万能のマンガ家、石ノ森章太郎のマンガ論2406 Pt.

「マンガの神様」と呼ばれた手塚治虫に対し、そのマンガ人気の継承者として「マンガの帝王」と称されたマンガ家、石ノ森章太郎。
希代のマンガ家、石ノ森章太郎のマンガ論を紹介しよう。

作成日時:2016-07-16 12:00 執筆者:マンガペディア公式

マンガ家、石ノ森章太郎とは

『サイボーグ009』、『さるとびエッちゃん』、『HOTEL』などの漫画作品や、『仮面ライダーvシリーズや『人造人間キカイダー』といった特撮ヒーローものの原作者としても活躍。
多作なマンガ家としても知られ、一人の著者による最も多いマンガの出版の記録としてギネス・ワールド・レコーズに認定されている。

石ノ森章太郎のマンガ論

・「劣等感が人をつくる。劣等感に押しつぶされまいという頑張りが、その人の成長につながる。同じく劣等感の皆無な人間などあるはずがないが、もしあったとしたら、味気ない人間に違いない」

石ノ森自身が師匠である手塚治虫に対してそうであったように、彼の作品は「劣等感」というのが常に大きなテーマとして存在していた。
その思いが表現された代表的作品ともいえるのが1974年に放送が開始された『がんばれ!!ロボコン』だ。
視聴率もうなぎ上りで、平成に入ってからもリメイクされ、新作が放送されたり、超合金のおもちゃの復刻版が販売されたりしたほどの人気作品だ。
『がんばれ!!ロボコン』は主人公の基本そそっかしいドジなロボット、ロボコンがA級の立派なロボットになるために奮闘する成長物語で、ロボコンは周りの誰よりも劣るという設定だ。
しかし、ロボコンはG級の落ちこぼれロボットではあるものの、友情、愛情が豊かで曲がったことを良しとしない性格であり、それによって点数を越えた活躍をすることもしばしば。
人は皆、無力感や劣等感と常に戦いながら生きているとした石ノ森は、この作品を通して何を伝えたかったのか、子供はもちろん、大人が見ても考えさせられるシーンが多々ある名作だ。

・「人から見て幼稚だろうと何だろうと、自分が面白いと思うことをやれれば、人生はそれで十分なんだな、と。他人に褒められるように生きる必要なんて、まったくない。それが世の中に受け入れられるかどうかは、あくまで結果でしかない」

石ノ森は、あらゆる分野の才能を発揮したレオナルド・ダヴィンチに憧れたこともあって、学生の頃は様々な部活動に明け暮れていた。
それはいつか何かの役に立つからという理由ではない。ただ単に自分自身が興味があったからいろいろなことに挑戦をしていただけとのこと。
マンガ家になってからもその考え方はまったく変わらず、「お金も時間も、すべて面白いこと楽しいことだけに使っていた。衣食足りて礼節を知るというが、食べることもと眠ること、いわんや着ることなんて、どうでもよかった。胃袋よりも、興味と好奇心を満たすほうが優先だったのだ」ということばのもと、とにかく自身の趣味のために収入を注ぎ込んでいたようだ。
結果として、石ノ森は、この多岐にわたる活動が功を奏して、様々なジャンルのマンガで成功を収めることになるわけだが、もし仮にそれらがマンガ家として大成するのに役に立っていなかったとしても、生活を変えるようなことはしなかったのではないかと思われる。
自分が本当に好きだから、面白いから、やってみたいから、やる。シンプルではあるけれど、ついつい大人になると忘れがちになる考えだ。

・「人はみな、仮面を被って生きている」

石ノ森原作の特撮ヒーロー、『仮面ライダー』シリーズのテーマは、社会に生きる人間はみな、素顔を隠す仮面を被って生きているというもの。
同じく石ノ森原作の戦隊ヒーローもののはしりとされる『秘密戦隊ゴレンジャー』は、人間はひとりでは力の弱い存在であるが、協力し合うことでそれを補いあえるということをテーマにしている。
『がんばれ!!ロボコン』もそうであったように、石ノ森が描く人物は、劣等感や弱さ、裏の顔といった通常では目を背けたくなるような点に重きを置いて描かれている。
石ノ森自身がそうしたように、こういった劣等感とどう向き合っていくか、弱さに立ち向かう人間の強さという点が石ノ森作品の大きな魅力のひとつになっている。

・「壁を越えるのはちょっと苦しいけれど、越えればそこには必ず新しい世界がある。それを見られるだけでも楽しいじゃないか。人生は木のようなもので、まっすぐに伸びた幹だけの木よりも、枝があちこちに伸びている木のほうがおもしろい。まっすぐな幹だけをスルスルと昇っていくより、枝々をいろいろな方向に伸ばしたほうがいろいろな方向が見渡せて人生が何倍も楽しめるぞ」

最後に紹介するのは、石ノ森が未来ある若者に向かって言ったとされることばだ。
石ノ森は、マンガ家という職業の枠を飛び越えて、とにかく人生を楽しむ人だった。
人間、山の高さを知り、海の深さを知るからこそ味のある人になる。
何かの役に立つからといった手段としてではなく、それそのものをただ楽しむ心の余裕を持ちたいものだ。


あれだけのヒット作を生み出しながらも劣等感を持ち続けた石ノ森、だからこそ描けた作品だったのだろう。
これらの言葉をヒントにもう少し楽に生きてみたい。

◆公式サイト

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